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第20話 砂場の決闘(笑)

さらに時代は遡る。


忘れもしない小学3年生の6月。


その日私は。

――修羅となった(笑)



※※※※※



楽しかった寒川町倉見での生活。

父親の悪癖により…


せっかくの引っ越しに対し、全くワクワクしていなかった私。


1月の冷たい風を感じながら、狭い庭の前。


なぜか野球のバットで素振りをしていました(笑)


――多分、誰かに見つけてほしかったんだと思う。

因みに我が兄は一応少年野球に所属しておりました。


だからあったんだよね。

バット。


まあね。


いきなり変なタイミングで引っ越してきた小太りの少年。

さらには冷めた目に、変に理屈をこねくり回す悪癖。


誰よりも自分を分かっていた私は。

――実は不安だったんだ。


だからね…



※※※※※



「…ねえ、君?――この家の子?」

「っ!?う、うん…えっと…」


手のひらが痛かったことを思い出す。

汗だくの私。


多分少し年上?

なぜか人懐っこい笑みを浮かべた『オノウエ君』


私は彼と遊ぶ仲になった。


そして。

彼は地雷系だった(笑)



※※※※※



私が転校したのは小学2年生の3学期。


寒い冬。

着ぶくれした格好で一人歩く通学路。


寂しかったのを思い出す。


でも…


「ねえ、待ってよ――一緒に行こう」

「うあ!?オ、オノウエ君?――う、うん」


嬉しかった。

心細かった私は、一瞬で彼に懐いたんだ。


そして運動音痴の私は。

実は自転車に乗れず。

常に彼の運転する自転車の後ろ、そこが指定席となっていた。


今思えば。

きっと彼も寂しかったのだろう。


彼のうちは父子家庭。

小さな古びたアパート。


タバコの焦げ跡が刻まれた古畳。

妙に物の少ない彼の部屋。


そしてなぜかいつも一人で、同級生の影のないオノウエ君。


そう、彼は。


ボッチだったんだ。


そして異常な執着、私はそれに恐れおののいた。



※※※※※



小3に上がってすぐ。

相変わらずほぼ毎日、オノウエ君は私に付きまとった。


もちろん感謝もしている。

何よりちょっと面倒くさい性格の私は。


――彼に救われたのだから。


でもね?

彼は上級生。


皆も分かるでしょ?

普通は同級生、そしてクラスメイトと遊ぶ。


いくらこじれているとはいえ。

それなりの演技というか擬態?(笑)


それが出来た私は普通にクラスメイトとも仲良くなっていた。


あの当時。

実は茅ヶ崎。

“ホームタウン”という、少しお洒落な集合住宅街が形成。


かなりの人口が増えていたんだ。

そしてなんと鶴峰小学校の学区内。


憧れました。

綺麗な新しい、かっこいいお洒落な住宅。


公園やエントランス。


だからね。

そこの住人であったアサダ君。


仲良くなった私は、彼と遊ぶ約束をしていたんだ。


そして…


「おいっ!約束しただろ!…どこ行くんだよ!?」


なぜか校門で待ち伏せているオノウエ君。

ドン引きするアサダ君。


――結局。


私はアサダ君どころか。

誰とも遊ぶことが出来なかったんだ。


よくわからない感情。

この時私の胸に灯っていた。



※※※※※



もちろんね。

従う必要も意味もないよ?


でもあの時の私は。

逆らえなかった。


当然だけど暴力を振るわれたり、嫌なことを言われたことは一度もない。

彼は本当に、何故か“面倒くさい私”を好いてくれていた。


だけどね、子供なんて我儘だし?

私はついに我慢の限界となっていた。



※※※※※



「……本当にいいんだな?」

「うん。泣いたら負けだよ?そして僕が勝ったら…もう付きまとわないで」


6月の放課後。

学校の砂場。


私はオノウエ君と2人。


決闘をしたんだ。


自由を勝ち取るために(笑)


喧嘩なんてしたことない。

足はガクガク震えていた。


だけど。


(――ここで引いたら、僕は…きっとずっと誰かの言いなりになる)


――まあね?

思い込み激しいなっ!おいっ!!


でも真剣だったんですよ。


まるで相撲。

がっぷり組み合う私とオノウエ君。


私は正直、かなり大きな体格だった。

一方彼は小柄でひょろひょろ。


――だから年上だけど、決闘とか言えたんだよね(笑)

本当に卑怯者ですわ。


そしてお互い4年生と3年生。

喧嘩など慣れている訳もなく。


圧倒的体格で、私は彼を押しつぶした。

顔とか、引っかかれたけどね?


苦しそうに、私の肩を叩くオノウエ君。

そして滲む涙。


決闘は、私の勝ちでした。



※※※※※



後日談。


結局私は自由とともに、実は大切な友人を失っていたんだ。


そして私は間違える。

とんでもない悪ガキ、2歳年上の『カー君』


なぜか私は、自ら彼に会いに行った。


「仲間に入れてほしい」


そして始まる暴力の日々。

ほんと。


人生って一寸先は闇だよね(笑)



因みに。

『同じ学区内』


うん。


当然のように中学に行った時、彼、オノウエ君普通にいました。

卓球部に(笑)



いやー。


扱かれたな(笑)


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