宝とは
港へ駆けつけた私達は、調査団から話を聞いたり引き上げられた商船の中を捜索したりしけど、手がかりらしい手がかりは見つからなかった。
というか他のプレイヤーが大勢いて、思うように調べられなかったのよね。
それは他の皆も同じで、一度港の一角へ集合したら一様に不満を露にしていく。
「先に来ていた方々から何か聞けないかと声を掛けましたが、あっちへ行けと言われましたわ」
「情報を喋って先を越される訳にはいかないからな、とも言われました」
プリプリ怒るアルテミスと苦笑するポッコロが言われたことと、似たようなことを私達も言われたわ。
そのせいでダルクとマーウとゆーららんは不機嫌だし、セイリュウとルナは黙ったまま頬を膨らませて怒っているし、むらさめとディーパクトはよほどのことを言われたのか落ち込んでいるし、カグラと私はセクハラ紛いのことまで言われたのよね。
だけど、怒ってばかりもいられないから情報の共有をしましょう。
「ひとまず商船には、宝がありそうな隠し部屋や仕掛けは無かったわ」
目に見えないだけで、物を隠せる仕掛けや隠し部屋があるという私の仮説はハズレだった。
一緒に捜索したカグラと、同じ考えのプレイヤー達に混ざって壁や柱や床を叩いて回ったのよね。
「調査団の人達も全員揃っていて、宝らしきものを持って逃げた人はいないって」
「だけど一時的にどこかへ隠した可能性もあるからって、港のあっちこっちでプレイヤーが捜索しているよ」
調査団へ聞き取りをしたルナとセイリュウの報告を聞き、周囲であっちこっち動き回るプレイヤー達を見る。
なるほど、彼らは宝が一時的に隠された線で動いているのね。
「外からの侵入者が盗んだ可能性はあるかもしれません」
「警備はいるんだけどさー、倉庫とか事務所とか、物やお金があるところにしか配置してないんだってー」
「取引に来る商人やその護衛、魚を買い付けに来る料理人、港で働く人達やその関係者、観光客、そういう人達がたくさん出入りするから不審者が入っても分からないみたいだよ」
港について調べてきたゆーららんとマーウとダルクの報告は、多くの人が出入りするが故の宿命ね。
現実の市場や港だって、労働者や業者の出入り管理はしていても観光客の出入り管理まではしていないもの。
「変な物を持っていた人はいないか、聞いて回ったけど、分からないって、言われた」
「商人の恰好をしていたら不自然じゃないし、箱の中に入れられたら分からないって言われたっす」
おどおどするむらさめとお手上げって感じのディーパクトの報告は、致し方ないというもの。
自由に入れるのなら、出ることだって自由ってことだからね。
そういうこともあって、プレイヤーによる宝の捜索は島の全域へ及ぶ可能性がある。
いえ、もう及んでいるかもしれないわ。
「そもそも宝って何っすか?」
「種族の未来に関わるくらいだしー、外敵を防ぐ道具とかじゃない?」
「退けるための武器かもしれない」
「祭事に必要な神具、とか?」
ディーパクトの呟きに、マーウとルナとカグラが述べた意見はどれもありそうね。
事実、プレイヤー間でも憶測が飛び交い、とにかくそれっぽい物を探せって声もあるわ。
「面倒だから、それっぽい物を探して見せてみない?」
考えることを放棄して、適当なことを言いだしたダルクみたいにね。
「既に開始から一時間が経っているので、マーマンとマーメイドは浜辺にいるはずですが、どうしますか?」
「どうするも何も、宝の手がかりを探し続けるか、あてずっぽうで宝を探すかの二択じゃない?」
アルテミスとゆーららんの会話に頷く。
現状で出来るのはその二択だけ。
私としては聞き込みを続けて手がかりを探して、確実に宝を見つけたい。
だけどダルクやマーウといった、堪え性無いのが動きたがっている。
仕方がないわね、聞き込みの手は減るけど二手に分かれましょう。
カグラとセイリュウとルナも私と同意見なのもあって、手がかり班とあてずっぽう班に分かれることは、チーム名について不満が出たことを除けば承認されたわ。
「手がかり班は私と年少組、残りはあてずっぽう班ね」
「「おーっ!」」
威勢よく返事をしたのはダルクとマーウだけ。
年少組とひとくくりにしたポッコロ達は微妙な表情を浮かべ、カグラは頬に手を当てて苦笑して、ルナとむらさめは厄介ごとを押し付けられたって表情をしている。
どうやらダルクとマーウとポッコロに抱えられてスヤスヤ眠るころころ丸以外は、振り分けの意図に気づいているようね。
そうよ、ダルクとマーウの面倒を押し付けたのよ。
あの二人の面倒は主に私とトーマが見ていたから、たまには押し付けてもいいじゃない。
だけど年少組にそんなことをさせるわけにはいかないから、私の方へ来てもらったのよ。
幸い、ダルクやマーウのような子はいないものね。
「さあ行きましょう。何かあったら、連絡を頂戴」
年少組を引き連れ、有無を言わさず行動開始。
港で働く人達、港へ出入りしている商人やその護衛や料理人、他にも船大工や観光客と遭遇したNPCへ話しかけるけど、これといった情報は無し。
次は町へ出て聞き込みをするものの、これまた情報は無し。
「皆、はどうだった?」
「朝方に港で喧嘩があって、兵士に連行されるのを見たって話ぐらいです」
ゆーららんの得た情報は朝方だから関係無いわね。
その時はまだ、引き上げられた商船が港へ到着していないもの。
「少し前に魚人族らしき身なりの良い子供二人が、港から町へ向けて楽しそうに走って行くのを見たって話を聞きました。特に何も持っていなかったそうですが」
地元の子か観光客のNPCかしら。
盗んだのが大人とは限らないし、必ずしも大きな物とは限らないけど、物を盗んだ子供が楽しそうに走って行くかしら。
いえ、子供がスリルを味わうために探検して、知らずに持ち出した可能性はあるわ。
身なりが良いとはいえ、そういう遊びに興じないとも限らないもの。
とはいえ疑いがるだけで、決定打にはならないわね。
このアルテミスの情報は保留しましょう。
「ついさっき、身なりが悪くて汚れたマントを羽織った人が、やたら前かがみでコソコソしているのを港の人達に見つかった際に運ばれてきた物資から盗んだ物を落として、港の警備員に追い掛けられて町へ逃げたそうです」
ポッコロが得た情報はいかにも怪しい。
だけどまだ確定ではないから、これも保留ね。
「俺は特に情報無いっす。でもポッコロが言った話を聞いたのか、プレイヤーの何人かが物取りの野郎はどこだって走り回っていたっす」
ディーパクトの話通りなら、物取りが怪しいと踏んて探しているプレイヤー達がいるのね。
だけどそいつが宝を盗んだという、確証が無い。
ひょっとしたらそのプレイヤー達は何か確証を掴んでいるかもしれないけど、所詮は憶測に過ぎないわ。
「引き続き情報を集めましょう。現状では怪しいっていうだけで、確証が無いわ」
「「「「はい」」」」
返事をして情報収集に散る年少組の素直さが嬉しいわ。
もしもダルクとマーウがいたら、慎重すぎるとか自分達は物取りを探すとか言って、絶対に騒いでいたもの。
たまにはそういう面倒な対応をせず、こうして素直な子達と行動したいのよ。
カグラ達が今、何をしているかは分からないけど、たまには頑張ってちょうだい。
さあ、私も手がかりを探しましょう。
年少組に任せて自分は何もしないなんて、そんな真似は出来ないからね。
そう意気込んだものの、これといった手がかりは見つからない。
「宝といえば金だろう」
「その宝は歴史的な価値のある物か?」
「未来に関わる宝? 意外と食料じゃね、食わないと生きられねぇし」
「この島で盗人、というより犯罪者は少ないよ。島だから船がないと逃げ場がないからね」
「私の宝は孫だよ。息子夫婦の間に生まれたばかりで、可愛いったらありゃしない」
宝についてNPCへ聞いて回って、知らない以外の返事はこれくらい。
正直言って微妙なものばかりだけど、これはゲームだから答えではなくともヒントの可能性はあるわ。
「あっ、先輩からメッセージっす」
トーマから? 何かあったのかしら。
「先輩は今、屋台街みたいな場所にいるみたいっすね。そこで盗人を捕まえたってプレイヤー達が騒いでいるけど、タウンクエストと関係あるのか、とのことっす」
あー、例の港で起きた泥棒騒ぎの犯人を捕まえたのね。
確証が無いから放置していたけど、そいつが盗んだ物が宝なのかは気になるわ。
「おっ、続報っす。件のプレイヤー達が宝を取り返したぞって言って、黄金色の盃を持って浜辺の方へ走って行ったみたいっす」
「それが本当に宝なのか、追いかけて行って確認してもらえないか聞いてみて。違ったら、また自由に行動していいから」
「了解っす」
返事をしたディーパクトがメッセージを送り、少ししてそれくらいならいいぞって返事が届いたわ。
これで確認は大丈夫ね。
さあ、私達は手がかり探しを続行よ。
ああそれと、ダルク達にも一度連絡を取りましょう。
まともに対応してくれそうなカグラへ連絡を取ると、予想通りダルクとマーウが動きまくって振り回され、精神的疲労でセイリュウとむらさめがぐったりして、キャパオーバーのルナは目から光が消えているとのこと。
苦労しているようだけど、それを私とトーマはやっているんだからね!
引き続き頑張ってと返事を送り、NPCへの聞き込みを継続。
残り時間はもうすぐ一時間を切るし、そろそろ情報を精査して方向性を――。
『全てのプレイヤーへお報せします。フィフスアイランド・ノースパシフィックにて行われていたタウンクエスト、【海人の宝探し】をクリアしました。隠しスキル【素潜り漁】と隠し職業【素潜り漁師】が解放されました。参加者には貢献度に応じ、賞金が与えられます』
えっ、クリアしたの!?
ということはやっぱり、例の泥棒が宝を盗んでいたの!?
年少組だけでなく、周りにいるプレイヤー達もざわついているわ。
状況を分かっていないのは、数秒前までポッコロの腕の中で鼻提灯を膨らませて寝ていた、ころころ丸ぐらいよ。
「貢献度に応じてと言われても、こういったクエストの場合は発見者や届けた人しか貰えませんよね」
それは言わないのがお約束よ、アルテミス。
だけどその言葉の通り、私達は参加しただけで何もできていないから報酬はゼロ。
でもこういうタイプのタウンクエストは、そういった事情を考慮してか貰える報酬は少なめになっているらしいわ。
前に情報屋から仕入れたから、間違いは無いはず。
「いったい、誰がクリアしたんでしょうね」
「やっぱり泥棒を捕まえた人達かな」
「先輩に聞いてみるっす」
そうね、ちょうど様子見に行ってもらっているんだし、どんな宝だったのかトーマに聞いてみましょう。
ディーパクトにメッセージを送ってもらい、こっちはこっちで先にクリアされたと騒ぐダルクからのフレンドコールに対応。
クリアされちゃったものは仕方ないと軽き突き放して合流場所を決め、フレンドコールを切る。
「うえぇぇぇぇっ!?」
急にディーパクトから変な声が上がったからそっちを見ると、トーマからの返信が届いたのかメッセージ画面を開いて固まっている。
その足下では、びっくりしたころころ丸がしりもちをついているわ。
「どうしたの?」
「あー、いやー、なんか、タウンクエストをクリアしたの先輩みたいっす」
「はぁっ!?」
「「「えぇぇっ!?」」」
思わず私とポッコロとゆーららんとアルテミスも声を上げ、再度驚いたころころ丸が「モルッ!?」と鳴くけど、それどころじゃないわ。
「なんで? どうして? 一体何があったの!?」
「えーと、先輩からのメッセージに、説明すると長くなりそうだから合流しよう、とあるっす」
ならそうしましょう。
さっきダルク達へ伝えた合流場所をディーパクトへ伝え、それを送ってもらって移動開始。
先に来ていたダルク達にも状況を説明し、それから数分後にトーマとイクト達がやってきた。
「おまーせー」
「ますたぁ、がんばったよ」
「いや、頑張ってないから」
「そうなんだよ。完全に偶然だったんだよ」
何が起きたのか分からず困惑していた私達に対して、なによこのマイペースな疑似兄弟姉妹は。
「そんなことより、早く説明!」
「はいはい、分かったから落ち着け」
迫るダルクを軽くあしらったトーマの説明を簡単にまとめると、こういうことみたい。
・イクト達と屋台巡り中、空腹と迷子で困っているNPCの少年少女と遭遇
・放っておけないから屋台で食べ物をご馳走
・輪投げや射的の屋台をじっと見ていたため、イクト達と共に遊ばせる
・泥棒逮捕の連絡の件で浜辺へ
・黄金色の盃を見て違うと言ったマーマンとマーメイドが、少年少女を発見
・宝は彼らだと判明し、引き渡してタウンクエストクリア
簡潔にまとめると、そんな流れでクリアしたみたい。
ていうか宝ってそういうのなの!?
言われてみればあったわ、「魚人族らしき身なりの良い子供二人」とか「宝は孫」って発言が。
「あー、そっかー。子は宝って言うもんねー」
「それもあるが、その二人がマーマンの王子とマーメイドの姫だったんだよ」
種族の未来が掛かっているっていうのは、次代を担う子供であり王族だから、ということなのね。
物だとばかり思い込んで、そういう方向性には考えていなかったわ。
ちなみに二人が町にいたのは、こっそり城を抜け出して沈没した商船で遊んでいたら引き上げられ、港に到着したらこっそり商船から抜け出して好奇心と冒険心に任せて町へ遊びに行った、とのことらしいわ。
「二人を見た途端にマーマンが王子、マーメイドが姫って叫んだ時は何事かと思ったよ。当の二人も見つかった気まずさで表情が引きつっていたし、帰ったら説教だって言われて落ち込んでいたよ。やらかして両親に問い詰められた時のダルクみたいに」
「どういう意味だ、コラァッ!」
そのままの意味に決まっているじゃない。
「でもね、たのしかったからっておれいもらったの。ね、ますたぁ」
お礼と聞いてトーマに視線が集まる。
それを受けて答えるトーマによると、屋台で飲み食いをしたり遊んだりして楽しかったと、王子と姫からお礼を貰ったみたい。
しかも差し出された際に、【特殊条件:引き渡し前に二人を楽しませる】を達成した、なんて表示が出たとか。
「それで、何を貰ったの?」
「これとこれ」
カグラに尋ねられてトーマが取り出したのは、蒼色の鉱石と紅色の水筒。
蒼色の鉱石はディープシーアース。
単体だと宝石系の素材で、装備品に使えば水属性の攻撃を物理も魔法も問わず強化し、水属性の攻撃を受けた時のダメージを物理だろうと魔法だろうと半減する効果があるのだとか。
水属性に特化した、鉱石系の素材ということね。
「セイリュウは水魔法を使うし、鉱石はセイリュウにやるよ」
「いいのっ!?」
「俺は戦闘とは無縁だから、プレゼントってことで」
こらー、そこでさりげなくカップルの空間を作り出さないで。
頬を染めて照れている二人が初々しくて、皆もニヤニヤ笑顔だし。
あっ、私もか。
「それとこっちの水筒だが、ガスボトルって魔道具らしい」
カップル空間から離脱したトーマが、水筒もといガスボトルを見せる。
見た目は大容量の水筒に見えるそれは、中へ液体を入れて振ると炭酸化する魔道具みたい。
炭酸の強さは振る回数で決まり、三回以下なら微炭酸、四回から七回が普通の炭酸、八回以上が強炭酸になる。
「ということは、コーラも作れるんっすか!?」
「クラフトコーラなら、できなくもないかな」
えっ、そうなの?
コーラが好きなのか興奮気味のディーパクトが作り方を尋ねると、砂糖や柑橘類や複数の香辛料を煮込んでシロップを作り、それを冷ましたものを炭酸水で割ればクラフトコーラができるみたい。
他の炭酸系の飲み物といえばジンジャーエールとかサイダーだけど、それは作れるのかしら?
聞いてみると、サイダーは水に砂糖や香料や柑橘系の果汁を混ぜて炭酸を加えればよくて、ジンジャーエールは生姜と砂糖と好みの香辛料を加えた水を煮込んでシロップを作り、冷ましたものを炭酸水で割ればいいとのこと。
「ちなみにサイダーは果物のシロップとか、あとはジャムとかハチミツなんかに炭酸水を加えてもいいぞ」
その際は無糖の炭酸水が良いと付け加えたから、ただの水に炭酸を加えたものでいいらしい。
現実でもできそうだから、今度スーパーで買って試そうかしら。
「その場合はソーダになるんじゃない?」
「ソーダは甘味や香料を加えていない、つまり無糖の炭酸水を指すんだ。だからメロンソーダは正確に言うと、メロンシロップのソーダ割になるんだよ」
へえ、そうなのね。
「ねえトーマ、その鉱石とボトルの情報をミミミへ伝えたら、またヘドバンするんじゃない?」
するわね、確実に。
初対面の皆はそれを見て、どういう反応をするかしら。
「ミミミになら、道中で連絡しておいたぞ。タウンクエストをクリアしたらお礼を貰ったって伝えたら、ダッシュでそっちへ行くって。合流場所はここを伝えておいたから、そろそろ来るはずだ」
もう連絡済みだったのね。
なんでもここへ来る途中にイクトから、これのお姉ちゃんに伝えなくていいのかと、ヘドバンをしながら言われたみたい。
イクトとネレア、再現しなくていいわよ。
「ぬおぉぉぉぉぉっ!」
あら、そのヘドバン兎さんが来たみたいね。
「伝えたい情報があると聞いて!」
遅刻ギリギリで教室へ駆け込んできた時のダルクみたいに、急ブレーキで地面をズザーッと滑りながら現れたミミミに、初対面の皆はキョトン顔をしている。
そんなことには気づかず情報について尋ねるミミミへ、トーマがさっきと同じことを説明。
すると、その二つなら既に発見されていると言いだした。
「ディープシーアースは、ダイバータートルっていうモンスターがドロップするわ。だけどそのモンスターは船での移動中にしか出ないし、そもそもの出現率が低いし、ドロップ率もかなりの低確率なのよ。それもあって価値はとても高いから、貴重と言えば貴重だけど頑張れば手に入るわよ」
船での移動中限定かつ出現率が低くてドロップ率もかなり低いって、どれだけ頑張ればいいのよ。
そういう事情もあって値段もかなり高く、今回のように入手できたのは大きいみたい。
「ガスボトルは、トーマも知っているフィシーの魔道具店で買えるわよ。ただし相当な回数通って、結構なお金を落として、なおかつ店主のフィシーが友好的に接してくるようにならないと買えないみたい。しかも結構高いんですって」
どんだけ常連になれば買えるのよ、それ。
そして誰がそれだけ通って入手したのか、ちょっと気になるわ。
「じゃあ今回のは、入手がとても難しい物だっただけで新情報ではないんだな」
「その通りよ。だけど珍しい物には違いないから、大事にしなさい」
「というかそもそも、どうしてお礼がこの二つなんだ?」
「海底から取れる物に合わせたんじゃないかしら。鉱石はレアアース、ガスボトルはメタンガスやその結晶体のメタンハイドレート、っていう感じで」
トーマの質問に対するミミミの推測は、的を射ているかもね。
どちらも貴重な品だから、そういった物になぞらえているのかも。
「そうか。悪かったな、無駄足だったみたいで」
「気にしなくていいわよ。ところで情報はそれだけ? 他には何も無いでしょうね?」
警戒心する気持ちは分からなくもないわ。
何度驚かされてヘドバンしたか分からないもの。
その後、何も無いと伝えて安堵したミミミへ、初対面の皆を紹介。
続けてミミミのことを紹介すると、イクトとネレアが「これのおねえちゃん」と言ってころころ丸とヘドバンをしだしたから事情を説明。
そうしたらマーウとディーパクトが大爆笑、むらさめは苦笑いを浮かべて、ルナとアルテミスは口とお腹を押さえて必死に笑いを堪えていたわ。




