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殺戮の学舎  作者: 凜音
4/5

悪意の侵入

傘を差して中学校までの道を歩く。


懐かしい道だ。

三年もこの道を通ったんだもんな。


この道を通るのも、ほんとに最後なんだな。





学校の正門まで来た。

ちょうど先生が白いライトバンで学校を出るところだった。


僕が笑顔で会釈するとその先生も会釈を返してくれた。


車から出て正門を閉めようとしていたので、「あ、学校に用事があるので大丈夫です」と言うとちょっと怪訝そうな顔をしたがそのまま車を走らせていった。


確かに考えてみれば今日は平日だ。高校生がうろついている時間帯じゃない。

まあ、そんなことはどうにでもなる。

あと何十分かごまかせば良いだけなのだから。



学校外への仕掛けは終わっていたが、学校内部にもまだ仕掛けをする余地はある。

これはとにかく素早く仕掛けることが大切なので、事前に計画していたとおりに素早く行動する。



まずは昇降口の火災報知器にラップをかける。

これは下駄箱によじ登れば何とか届いた。


この学校の火災報知器は煙感知式だと言うことを以前防災訓練の時に言っていたので、これで火をおこしてもしばらくは消防が来ないだろう。


そして着火自体は最後だが、油を染みこませた新聞紙や雑誌などを昇降口の近くに運んでくる。

明らかにおかしいが雨の日に外に出る人はいないので一時間くらいはなんとかなるだろう。


そして、これが時間と、人に見つからないかの勝負だが、各階の踊り場にピアノ線を取り付ける。


階段は西階段、中央階段、東階段と三カ所あるがさすがに全ての場所に設置することは不可能なので、中央と西の階段にセットする。

一番使用率の低い東階段は一階と二階をつなぐ踊り場部分にのみピアノ線を、片方を手すりに絡ませ、もう片方を生徒用掲示板についていたフックに絡ませてセットする。

勢いよく走ってきたら腹の辺りにかなりの負荷がかかるだろう。


中央と西は全てセットして置くわけには行かないので、生徒用掲示板のフック部分にピアノ線を絡ませ、もう一方の端はどこにもつながず壁に這わせておいた。

移動教室などで気付く生徒がいるかも知れないが、すぐさま先生に言って問題になると言うことはないだろう。


廊下に人通りはなかったが、二階図書室の司書さんが遅めの出勤をしたのか僕が三階付近の設置をしているときに階段を上ってきたので心拍数が異常に上昇した。



ここまでかなりのスピードで行ったが、腕時計を見ると目標九カ所のうちまだ七カ所しかできていない。

中央と西の最上階部分については諦めることにする。



生徒に見つかるとまずいので、前回の下見で探しておいた人気のないトイレ、二階理科室横のトイレに移動する。





がやがやがやがや……



この学校は、二階も職員室、図書室、理科室と特別教室が集中していて生徒の出入りは少ない。


このがやがやした声は三階から聞こえてくるものだろう。


授業中に教室から出て廊下を歩き回っているような人がいないとは分かっていても、足音が今にも聞こえるんじゃないかとずっと緊張状態にあったので、トイレの個室に入って一段落すると一気に疲労が出てきた。


ふらふらと立ちくらみがするし、どうやら風邪の症状も悪化してきたようだ。



ぎいいいぃぃ……


「……!」


トイレに誰か入ってきた。

足音からして一人のようだ。


鍵をかけて個室に入っていれば大丈夫だとは分かっていてもとっさに身構えてしまう。



「ねー入ってんのだれー?」


話しかけてきた。声の質からしてまだ変声期途中と言ったところ。

軽い足音から判断しても体格に恵まれているわけではなさそうだ。

一瞬で殺せる自信はある。


しかし……


がやがやがや……


さっきとは違ってかなり近くから聞こえてくる。

おそらく、次の授業が理科の移動教室だったのだろう。


さすがに音も立てずに殺すことはできない。



「なーそうただろ? 返事ぐらいしろよなー、一緒に理科室行こうよ」


「……」



まずい。このままだと「お前が出るまで待ってるよ」とか言い出しかねない。

休み時間が終わってもトイレから出てこない生徒がいるとなれば、教師もここを見に来る可能性がある。



ぎいぃぃ……


また扉の開く音だ。


「おっ、こうたじゃん」


「えっ、そうた。お前先に行ったんじゃねえの?」


「いや、教科書忘れて一回戻ったんだよ」


「まじか、やべ、俺個室の人がそうたかと思って声かけちゃった」


「え、個室の人めっちゃ可哀想」


「あのー、すいませんでした」




どうやら後から来た人がそうたと呼ばれている人だったらしい。

俺は「コンコン」とノックだけ返しておいた。


彼らが出て行ってから二分後に授業開始のチャイムが鳴った。





「疲れた……」



極度の緊張が続いた後に安心してしまったせいで疲れが抑えきれない。

こんなに自分が神経をやられるなんて珍しいな。



しかしもたもたしていては時間がなくなってしまう。


トイレから出て、そっと辺りを窺う。


廊下に人通りはなく、すぐ横の理科室ではすでに授業が始まっているようだ。



二階の東の端に位置するこのトイレから、次に向かう場所は中央階段だ。


この学校では中央階段の各階毎にボタン式の火災報知器が設置されている。


これらのボタン部分にガムテープを貼ることで簡単に通報されることを防ぐ作戦だ。


これだけの下準備をしても警察が来る時間を数分遅らせることしかできないだろうが、その数分で何人かの命を奪えればそれでいい。


「できるだけ多くの人間の命を、学校という本来安全な場所で」奪うことができるなら可能な限りの努力は惜しまない。

なにしろ、僕が自由にできる行動はおそらくこれが最後なのだから。


神経過敏になりながらも何とか火災報知器をガムテープで封鎖してしまうことに成功する。


後のことなど考えていないのでかなり汚くべたべたと貼り付けた。

外そうと思えば外せるかも知れないが、自分も逃げなくてはならない状況ならそんな面倒なことに構ってはいられないだろう。


また、同時に階段のピアノ線の掲示板に繋がっていない方の端を階段の手すりに結びつけていく作業も行う。

西階段のピアノ線も順調に設置し終えた。



これで学校内部での準備も終わりだ。


あとは職員室に行って、戦闘開始だ。


身体はだるさを隠しきれないが、アドレナリンが分泌されれば気にならなくなるだろう。


職員室前まで来て、深呼吸すると僕は職員室の扉をノックした。








コンコンッ ガラガラー


「失礼します。元卒業生の黒崎です、安田先生に以前借りた本、返しに来ました」

文章がへたくそで伝わりにくくて申し訳ありません。

今後精進します。

次回から血を見ることになります。

苦手な方は閲覧をお勧めしません。

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