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殺戮の学舎  作者: 凜音
2/5

準備万端

九月十一日と九月十二日の狭間の時間。

僕は雨がしとしとと降る中、中学校にやってきた。


通常学校は防犯サービスが導入されているが、敷地内への侵入自体を防ぐことはできない。


敷地内に入っても校舎内への直接の入り口や、一階保健室近くにさえ気をつければ防犯システムが作動することはない。


また、見回りを会社に委託していたりするのだろうが、校舎内の見回りにとどまるだろう。

今日は雨だ。もし外回りを課されていたとしても、真面目に仕事をするとは思えない。

こんな田舎の平和な地域で危機感を感じている人などいないのだ。


僕は予定通り、校舎外への罠を設置することにする。


設置場所は緊急時外へ出るための非常階段。


一階分下に降りるために一回曲がる必要があるので、その曲がるための小さい踊り場のようなところに釣り糸(を三重にして強度をさらに上げた物)を仕掛ける。

この釣り糸は一本で十五キロほどの負荷に耐えられるようだから、簡単に切れてしまうということはないだろう。


それを四階建ての校舎なので四回仕掛ける。


足下の辺りに、簡単に外せないように設置する。


この罠設置の目的は生徒が逃げるのを遅らせるためだ。

慌てて階段を降りようとしてこの釣り糸に引っかかって転ぶような生徒がいれば、この狭い階段だ、まともに階段が機能しなくなるだろう。



そしておそらく、パニックになれば階段から飛び降りて逃げようとする生徒もいるだろう。

そこで、階段から飛んだ場合に着地するであろう場所に、いつも自転車置き場の隅に無造作に置いてある鉄パイプを持ってきて不規則に並べておく。

突き立てて置いてもよいかと考えたが、一階や二階辺りで飛び降りた場合突き刺さるようなことにはならないような気がしたので、地面に寝かせることで転倒する確率を上げる。



非常階段は校舎の両側にあるが、西側の方は鉄パイプが足りなかったので、ゴミ捨て場にあったスチール缶を大量にばらまいておく。



他には、体育館の扉の下の部分を大量の瞬間接着剤で固定し、扉自体は透明のガムテープを何重にも貼り付ける。


一階の窓も同様の方法で密閉する。


また、学校のゴミ捨て場にあった大量の新聞紙や不要になった本、その他燃えるゴミなどにそれぞれ大量の油を染みこませておく。



これで準備は終わりだ。



天気予報では明日はかなり強い雨になるそうだ。


だから、体育館の扉の異常も、一階の窓が開かないことも気付かないだろう。


非常階段下の鉄パイプとスチール缶は人通りもないから気付かないだろうし、気付いたとしても強い雨の中片付けようとは思わず、雨が止んでから、せめて弱くなってからにしようと考えるだろう。


非常階段の釣り糸も、使う人がいなければ気付かないだろう。


ゴミ捨て場の臭いの異常なんて誰が気付くだろうか。


僕の中学校のゴミ捨て場は臭いがひどいことが生徒の中で有名だった(どこの学校もそうかも知れないが)



昨夜十一時頃から作業していたが、周囲は段々明るくなってきていた。



計画を立ててから一週間の間、「朝早く起きてランニングをする」という行動を取っていたから、この時間に外から帰ってきても親に不審がられることはないだろう。

一応保険をかけておいて良かったと思う。







「案外時間がかかったし、疲れたな」



それは、殺戮の準備を終えた僕の正直な感想だった。

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