86、緊急依頼
一日経ってもアジュラは帰ってこなかった。
何も言わずにゼルフだけを連れてどこかに行ったきり音沙汰がなく、街の外に出ているという事しか知らない。
オガスに戻るなら一緒に行動するだろうから十中八九近辺で魔物狩りをしてストレス発散しているとみているが魔物の発生区域は一つや二つではないので捜索には難しい。
とは言ってもまだ一日。
あの戦闘狂がくたばっている姿なんて想像はできないので心配はまるでしてない。
ただアジュラに街に居ろと言われた所為で身動きが取れないので早く帰って来てもらいたいだけだ。
昨日はイヨ達四人の各自の買い物に付き合わされてもう買い物はこりごりで起きたはいいが街の商いに出る気が起きないので室内で過ごしている。
かといって動きたくない訳ではなく魔物を狩りに行って一汗かきたい気分であった。
なんか起きないかな~。
そんなことを何度か願いもした。
そして午後、最悪な形で願いが叶うのだった。
『皆の者!よく集まってくれた』
魔法による放送が、その場に響き渡った。
現在いるのは魔族ギルド所有広場。
そこには弥叉やイヨ達以外にも多くの冒険者達が集まっていた。
午後になり昼食を宿で取っていた所でギルド職員が冒険者に緊急招集の呼びかけを行いに来た。
招集は街全体に出され街外にいる者を除いたほぼ全員が集まっていると言っていいだろう。
そして今前で話しているのがこの街のギルドのギルドマスターらしいく筋肉ムキムキで見た目オーガと変わらないが種族がゴリラの魔人だそうだ。
そんな彼が今回の招集の説明を伝えていた。
『今回集まってもらったのは今現在西の山脈から大量の魔物が群れを成して進行しているという情報が入った』
ギルマスから出た情報にその場にいた者は表情が変わった。
その中に騒ぐ者も現れたがギルマスはそういった連中は無視して続ける。
『我々にその討伐依頼が朝方領主から言い渡された。この依頼はランク、階級関係なくすべての冒険者に参加を呼びかける。参加者はこれより半刻後に門前に集合して欲しい』
ギルマスがそこで言葉を切ると一瞬の沈黙の後冒険者が文句で騒ぐものではなく依頼内容の情報確認の立ての声が上がる。
「進行している魔物の数は?」
『領主の偵察兵からの情報では数は2000程度と言った所だそうだ』
「な!?2000だと?」
「馬鹿げているな」
「こっちの戦力の倍では済まんぞ」
ギルマスの情報に一気に批判の声が高まった。
「街の兵士はどのぐらい出るんだ」
『領主からは兵500、領主の出せるだけが同行してくれることになっている。ついでに依頼の報酬も街持ちだ』
ここに居る冒険者の数は400弱。全員出ても倍以上の戦力差がある。
ランクの低い冒険者の人数によっては烏合の衆になって数より差が出る場合もあるから遠慮したい内容だ。
しかし1000対2000なら相手の実力次第で勝てる見込みがまだある数ともいえる。
同じ結論が出たか、それとも報酬が街で持ってもらえるってところに惹かれたのか一気に参加の声が上がっていった。
それに釣られてさっきまで文句を言っていた連中も『なら俺も』と言っている。
場が参加の流れになっているしこのままいけば相当数は参加するだろう。
これは結構おいしい依頼かもな。
『取り敢えずいったん解散する。参加者は門前、半刻後以上!』
ギルマスはいい雰囲気になったところで舞台上から退場し解散となった。
こうして街に魔物の群れが進行することとなったが、さて俺はどうするか・・・。
◇ ◆ ◇
俺―――――工藤弥叉はギルドからの緊急依頼である魔物の群れへの討伐部隊への参加を・・・しなかった。
はい、そこ。ヘタレたとか思わないで下さい。
ちゃんと考えた末の結論なんですよ!
俺の意見を聞いた四人も一緒に残ってくれていますし。
つい先ほど討伐部隊は出発したので今更行ってももう間に合いません。
そんな訳で一応行かなかった言い訳を説明すると、ギルマスの解散宣言の後俺やイヨ達は宿に集まって相談をし、初めのうちは参加の色が濃厚だったのだ。
参加しないでもし討伐隊が敗北したら結局街は蹂躙されることになるだろうし勝てない依頼でもないし報酬もしっかり出るようだしで否定する要素が無いと言ってよかった。
ただ―――――ただ、一つだけ俺達だけが知る問題があったんだ。
・・・・・アジュラそこに居るんじゃね?と
それを誰が言うでもなくアジュラを思い浮かべた瞬間に全員がその質問が浮かび全員が同じ答えを導き出した。
絶対にいる!!
もしここで討伐部隊に参加するとする。
↓
現地に到着する。
↓
そこには既に戦闘狂とかしたアジュラが暴れている。
↓
アジュラを差し置いて獲物を取るなんて真似はできない。
↓
行っても意味がない。
↓
寧ろ約束で街にいると言ったのを破ったとキレられる。
↓
半殺し
大袈裟だと思うがアジュラなら・・・・という思いが捨てられない俺達は結果参加しなかった。
あれ?やっぱこれってヘタレじゃね?
でもしょうがなくない?予想して否定する要素が無いんだもん。
あれを常識の範囲内で押し留めるのがいけないと思う。
そんな訳で俺らは不参加で未だ街に滞在中です。
参加した連中頑張れー。
俺はまた宿で時間でも潰して『ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!?』
・・・・・空耳だろうか?
今とんでもなくでかい爆発音が街中に響き渡った。
周囲を見ると俺の空耳ではなかったようで皆その場で行っていた作業を止めて固まっていた。
そして視線が同じ方向に向かっていた。
俺もその視線の先へと目線を移動させた。
視線の先にあったのは煙だった。
それもたき火なんかで出るような小さなものではなく火事なんかで見る様な上空高くまで黒い煙が登るモノだ。
さっきの爆発に黒い煙。
何が現地で起こったのか想像がすぐにできた。
「拙いよ!火事だよ!今警備の大半は討伐隊に行ってるから人手が!」
「そうだな。ここは現場にいtt『ドカァァ―――ン!!』」
今度は煙とは別方向からの先程と比べると小さいが爆発音が発生した。
一体何が起こっている!?
討伐隊が出てから二度の爆発。
街に不穏な事が続き過ぎている。
「今の爆発は近い。そっちから見に行くぞ!」
「「「「はい」」」」
十中八九問題ごとだろう。
三月の試験が上手くいかなかった所為であまり書いている時間が取れなくなりました。
自分の頭の悪さが招いたことだけど最近の社会って厳しいと思う。
続きの流れは決まっているけど言葉とか表現とか素人なんで短い時間で書けないから本当に時間かかる。
今更ながら二月の書けなかった期間が悔やまれる。
まぁそれはさておき現在弥叉、マリア、ゼルフと三者別行動になっての騒動開始。
ようやく四章の本編と言った所でしょうか?
ここまで扱ぎつけるのにかなり時間かかったなぁ~と思います。場面にすると三章の終わりからここまで一瞬の平穏なだけのはずだったんだけどなぁ。どうしてこんなに長くなったんだか。
そんな訳でこれから本格的に戦闘開始だけど今回は一対一じゃなくて多局面だからズレとかない様にしないといけない分時間が掛かりそうなんだよね。
弥叉以外の視点も増やしていく予定。
後なんかわからないとことか疑問点送ってくれると助かる。
後書きああした者の全部知っている身としてはなかなか思いつかなくってネタバレになりそうなんだよ。




