8、パートナーは鬼
氷雪の牢獄からの脱出を果たした俺達はすぐにでも人族の領土から出る為に疾走・・・してはいなかった。
自他共に認めるカスステータスの俺は、
「「「シャアアアーーー!!」」」」
現在、三匹の蛇と戦っています。
小さいのではありません。首に巻けるぐらいのデカイサイズ。
マリアはいないのかって・・・居ますよ。
それもすぐ近くに控えています。
俺の戦いを観戦してるだけで手伝ってはくれませんが!
脱出から二時間、国境を目指し森の中を進行中、いまだ人族領。
俺とマリアとの契約内容は、
一つ、主人への攻撃禁止 (殺意ある攻撃や怪我を負わせるようなもの)
二つ、戦闘リンク 居場所を知ることができるある程度の意思疎通等 (マリアの倒した経験値が俺に入るなんてものは無い)
三つ、俺の決めた制約・・・以上である。
そして、最後の制約に俺は憎ったらしい駄神の所為で苦痛を遭わされたことにより、駄神の一番されたくない事を願った。
つまり俺が生きていることである。
そのため制約内容は俺を強くする為の指導や生きる為の術を教えるという物になってしまった。
後になって後悔したところで変えることもできず駄神への恨みがより強いものになった。
と、まぁこのようなことになっているのだが問題はマリアである。
冒頭より少し前
ここは異世界である森の中に入れば魔物がいるのは普通で蛇も体長5メートルはあると思われるほどデカいのが・・・・・数十体単位で出てきた。
地球で言えば最大級の蛇が数十体視界全部が、蛇、蛇、蛇、蛇
それがこちらへと襲い掛かってくる。
武器があっても逃げ出す数に俺は顔を青ざめる中、マリアは前に出ると、
「”氷爆”」
蛇達の周りに氷の塊が現れたと思った直後に爆破。
数十体いたはずの蛇の半数以上を絶命させ、さらに残りを素手で仕留めていく。
一発一命殴るたび屍の山が積もっていき本人は返り血は手足の最低限だけしか付いておらず当然無傷だ。
殴った箇所が消し飛んでいる個体もいるんですが!?
まさに無双!
ものの数分であれだけいた数は一桁になり蛇の大虐殺は終わりを迎えようとした時、マリアは突然こちらに振り返った。
「それ!」
こちらへと三匹蛇を放り投げるというおまけ付きで、
「ヤシャそれ仕留めてね」
「えぇーー!!」
こうして傍観から一転、命の危機!?。
投げられた蛇は綺麗に俺の前へと着地する。
投げられた蛇はマリアの狙い通りにこちらを見て「こいつのがやり易い」と思ったのだろう。
標準を変えて迫ってきた。
助けを求めようにも投げた本人以外いない状態である。当の本人のマリアは残った蛇を仕留め終えたが助けに来る気配がない。
洞窟内で制約に従って夜に魔法の講義を、戦闘法は実戦で覚えてもらうと言われていたがその実戦はマリアが相手ではなく今の状況がマリアにとっては俺への訓練って感覚のようだ。
死ぬわーーー!!
俺は三匹の蛇から逃げるように回避することだけに力を注いで蛇から逃げた。
手傷をすでに負っていることもあり動きが鈍く、蛇なので頭と尻尾だけしか攻撃手段ないため単調な動きで予想がしやすいおかげで、なんとか避けることはできた。
しかし、俺はカスステータス。
いくら鈍くても距離が離すことはできないし、攻撃は無理!
無理してやろうとすれば注意が逸れて攻撃が避けれなくて一撃で死亡するのが目に浮かぶ。仮にもしできたとしても俺の攻撃力でこいつらに攻撃通じないだろう。
「さすがに三匹はきつかったかな?」
おいぃ!?
聞こえてますよ。そう思うなら早く助けて死んじゃいます。
ひぃぃ!?あぶねぇ、掠った!?
「でもなんだかんだで避けれてるしもう少し経ってから助ければいいか」
そんなー!鬼ー!もうヘルプだよ!助けて!!
ニートなのに良く頑張ったってレベルもうとっくに越えてますよ!
やべぇ!囲まれた!?
結局、異世界最初の戦いはマリアの助けが入るまで逃げるという形で幕を閉じた。
◇ ◆ ◇
「ぜぇはぁぜぇはぁ・・・・うっ!」
「大部慣れてきた。これならそろそろ攻撃もいいかもね」
鬼がいる。もう無理、限界・・・
蛇との初戦闘の後、少し休んで進行。
マリアの実戦訓練はあれだけでは終わらなかった。
あれからも魔物と会ったら同じように数匹俺の方へ廻されるを繰り返され逃げ続けさせられるを繰り返し行う。
もう足が震えて歩くのもきつい。
気持ち悪くて吐きそうである。
「でももう夕刻になったから野宿する準備も必要かな」
マリアご言葉に心底ホッとした。
それと同時にフルマラソンを走りきったたとの様な達成感を感じる。
こういう感覚は久しぶりだな。
そんな気持ちでその場に倒せるとマリアは野宿の準備を始めていた。
マリアは元気だが女性だ。
ここは手伝うのが男だろうと立ち上がって、
「野宿する準備するから終わるまで休んでて」
「嫌、少しは手伝うよ」
「この後、夜の魔法の授業するんだから、それまで休んでいて」
「・・・・・・・・」
残っていた気力が一気に持ってかれた気がした。
冗談ではなくこの人は本当にやる気だ。
この短時間の付き合いだが確実だと断言できる。
それになんか魔物を屠る度に元気になっているみたいでいつの間にか口調も途切れ途切れから普通に話せるようになっている。
後で聞いてみようか・・・
俺は体力回復の為に潔くその場に座り込み休むことにした。
まだ今日は長いらしい・・・・




