S2、宴の席
勇者の雄也視点です
召喚から3日がたった三人の勇者はお互いにこの世界に来て気づいたことを話し合うため、用意された雄也の部屋に集まっていた。
マスブチ ユウヤ (増渕雄也)
性別:男性
職業:学生
年齢:17
種族:人族
レベル3
HP:860
MP:1360
攻撃力:170 魔攻撃力:395
防御力:480 魔防御力:490
俊敏:125 運:120
装備:聖剣
スキル:鑑定 アイテムボックス 全属性耐性Lv1 剣術Lv1
固有スキル:聖剣の使い手
魔法:光魔法聖Lv1
称号:導く者 勇者
タナカ リュウ (田中隆)
性別:男性
職業:学生
年齢:17
種族:人族
レベル5
HP:1108
MP:822
攻撃力:207 魔攻撃力:160
防御力:490 魔防御力:320
俊敏:130 運:50
装備:
スキル:鑑定 アイテムボックス 肉体強化Lv2 体術Lv1
固有スキル:瞬動縮地
魔法:なし
称号:格闘家 勇者
カシキ マキ (花識真希)
性別:女性
職業:学生
年齢:16
種族:人族
レベル3
HP:740
MP:1750
攻撃力:110 魔攻撃力:460
防御力:370 魔防御力:590
俊敏:95 運:50
装備:
スキル:鑑定 アイテムボックス 自動防壁Lv1 魅了Lv1
固有スキル:魔力操作
魔法:回復魔法Lv1
称号:マスコットアイドル 勇者
これが今の三人のステータスで神のおかげでレベル1で同年代のステータスでもトップクラスの数値になっていた。
初日は宴や聖剣を抜いたり、各国の王に会談をしたりと訳分からずで戸惑っていたが、2日経つと少しは時間が増えて自分の現状を確認する余裕ができた。
隆は日課の鍛錬をしていたことで体術が、僕は聖剣で素振りを行っていたことで剣術のスキルが出現し、真希は魔法を使用しようとしていたようだがどうすればいいか解らず進展はなかった。その代りに宴の席で魅了のスキルが出現したことでスキル数では同じだ。
「神が言った通りレベルの上りが早いみたいだ。
聞いた話だけどスキルの出現には条件をクリアすればいいらしいけど、ここまで早く出現するなんてことはないらしいから勇者補正が働いているのかもしれない」
「ならスキルをどんどん増やしていけばいいな。スキル覚えてから体が軽くなったし」
スキルに関しては特に問題なく出現も発動もできているようだし各自で成長させていけばいいだろう。
それよりも困るのは魔法である。
使い方が分からないことにはあっても意味がない。特に真希は肉弾戦より魔法戦に向いているのは明らかなので魔法補助のスキルを覚えさせていきたいと思っていたが、このままではスキルはおろか魔法発動も学園で学ぶまでは無理である。
「隆はそれでいいかもだけど私は周りから落ち零れって思われるじゃないの!そんなの嫌よ」
「魔法を覚えていない俺からしたらそっちの方が羨ましいけどな」
「魔法は使えない、戦闘力は一番低い、頭も雄也のが高いで入学しないといけない私の身にもなってから言いなさいよ」
魔法を発動できなかった真希が隆の軽い発言に声を上げ、その後自分の待つ未来を想像して肩を落とした。
本当なら学園で魔法を学んでから使えるようになってもいいのだがそうも言ってられなくなっている。
昨日の四度目の宴の席でのことである。
初日から三度目の宴までは各貴族の当主の挨拶が行われていた。
その中には娘や息子を売り込みあわよくば結ばれてくれればと思う当主はいたが、勇者という地位はこの国では王族と大差ないだけの発言力を他国でも大小あれ無視できない権力が約束されている。
そんな俺達に強く要求してくるような者はいなかった。
それをこの日から当主などの年齢が高い者は宴に出ず、勇者と年齢が近い息子達だけを会場に招いた。
面会を終えている王子や王女、主催してくれた国王すら会場に入場しない徹底ぶりである。
サポーターを付ける為の人選を本格的に行えるようにする配慮であり貴族の地位や権力は極力は持ち込まれずに行うはずであったが、
「俺はグランバード家嫡男エルギンだ。光栄に思え、お前たち勇者は俺の目に留まった。我がパーティーの一員にしてやるのだ」
ルールも空気も守らず上から目線でそんな事を言い出す奴はどこの世界でもいるようである。
真希がエルギンを見て「馬鹿だコイツ」と小声で呟き、冷めた目で睨んだ。
僕もこういうのの相手は嫌だな。
「我がグランバード家はこの国最強の武力を持つ公爵家だ。貴様らのその力をあるべき使い方で使ってやるのだ。有り難く手を取るがいい」
僕達の反応なぞお構いなしに話すと手を出してくる。
御坊ちゃんとして育てられたのだろう。断られるなんて思っていない不敵な笑みを浮かべている。
ここまでして誰も反論しないってことは言っていることは本当でかなりの権力者の息子なのだろうが権力なんて必要ないし、こいつより良さそうな奴はいくらでもいる。当然お断りだ。
結論は決まっているしどう断るか・・・脳筋みたいだから普通にやったら面倒なことになりそうだな。
武家の家柄だからか体格は隆と大差なく大柄で筋肉もついている。空気読まずに癇癪起こされたらその後が気まずくなるし、
「なるわけないだろ。何上からモノ言ってんだ、坊ちゃん野郎」
断り方を考えてるうちに言動に我慢できなかった隆が出された手を払いのけて断った。僕らが思っていた事をそのままに言い切った隆に称賛と配慮の無さの二つの評価を送りつつ言われたお坊ちゃん貴族の反応を見る。
あっ顔真っ赤で完全に怒り心頭って感じだな。
「貴様。自分がしていることが分からないのか?せっかく俺が直々に勧誘してやっているのだぞ」
「知るかよ。俺はてめえなんかの誘いが無くても自分の事を任せられる奴を自分で選ぶ。お呼びじゃないんだよ」
「き、貴様、勇者だと思って下手に出てりゃ、てめえらみたいな下々の者は俺のような高貴な人間に使われればいいにだよ」
切れて言っていることが余計に坊ちゃんなんだなと思えてきた。
隆ももう少し考えて行動して欲しかったが、普通に隆の言葉には賛成だ。ここまで予想通りの反応をする坊ちゃんのが悪いな。
親から何としても勇者を引き入れるよう言われたんだろうが人選ミスもいいところだ。
今まで権力で言うことを聞かせてたような奴が権力が通用しない相手の勧誘なんてできないだろうに。
周りの人もこんなのが公爵の跡取りなんだ、と呆れた顔をして成り行きを見守っている。
「決闘だ。俺は貴様に決闘を申し込む」
坊ちゃん貴族もさっさと引き下がればいいのに面倒な方向へと突き進み続けていた。
こちらが受ける必要はないし信頼できる人を見定める時間が無くなるのは嫌だが、ここに来てから召喚されたばかりのステータスでどれぐらい戦えるのか知りたかったから試すにはいい機会かもしれないな。
隆がそこまで考えているか分からないが決闘は行われる流れとなった。




