序章「教会VSAH社」1/4
Who survives ?
巨大大陸バンギア、北部と南部を繋ぐ場所。
今まさにその場所で戦いが起こっている。
「・・・・・・・」
モニターで戦況を確認するAH社、社長。
そのそばで、機械兵の整備をしていたフィルマンぺ=ベートが機械兵の説明を始めた。
画面には教会の土人形ーアダモーに向けて銃を撃つ人型の機械兵が映し出されていた。
「キロネキシア島で投入した試作機を改良した歩兵(infantry)です。持つ銃の種類を大幅に増やし、部隊で動けるようにしました。隊長機と私が連動することで効率的に指示が送ることも出来ますし、自動操縦でも顔についているサーモグラフィーで、生物であるなら確実に射殺します。」
歩兵機械兵がアダモを次々と撃つ。
アダモは次々と倒れていくが、その度に地面から湧いて出てくる。
歩兵機械兵が後退する。弾薬の節約を考えてのことだった。
歩兵機械兵と入れ違いに爆弾型の機械兵が前進する。
超小型の4足歩行、地面に潜ったりも出来る擲弾兵(Grenadier)だ。
背中に埋め込まれている装置によりレーダーを発生させ、敵を感知する。
何千という単位で群れをなし、一体でも爆発すると、連鎖的に爆発を繰り返す。
キロネキシアの長、フランコをその威力で何度も危機に陥れた個体である。
アダモが擲弾兵のレーダー範囲に足を踏み入れる。
次の瞬間、連鎖的に爆発が起こった。
その威力の凄まじさたるや。
地面が吹き飛ばされ、窪みが出来るほどであった。
教会の本部で地上の様子を見ていたジークリードは、次の一手を考えていた。
「少々向こうの戦力を甘く見ていたみたいだね。」
ジークリードと共に様子を観察していた天使たちは、彼の次の言葉を待っていた。
歩兵機械兵が前進する。
アダモは地中からはい出る前に銃撃や爆撃で吹き飛ばしていく。
「さぁ、早く次の手を打ってこい。」
フィルマンぺは、はやく証明がしたくてたまらなかった。
機械兵の戦力だけで、十分教会を相手に出来ると。
しばらくすると、上空から光が照らされた。
そこから現れたのは、体は人間、頭は牛のミノタウロスの集団。
続いて、3つの頭を持つカークスの集団。
さらに、女面鳥身のハルピュイアの集団が、その姿を現した。
神話の生物を目の前にフィルマンぺは、固唾を呑む。
歩兵機械兵が、銃を構える。
ミノタウロスが、射程圏内に入る。
銃声が響いた。
ミノタウロスに銃弾があたる。
前線にいるミノタウロスは数体倒された。
そのことは、フィルマンぺに勇気を与える。
しかし、それも長く続かなかった。
上空からハルピュイアがその鳥の足をもってして、歩兵機械兵の頭部を抉る。
歩兵機械兵は、ターゲットをハルピュイアに変え、銃を乱射した。
ハルピュイアは、大空を飛び、射程範囲外へと飛び出す。
すかさず、ミノタウロスが歩兵部隊に殴りかかる。
重い棍棒が機械兵を襲った。
べこりと、その鋼鉄の体に凹みが出来る。
歩兵機械兵は、受けた指示に従い、後退した。
代わりに擲弾兵がミノタウロスの足元に近づくべく前進する。
ゴォォというけたたましい音と共に激しい熱風が擲弾兵を襲う。
凄まじい熱によって、鉄が赤くなり溶解していく。
それによって、中の爆薬が飛び散り、爆発する。
しかし、何者もその爆発に巻き込まれることはなかった。
「くぅー。」
フィルマンぺは、先ほどのカークスの火炎放射を解析していた。
先に対処するべきは、熱だと判断し、カークスを標的にセットする。
しかし、そう簡単に教会はやられない。
カークスを狙えば側面からミノタウロス、上空からハルピュイアの攻撃が待っている。
中々標的を決められない。
状況はさらにフィルマンぺの思わしくない方へと向かっていった。
先程吹き飛ばしたアダモの集団が歩兵機械兵に追い付いてきたのだ。
アダモが歩兵機械兵の攻撃をかいくぐり、機械兵の体にまとわりついていく。
その土の塊が覆いかぶさると、凄まじい力となり、鉄が押しつぶされていった。
こうして、歩兵機械兵は次々と倒されていった。
教会の戦力は次々と進軍する。
何もない開けた土地を進んでいくと、やがて上空から物陰が見えてきた。
やがて、その姿が露わになる。
バババババと上空から銃弾の雨が降り注ぐ。
どうやら威嚇射撃のようだ。
教会の軍は少し後退をし、相手の出方を待った。
それ、輸送兵(Transporter)は、静かに着陸する。
扉がスライドして、中から様々な機械兵が出てきた。
「どうやら、この先に本拠地があるようだね。」
空高く聳え立つ教会の本部でジークリードは兵士達に指示を送る。
彼の側にいる天使達はこの戦いが直ぐに決着がつくだろうと高を括っていた。
教会の兵は速やかに投入された機械兵を殲滅しにかかる。
その時、再び銃弾の雨が降った。
上空を確認すると先程まで確認出来なかったヘリ型の輸送機械兵が何機も旋回していたのだ。
次々と歩兵機械兵が上空から降りてくる。
歩兵機械兵と共に別種類の機械兵がその姿を表す。
ドーンと大きな音が戦場に鳴り響く。
次の瞬間、カークスの数体が吹き飛んだ。
迫撃砲だった。
砲弾は大きく湾曲した曲射弾道を描きカークスに直撃したのだ。
迫撃砲兵(mortar)は次の獲物を狙うべく移動する。
教会はこれを受けて次の指示を送った。
速やかに迫撃砲を止め、残りの機械兵を殲滅するといった内容だ。
迫撃砲兵はアダモとの相性が悪い。
アダモを前進させ、カークスとミノタウロスは、これを守る。
ハルピュイアは被弾の可能性を考慮し、一時撤退をしていた。
アダモが被弾する。
するとその土の体が飛散する。
続けざまに地面から新たなアダモが湧いて出て来た。
アダモを止めるべく擲弾機械兵が軍を成して突撃を開始する。
すかさず、カークスの火炎放射がそれを止める。
爆発が起こる。
数百の擲弾機械兵がカークスの攻撃を躱し、アダモに直撃する。
すかさず、迫撃砲による支援が入る。
教会の兵力が削られていく。
激しい攻防が繰り広げられ、漸くアダモが迫撃砲兵の元へとたどり着く。
迫撃砲兵は必死の抵抗をする。
しかし、接近された迫撃砲兵は成す術がなかった。
そのまま、全身を覆われ砲身が潰れていく。
砲撃が止んだ。
一時待機していたハルピュイアが再び上空へと飛び立つ。
その鋭い爪は鋼鉄の体を引き裂いていく。
戦いは続いていく。
次々と増員が送られてくる。それは空に光る星の数のごとく、キリがないように思われた。
これを止めなければ、教会側の戦力が削られる一方である。
また、先ほどの輸送機械兵が戻ってきた。
戦力を補充しに来たのだろう。
教会は急いで輸送機械兵の破壊を命じた。
ハルピュイアが輸送機械兵の周りを飛ぶ。
輸送機械兵は機銃を連射し、ハルピュイアを打ち落としにかかった。
一体が銃撃を躱し、機体に傷をつける。
一機がコントロールを失い、地上に落下した。




