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ダイヤモンド・ダスト・トレイル「斜陽へと羽ばたく鳥」   作者: 白山 遼
❦薄明光線ー超大陸バンギア北西部ー
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❦+Another Story1「神の鎧」4/4

次の瞬間、ザウルの前に壁が出来た。


「ふぅう。助かったぜ。」


ザウルは壁にもたれる。




ブラックホールが消えると、神鎧の動きが止まる。


「Hyper Loop」


ピザファットが激昂モードで、顔面に一発拳を加える。




鎧は大きく後退すると、壁に激突した。


すかさず、エリアスとシャルロッタが攻撃を加える。




神鎧を重力で上から押さえつけ、シャルロッタはさらに上から雷を落とした。


神鎧が感電する。


ザウルはマシンガンに切り替え、神鎧目掛け撃ち続ける。


「おら!反撃の隙なんてねぇぞ。」




部屋が傾く。


神鎧は、攻撃から逃れるためにザウルを背中から地面に落下させるべく重力を操った。




「よっと。」


すかさず、ザウルの後ろに壁が生まれる。


ザウルは壁に背中を預け、撃ち続けていく。




しばらくして神鎧に少しだけ凹みが生じ始めた。




鎧が遂にその身を動かした。


壁を伝い4人の後ろへと回る。




鎧は爪をたて、ザウルの空間に傷をつけ始めた。


ザウルは、もの凄い力が自分にかかっていくのを感じる。




「まずい、逃げられる!」


エリアスとシャルロッタは、鎧の後ろから攻撃を仕掛けようとする。




しかし、鎧はブラックホールを作り、誰も近づけないようにし、なんと空間に亀裂を生じさせた。




一瞬だった。


鎧は綻びが生じた部分に自らの体をねじ込み、外へと飛び出していった。




「まずい、追わないと!」


エリアス、シャルロッタ、ザウルの3人は慌てて外へと飛び出す。




しかし、鎧の姿はもうそこにはなく。


残されていたのは、ひどい街の景色であった。






しばらくして、回復から戻ってきたエドゥ、ピザファットを合わせた6人が事務所のテーブルに着いた。


「さて、今回の件、教会になんと報告するべきかしら。」


シャルロッタが話を切り出す。




「また、どこかでアレが暴れ出したら、被害が拡大するな。これこそ、遠征軍案件なんじゃないか?」


ザウルがエリアスとシャルロッタを見る。




遠征軍、ピザファットとエドゥはその話をつい先ほど聞いたばかりだったが、その戦力はその一端だけでもこれほどの騒ぎを引き起こすことが出来るというのを体で覚えてしまった。




「因みに遠征軍が派遣された過去の事件というのはどんなものがあるのですか?」


エドゥは興味本位で話に入る。




エリアスは嫌な顔ひとつせず、丁寧に説明してくれた。


「一番最近の事件でいうと、山の老人と呼ばれる、反旗を翻した神の使いが、この世に災いをもたらした時ですかね。」


ザウルが自分の頭の上を指さす。そこには45と書かれた数字があった。


「その事件は、遠征軍の勢力を半分くらい崩壊させ、俺のライフを30ちょい奪った。勿論、神鎧フル装備の本気の状態でな。」




「でも、勝ったんだよな。」


ピザファットも会話に興味を持って、話に参加した。




「いえ。」


エリアスは首を横に振る。


「勝ったわけではありません。あの時も、今回みたいに逃げられたといった感じですね。」




エドゥはとんでもない惑星に来てしまったと少し後悔した。


教会という強大な勢力と、そこから生まれた巨大な悪。さらに、AH社という巨大な組織。


恐らくそれ以外にもいくつも組織はあるだろう。




この惑星では、とても人間が暮らせるとは思えなくなってきた。


エドゥはピザファットを見る。


エドゥとは対照的に、ピザファットの顔は笑みにあふれていた。


きっと、未知のことばかりで楽しいのだろう。


(まぁ、島の襲撃者と殺人鬼の件が終わったら、帰る方法を考えるか。)


エドゥはそんなことを考えていた。






だが、この時エドゥは完全に忘れていた。


自らが乗ってきたロケットのことを。


キロネキシア島に追突したロケットは、機械兵が調査をしていた。


その後、エドゥはごたごたに巻き込まれロケットのことを忘れていたが・・・




ロケットは今、AH社の本部に置かれていた!




コツコツとロケットの前に一人の男が現れる。


男は顔を上げ、ロケットを眺める。




♣のNo.8、機械兵を操り、エドゥ達を苦しめたフィルマンペ=ベートがその男に話しかけた。


「社長自らこのような場所においでいただくとは、感激でございます。」


社長が言葉を発する。


「・・・・・・・」


「はい、機械兵の整備は完了いたしました。いつでも投入できます。」


「・・・・・・・」


社長は、モニターに映像を流す。


モニターには、空から降りてきた教会のミラが映っていた。


「これは!教会から遂に目を付けられましたか!」


「・・・・・・・」


「いよいよですね。我々の命運が決まる。急いで戦力を投入します。」




フィルマンぺが準備するのを眺めながら、社長は椅子に座りモニターをただ眺めていた。




一方、ミラはシャルロッタとの約束を叶えるため、地に足をつける。




ー神に渾名すものどもよ。教会、ジークリード=ヴァルプルギスの名のもとに神罰を下す。ー


ミラの言葉で、地面が揺れる。


ーこの身を天へと委ねましょう。-


ミラは教会の本部へと戻っていった。




ミラがいなくなると、土から人形が作られた。


人形がどんどんと前へと進軍していく。




「さてと、まずは様子見だね。」


ジークリードは帰ってきたミラに話しかける。


「はい、ですが。本当にここまでする相手なのでしょうか。」


「ハハハ。分からないだろう。意外と耐えるかもしれないよ。」


ジークリード達は地上の様子を観察していた。




土人形と機械兵たちが、その距離を詰める。


一触即発の雰囲気だ。




やがて、戦いが始まる。


はじめはただの様子見の戦いだった。


しかし、やがて戦いは激化し、戦争へと発展していくのだが、まだ誰もこのことは知らない。






エドゥ達の方はというと、シャルロッタとザウルが教会に報告にいったところ、丁度戦いが始まったタイミングだったので、ジークリードの邪魔にならないように鎧を捕らえてから報告するように言われたとのことだった。


とりあえず、シャルロッタ、ザウル、エリアスは鎧の捜索へと出ていった。




「へぇ、それは大変だったわね。」


エドゥはその夜、カロリーナと呑みにいっていた。


「自分にも強力な能力があればよかったのになー。」


エドゥは愚痴をこぼす。


「んふふ。強くなってどうするの?」


「今日みたいなことを防いだりとか?」


カロリーナが手を叩く。


「それじゃあ、私のところで特訓する?」


「へ?」


突然の提案に、エドゥは驚く。


「いや、依頼もあるし。」


「暇な時ぐらいあるでしょ。」


(確かに、教会で特訓すれば、強くなれるの・・か?)




エドゥは考える。


「教会の人間じゃないけど、いいのか。」


「黙ってれば、バレないわよ。」


「分かった、よろしく頼む。」


エドゥはカロリーナの提案を有難く受け入れた。




「ところで・・・」


エドゥは気になったことを聞いてみた。


「今日のお昼、どうしてたの?」




カロリーナはフフフと笑う。


エドゥは、任務で別のところに行っていたとか、街の人の救助を行っていたとかそういう返事が返ってくると思っていた。




だが、カロリーナはにっこりと笑うと


「今日は一日中、仕事さぼって寝てました!!」


といい、さらにお酒を飲んでべろんべろんに酔っぱらっていた。



脳内設定その⑰

ザウル=スピリドノフ

ギフト名「Master of the Game」

「自分の周囲にゲーム空間を発生させ、様々な種類のゲームを設定し、相手を巻き込む。」


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