❦+Another Story1「神の鎧」3/4
二人は、お互いのスコアを確認する。
「だめだ、全然足りてねぇ。」
「大丈夫です。ダメージを与えて、スコアを奪えばいい。」
「へぇ。出来るのかー? 」
ザウルがブロックを登る。
「なぁ、何かこの鎧に凄い力とかねぇのかよ。」
ピザファットがナタリーに通信を試みる。
ナタリーはしばらく無言だったが、やがて口を開くと
「ないこともないけど。まだ、試作段階だからどうなるか分からないわよ。下手すると死ぬかも。」
と言った。
「物騒!!」
ピザファットは両手を頬につけオーバーなリアクションを取った。
「ッ大丈夫だ。そいつは、ちょっとのことじゃ死なない。」
エドゥが通信に割って入ってきた。
「それより、出来るだけ早く来てくれ。二人だけじゃ抑え込むのが難しい。」
ピザファットがため息をつく。
「全く、相棒は最近俺っちをぞんざいに扱いすぎだぜ。」
「分かったわ。腰にあるスイッチを押して。モードが変化するわ。」
ピザファットは言われるままボタンを押す。
すると、ピザファットを覆っていたアーマーが霧状になって変化していった。
「良い?よく聞いてね。さっきまでのモードが装甲モード、そして今のモードが激昂モードよ。
装甲モードは防御力重視のモード、激昂モードは防御無視の攻撃特化のモードよ。さらにそのモードには試作段階の機能がついているの。Hyper Loopっていう機能何だけど、10秒だけ光速で動くことが出来るの。」
ナタリーが淡々と説明をしていく。
「オッケー!なんだかよくわからないけど、とりあえずやってみようぜ。」
ピザファットがHyper Loopと書かれたボタンを押す。
すると、アーマーから粒子が解き放たれた。
「すっげぇ。時が止まったみたいに周りがゆっくりだ。」
軽く足に力を籠めジャンプする。
光の速さとは何と形容しにくいものか。見えているものが激しく曲がっているように感じる。
後ろの方では、先ほどまで見えていたものが既に見えなくなっている。暗黒だ。
(うぅ、気持ち悪いな。早くスコアを奪わねぇと。)
ピザファットは一瞬でザウルに蹴りを入れる。
そして10秒が経った。
「うぉああ。」
ザウルは突然後ろに吹き飛ばされる。幸いか不幸か、自分の能力で作られた壁に追突した。
ピザファットは、光速で動いた代償で、変身が解けた。
「これ、まずいな。俺っち以外が使ったら一発アウトだぞ。」
ピザファットは血を吐き出した。
エリアスは近づいてスコアを見る。
(ザウルが今の攻撃で、15000。ピザファットが6000、私が9000。ですか。これで2人のスコアがザウルと同点になった。あと一つ何かスコアが得られれば。)
「ガハハハハ。何だ、今のは。全く反応出来なかった。」
ザウルが壁にもたれかかり、立ち上がった。
そして、そのまま倒れた。
ザウルの体は、キューブの塊になり、バラバラになった。
-2000 という文字が浮かび上がる。
エリアスはピザファットのところへかける。
「ピザファット、あなたのスコアをもらいます。」
エリアスはピザファットの体に触れる。
ピザファットのスコアが0になり、代わりにエリアスのスコアが15000になった。
エリアスが辺りを警戒する。
「くらえ!」
エリアスの背後からザウルが復活してきた。
エリアスは浮遊して避けようとする。
「流石、我がライバル。俺の能力を良く理解している。」
「当然です。遠征で何度も見ましたからね、死亡後の復活、その表示を見るとあと45回ですか。」
「その通り、そしてこれも分かってるよな!死亡後の俺は無敵だ!」
エリアスが蹴りを入れる。
だが、その蹴りはザウルの体を通り抜けた。
ガシっとザウルが、エリアスの足を掴む。
そのまま、エリアスを地面に叩きつけた。
エリアスのスコアが下がる。
「さぁ、さぁ!もっと、戦え!」
「この!」
二人が攻撃を当てようとした瞬間だった。
「そこまでよ!」
二人の間に雷が放たれる。
「うぉ、ビビッときた。何だ!邪魔しない約束だったろうが!」
ザウルが吠える。
「私が約束したのはエリアスが、悪意をもって鎧を使用していた場合の話です。」
ザウルの空間に、一人の女性が入ってきた。
エリアスはその女性を良く知っていた。
「シャルロッタ!どうしてここに!」
シャルロッタの頬が赤く染まる。
(あぁ~久しぶりのエリアスだぁ。ハッ!いけないいけない。お仕事なんだから、凛々しく。凛々しく。)
「おほん。エリアス、私たちがここに来たのは、あなたの神鎧の無断使用の件についてです。」
数時間前、教会に援軍を要請していたシャルロッタの元に天使であるミラが来ていた。
このようなことは過去に例がなく、その場にいたものは凄く驚いていた。
シャルロッタは、ミラから、援軍を出す代わりにエリアスの件を調査するように言われたとのことだった。
ザウルは、たまたまその場にいてついてきただけだった。
エリアスはシャルロッタ達にこれまでのことを話した。
「じゃあ、エリアスが教会に謀反を起こした訳じゃないんだー!」
シャルロッタは安堵していた。
「だが、まだ問題は解決していないんだろ?面白い、一度神鎧なしで、神鎧とどこまでやり合えるか試してみたかったんだ。」
ザウルは楽しそうに笑う。
「とりあえず、どうしてこうなったか鎧を捕まえて調べなくちゃ。エリアス、その探偵事務所まで案内してくれる?」
エリアスが頷いた。
「おぉ、エリアスさんよー。随分とそのお姉さんと仲が良さそうじゃねぇの!」
ピザファットが起き上がってきた。
エリアスはピザファットの姿を見る。
先程まで血だらけで瀕死だった形跡はすっかり消えていた。
(これは、また。凄い能力ですね。)
エリアスは、ピザファットの能力をじっくりと観察していた。
「いや、俺っちの見る感じ・・・。」
ピザファットはシャルロッタの方を見てにやついた。
「あばばばばばb・・・・。」
ピザファットが余計なことを言う前にシャルロッタがピザファットの口を封じた。
「ははは、このおデブさん。何を口走ろうとしているのかしら。オホホホホ。」
色々なやりとりがあったが、4人は事務所へと向かった。
「相棒!」
エドゥは壁にくっついているかのように倒れていた。
ピザファットはエドゥの元に駆け付ける。
直ぐに血をエドゥに渡した。
しかし、いつものように直ぐに回復せずに、ゆっくりと回復が進む。
(なんでだ!いつもなら早く回復するはずなのによぉ。)
「ピザファット。エドゥを安全な場所に。」
「おう。」
ピザファットは事務所に入る。
入った瞬間いきなり壁に激突した。
「いてて。重力が壁側に来てるのを忘れてたぜ。」
ピザファットは壁に足を付けエドゥを抱える。
エリアス、シャルロッタ、ザウルが続いて事務所に入った。
3人とも綺麗に壁に着地した。
(くっそー。カッコいいぜ。俺っちも後から入れば良かった。)
「何だ。外から見たらこんな広い建物じゃなかったはずだぜ。」
ザウルが辺りを見回す。
「私の能力です。」
ホーカンソン夫人が、その姿を現した。
5人は自分の能力を簡単に説明する。
「それで、神鎧はいまどこに?」
「今、他の部屋に閉じ込めているんです。だけど、あまり長く持たないでしょう。」
夫人が扉を指さす。
「じゃあ。とりあえずここで迎え撃つってことで。」
ザウルが能力を発動させる。
エリアス、シャルロッタはその場で待機している。
そして、ピザファットは変身を済ませ装甲を纏った。
ミシミシという音を立て、扉が遂に破壊される。
神鎧は、ザウルの空間に入り込んできた。
ザウルはガッツポーズをする。
ザウルはシューティング・ゲームをはじめ、鎧に弾丸を打ち込む。
鎧は、ブラックホールで弾を吸い込む。
「おっと、簡単には撃たせないか。」
ザウルが引きずられる。




