●「相棒」4/4
こうして3人は各々見回りをしに行った。
「さて、もういいぞ。」
「あぁ。助かったよ。」
エドゥは体を起こす。濡れたティッシュや血の染料などがぽたぽたと垂れる。
「さて、俺っちの家までついてきてもらおうか。」
「好きにしてくれ、こっちは命を助けられたからな。」
「しかしだ、その命もお前さんの行動次第ということを忘れるんじゃねぇよ。」
「そんなことは分かっている。」
2人はそんな会話をしながら、歩き始めた。
「しかし、誰にも見つからずにあんたの家に行くなんて不可能だ、どうするつもりだ。」
「OKOK、問題なーい。その点は問題なーい。ほれ。」
ピザファットが袋を取り出した。
「なんだ、これは。」
「狩り用の袋だ。」
「新品だよ..な。」
「贅沢いってんじゃねぇよ。匂いなんか気にするのは女だけで良いんじゃい。」
ばぁと袋がかぶせられた。
「うげぇえぇ」
エドゥはその生臭さに意識を持っていかれた。
「おれ!起きろ!…ん?おら」
ぺシぺシとエドゥの頬が叩かれていく。
「痛いわ!」
エドゥが起きる。
「あぁ、臭かった。いや、まだ臭いのか。なんか慣れた気がする。」
「いや、そんな状態で家に入れるわけねぇだろ!そこに水道があるから体を洗え!」
「あぁ、そうだな。何か、今俺はおかしくなっていたのかもしれないな。」
エドゥは体を洗う。
「ほれ。」
ピザファットからタオルが渡された。
体をしっかりと拭く、やっぱりシャワーはいいものだと実感する。
「ふぅ。」
「おい!俺の服は?」
「あぁん?捨てたよあんなばっちぃ服、それに目立つしな、お前さんには俺っちのおさがりをやるよ。それよりお前もアミュレットを持っているって認識でいいんだよな。何かふわふわ浮いてたし。」
「アミュレット?なんだそれは。」
「知らねぇのかい!まぁ、簡単に言うとチョースゲーパワーみたいなもんだ。」
「つまり、超能力ってことか。さっき、頭にぶち込んだのに生きていたのはそういうことか。」
「まぁな、あんまり力のことを他人に話さねぇんだ、しかし俺っちの再生力は半端なかっただろ。おっと!」
「大丈夫だ、ばらしたりしないし、知ったところでお前にはかなわんしな。」
「すまねぇな、服は着たか?」
「あぁ、丁度いい感じだ。腰のところに重りを入れてくれたのか。」
「これで、浮くことはとりあえずなくなったな。よし。」
ピザファットが深呼吸をした。
「いいか、この家には俺っちのばぁちゃんが住んでいる。決してお前さんが外から来たことはバレちゃいけねぇ。俺っちの話に合わせるんだ、ここまでOK?」
「OKだ。」
「じゃあ、動くなよ。」
ペタペタペタペタぐるぐるぐる
ガチャと扉を開けた。
「ただいまぁ。ばあちゃん帰ったぜぇ。」
「おぉ、ピザファット、お疲れさん。今日はすごい音がしとったが大丈夫だったかい?」
「あぁ、それなんだけどぉ。暴風でキノンさんとこの家が壊れちまって、治るまでうちに泊まらせたいんだけど、いいかな。」
「あぁ、別に構わんが。」
「おーい。良いってさぁ。どうぞ!」
顔を包帯でぐるぐるに覆った男が入ってきた。
「おぉ、ひどい怪我をおったんじゃな。ささっ狭いところですがどうぞ。ん?」
「ど、どうしたのばあちゃん。」
「いや、キノンさんって女性じゃなかったかのぉ。」
「え?ば、ばあちゃん何いってんだよ。キノンさんは男だよ。」
「そうだったかのぉ、たしかお喋りだった気が、、」
「それは、ほら。喉も怪我しちゃって喋れないんだよ。」
エドゥは首を縦に振る。
「おばあちゃん、キノンさんも疲れてるし休ませてあげよう。」
「それもそうじゃの。お前の部屋なら一人くらい増えても狭くはないじゃろう。」
「ふぅ。」
何とかハンナを誤魔化して、部屋に入る。
「おばあちゃん、最近早く寝るからな。もう包帯を外しても大丈夫だろ。」
「はぁ、苦しかった。あと耳のペイントがむれて痒い。」
「OK、おしぼりを持ってくる、それで拭きな。」
エドゥはピザファットが持ってきたおしぼりで耳のペイントを洗い落とした。
「それにしても、ピザファット。君のそのメイク技術はすごいな。」
「あぁ、これか。こりゃ俺の幼馴染から教わった技術さ。まだまだ未熟だけどな。」
「そうか。でも君のおばあちゃんを上手く騙せたじゃないか。」
「ばあちゃんは目が悪いからな。この手は誰にでも通用するわけではねぇ。」
「そうか、、、それで俺に興味があるといってたな。」
「あぁ、お前さんに色々と聞きたいことがある、まずはこいつを見てくれ。」
そういうとピザファットは宝箱を部屋の奥から取り出した。
「そいつは?」
「お前さんみたいな侵略者がこの島に来た時、俺らは島の掟に従って、そいつらを始末する。そのとき、遺体と所持品は必ず燃やされるんだ。だが、俺は隙を伺って所持品をすこーしだけ拝借してこの宝箱に集めて
きた。この島にいるだけでは決して知りえない情報がこの宝箱にはあるんだ。今まで実験的な意味で侵略者にこの宝箱を見せてみたが、そもそも奴らはこの島の言語を喋れない。そんなときに現れたのが、エドゥあんただ。外からきて、しかも俺らの言語を理解している。頼む、俺に外の世界の知恵をくれ!」
ピザファットはかなり興奮している様子だった。
エドゥはとりあえず中を見てみることにした。金属でできたリング、複雑そうな機械、それに拳銃一挺が入っていた。拳銃には弾は入っていなかった。
「このリングはおもちゃだな。知恵の輪って奴だな。こっちの機械は正直分からない。最後のこいつは銃っていうんだ。君の脳天を撃ったやつと同じだな。」
「おぉ、島の外ではあんな危険な武器まで開発されていたのか。やっぱり周りの情報を持たないっつうのは恐ろしいな。」
「なぁ、薄々気付いていたんだが、」
「おぉ。何だい?」
「君、この島以外のことを知らないだろう。」
「あぁ、言わなかったか?」
「はぁ!何てことだ。俺は大国の主と交渉しに来たというのに!おかしいと思ったんだ、こんな原始時代みたいな島の太った男がこの惑星で一番偉いなんてこと、あるはずがなかったんだ!」
「あぁん!いい度胸じゃねぇか!さっき言ったよな、お前の命は行動次第だってよぉ!」
「おっと、悪い。なぁ、俺をこの島から出してくれないか。頼む。」
「仮にもこの島の長である俺っちによくもそういうこと言えるよなぁ。」
ピザファットは呆れた様子でエドゥを見た。さっきの怒りはどこかへ行ってしまった。
「なぁ、さっきから言っている惑星っつうのは何だ?」
ピザファットはずっと気になっていたことを聞いてみることにした。
エドゥは彼の質問に彼が理解できるまで丁寧に星の話をした。
「すっげぇ。」
ピザファットからでた最初の言葉がそれだった。
「すっげぇよ。何だよ。俺っちはこんな惑星の中の小っちゃな孤島で自分が大きい存在だとか思ってたのかよ!とんだピエロじゃねぇか。なぁ、お前さんの乗ってきた宇宙船っつうのに乗れば、この惑星から出られるってことだよなぁ!」
「まぁ、そうなる。」
「エドゥ!俺っちを一緒に連れてってくれ!」
「君、さっきまで俺を島から出さないって言ってたじゃないか。」
「状況が変わったんだよ!明日の早朝に宇宙船に二人で乗り込もう!」
「いや、良いんだが、俺は任務があるから宇宙に連れていくのはそれが終わってからだぞ。」
「分かった!それでいいぜ!エドゥ!いや、相棒!」
こうして、エドゥとピザファットは協力関係になった。
エドゥはこの惑星の大国の主に交渉をし、この惑星と友好関係を結ぶことを目的に、ピザファットは宇宙に行くことを目的に。
今、2人の冒険の幕が上がる!




