家族
「へー町ってこんな感じなのか。」
「うふっ、田舎者には少し刺激が強すぎましたか?」
「田舎者いうな、自然出身といいなさい。」
「自然出身・・・うふっ、面白い表現ですね。」
本当に町はすごく頭に残るほどだった。言葉に表すのなら水の都、アトランティスをアレンジしたような感じだった。門は白い花のアーチ、滝を思わせるようなアーティファクト、セントラルエリアにはお城がたっている。村にいたころには想像がつかない。はっきり言おう素晴らしい。
「あっ原住民。」
「失礼ですよコク様。この町は二種の民族の人が住んでいるのですよ。」
「へー。じゃああのタコみたいな人たちか。」
「ええそうですよ。タコと私たち人類です。」
タコは黄色の目をしている、顎あたりから二本の触手がうねうねしており体は緑色でほぼ人間の骨格と変わりがない。身長は俺たちとあまり変わらない様子だった。
「でっなんて言う町なんだ?」
「えっ村の隣町なのに名前も知らないんですか。世間知らずですね。ベルベンティですよ。」
「ほっ?」
「町の名前ですよ。」
「弁当みたいな名前だな。」
と言いながら町を歩いていると、城の前で足を止めた。ノーマスの後についてきたのだがなぜ城の前にって思っていた。
「はいっ、ここが私のお家です。」
それを聞いた俺は驚くようで驚かなかった。身に着けているものや言葉のつかいかたなどでお金持なのはわかってはいたが・・・城だからノーマスはお姫様ってことか?でも町だから町長や知事みたいなものか。
「お前ってさ、お姫様なのか?」
「んっいや違いますね。私の祖先がこの場所を見つけ壊れていた城を修理しなぜか主になっていたとのことです。」
「えっじゃあお前が原住民?」
「だから原住民はあのタコさんたちです。古の者の帰還者たちです。」
俺はなるほどって思いながらこの世界は面白いと思った。ここまでほんの数分の話だったが以外と内容の濃い話をされたような気がした。
「ガチっギガガガ。」
扉が開いたような気がした。
「初めまして、コク様、お嬢様から話は聞いております。」
家から出てきた女性はお母さんっていうよりもメイドさんのような容姿をしている。
「えっいつ連絡したんだ?」
「・・・テレパシーです。」
「おい、うそつくな。」
「先ほどコク様が何か考え事をなされたときにちょいちょいっと。」
俺はそんなことを言っている間にメイドさんはこちらに来いと手招きをする。どうやらご両親のところへ案内をしてくれるらしい。
「そういえばあのメイドさん名前なんて言うの?」
「メルリーって言います。コク様よりは役にたちますよ。」
と言いながら扉を通り家に入り込んだ。家の内装は白と赤を軸にしており、天井からはシャンデリアがぶら下がっている。真ん中に大きい階段があり上りおえると左右に通路が分かれる。まるで幻想に抱いたような城の中である。などと考えているとメルリーが早く上がってこいと言うばかりな目になったため急いだ。
さらに奥の通路を進み言葉にバカがつくほどの扉が目に映し出された。
「なにこれ。」
「旧王室らしいですよ。」
にっこり答えるノーマス。
「ではこの先に奥様のエリー様と旦那様のフォーリスがいらっしゃいます。」
なんだか娘さんをくださいのような感覚に襲われる。
「そんなに緊張しないで。」
ノーマスの言葉でより訳の分からない感覚に。
「グガガガガ。」
扉が開いた。
「お母さま、お父さまー。」
彼女はまるで子供のように走っていくのを見て俺は自然と微笑んだ。三人は三角形を作って話している。少し離れた場所でメルリーが笑みを浮かべている。そこにはとてもよそ者が入れる場所はない。ぼーっと眺めているとノーマスが視線を向けてくる。柔らかな口は俺の目に語りかけてきた。笑い声の中かすかに聞こえる声。
「コク様、あなたも来るのですよ。」
俺は声に誘われて前進を開始した。
四つの目がこちらを向いてこう言った。
「ようこそ。」




