第百六十二話 どこかにある垂氷の思惑
「追跡機を全て撃破しました。これ以上の追跡はしてこないでしょう」
「そう、ご苦労様、エラスト」
サンカミューと共に精界を脱出した垂氷は目立たない場所に降り立つと、そこでエラストを待っていた。もちろん、可能性の問題で垂氷が逃げる事を読まれていたのなら、確実に追跡をしてくるはずだし、読まれていなくても逃げた垂氷に対して何かをやってくるのは充分に予想が出来るというものだ。だからこそ、エラストに待機させて追跡してくる機体を全て破壊させたのだ。
そんな垂氷が脱出の切り札となっていたサンカミューの頭を撫でながら、状況を整理するかのように二人の行動を含めて話し始めるのだった。
「まずは予想通りって事でしょうね。何かで戦闘能力を低減させてたみたいだけど、それでも捨て駒の上位を倒せるだけの戦闘能力を発揮できるのは確かみたいね。そして私達を見逃しながらもしっかりと追跡をしてきた。サンカミューが精界に穴を空けて、エラストが穴を維持していた事も見抜かれているでしょうね。そしてサンカミューの翼を見たのなら、属性と何の精霊かという事も分っているかもしれないわね。けど、私とエラストの情報は分っていないでしょうね。まあ、無駄ではなかったけど、大した収穫も無かったってところかしらね」
「なら、どうするの?」
垂氷に撫でられながらも嬉しそうにしていたサンカミューが顔を上げて垂氷に、そんな事を尋ねてきた。なにしろ、垂氷の言葉をそのまま取れば、状況はほとんど変わっていないという事なのだから。そうなると次の一手が必要になってくるのはサンカミューもエラストも充分に分っている事だ。だからこそ、垂氷の言葉を待った。
だが、その垂氷はサンカミューの頭から手を話すと、今度は二人に背を向けて、さっさと歩き始めてしまった。そんな垂氷を当たり前かのように後を追うエラストとサンカミュー。そして歩きながらも垂氷は二人に言葉だけを向けて話を続ける。
「正直なところ、かなり不利なのよね。相手には確実にバックアップ専門の精霊が居る。私の前には姿を見せなかったけど、その精霊が追跡をしてきたんでしょうね。もっとも、相手も追跡が出来れば良いな、程度にしか思っていなかったでしょうけどね。それに……精霊を率いていた契約者の二人、かなり頭が切れるわね。戦略や戦術でも負けるでしょうね。そのうえ、バックアップ専門の精霊が居るんだから、情報戦は確実に私達の負けね」
「なら、次は慎重に手を打たないとですね」
そんな意見を言って来たエラストに対して垂氷は歩きながらも、人差し指を立てると円を描くように回すと口元に冷たい笑みを浮かべてから言って来た。もっとも、後ろに居る二人には、そんな垂氷の表情までは分からないのだが、垂氷の声から垂氷が何かを確信している事が分かるほどに、はっきりとした声で垂氷は話を続けるのだった。
「逆よ、情報戦で負けたからこそ、次の手は過激に出るのよ」
「ですが、こちらから見れば相手の戦力は未知数。そのうえ、敵が戦略や戦術に富んでいるという事は策略すらも使えないという事になります」
「そうだよね。今回の戦闘で戦闘能力は確認が出来なかったけど、それなりの実力を持っているのは確かだよね。それに戦略や戦術で上を行かれたら、取るべき作戦なんて無いよ」
エラストに続いて、そんな言葉を続けるサンカミュー。確かに二人の見解は間違ってはいない。垂氷達から見れば、昇達の戦闘能力は未だに未知数だ。そして分かった事と言えば、昇とフレトは戦略と戦術という点では確実に垂氷の上を行っていたという事だ。そんな昇達を相手に作戦も無しに戦いを仕掛けるのは危険が大きいと言えるだろう。
だが垂氷は回していた指を止めると、顔だけを少し後ろに振り向けると歩きながら一言で片付けた。
「大丈夫よ」
はっきりと断言した垂氷。そんな垂氷に対してサンカミューは首を傾げ、エラストは少し疲れたように溜息を付くと再び顔を前に戻した垂氷に対して言うのだった。
「何か作戦でもあるのなら、先に言ってください。準備が必要なら手配は早い方が良いですから」
そんな事を言って来たエラストに垂氷は軽く笑うと話を続けるのだった。
「作戦……ね。作戦は有るけど無いのよ。だから準備なんて必要ないわ。それに次の手が失敗しても問題は無いわ。まあ、問題とすべきはこちらの戦力保持、それに……今回の戦闘では見せなかったエレメンタルアップに対する警戒だけかしらね」
垂氷がそんな言葉を口にするとサンカミューはますます分からないという感じの顔になるが、その隣に居るエラストは何かに気付いたのだろう。少しだけ考える仕草をすると、自分が弾き出した答えを垂氷にぶつけてみる。
「無策の策ですか?」
そんなエラストの言葉を耳にした垂氷が珍しく柔らかい微笑を浮かべて、後ろに居る二人に数秒だけ見せると、またすぐに前を向いて歩き続けながら話を続ける垂氷だった。
「さすがねエラスト、そのとおりよ」
エラストの答えに正解の言葉を出した垂氷。そんな二人の言葉を聞いてサンカミューもやっと考える仕草をする。そしてサンカミューにも分かったのだろう。二人の会話が終わって、少しだけ歩くと何かに気付いたように声を上げたのだ。そんなサンカミューの声を聞いた垂氷は話を再開させる。
「どうやら二人とも分かったようね。だから紅鳶には絶対に言わないように、次の戦いでは紅鳶達が鍵になってくるのだからね」
「はい、分かりました」
すぐに同意の声を出すエラスト、そんなエラストとは正反対にサンカミューは心配の言葉を出すのだった。
「でも、そんな大役を紅鳶達に任せるのは、やっぱり心配だよ。それだったら、私達二人が出た方が確実だと思うな」
そんなサンカミューの言葉を聞いた垂氷が冷たい微笑を浮かばせると、サンカミューの心配を吹き飛ばすのような言葉を口に出すのだった。
「大丈夫よ、だから今度も二人には退路の確保をお願いするわ。それに……次の戦いに勝ちも負けも無いのよ。さっきも言ったでしょ、次の手が失敗しても問題は無いってね。次の戦いは布石なのよ、その次に勝つためにね。そのためには勝っても負けてもいけないのよ。もっとも勝てると思っていないから、こんな手を打つんだけどね」
そんな垂氷の言葉を聞いて首を傾げるサンカミュー。垂氷には何か確実な手がある事はサンカミューにも分かったのだが、さすがに詳細までは分からなかったようだ。そんなサンカミューに説明するかのようにエラストから垂氷に向かって質問を出すのだった。
「勝てないなら負けない手を打って、次に確実に勝てる手を打つ。そういう事ですね」
「そうよ、だから、この事は銀翠達にも内緒よ。次の戦いでは二人に制限を掛けてはいけないのよ。それでこそ意味があるんだからね」
「さすがはカイザーが討伐命令を出した相手……って事ですかね」
「……そうね」
エラストが、そんな言葉を付け加えてくると垂氷は何か引っ掛かるようなものを感じたのだろう。だからこそ、エラストの言葉に短く答えただけで、今度は思考を巡らすのだった。
そう、そこなのよね。カイザーの討伐命令……確かに実際に戦ってみて、初めて、あの子達が脅威になると分かるのよね。けど、カイザーは報告だけで判断したはず……何がカイザーに決断をさせたのかしら、そこだけが分からないのよね。そうね……やっぱり……というべきかしらね。カイザーには私達には見えていないものが見えてる、そう考えれば納得が行くわ。そうなると……見の属性、しかも予言や予知に近い属性を持っているのかもしれないわね。
そんな事を考える垂氷。やはり、垂氷は今まで気になっていたようだ。
なにしろ昇達の強さとなっているのは話を聞いて分かる、というレベルではない。実際に昇達の強さを見た垂氷だからこそ、そんな事を考えたのかもしれない。なにしろ、垂氷は実際に昇達と戦ったからこそ、昇達の強さが分かったのだから。たぶん情報だけなら昇達が、これほど脅威となる存在だとは垂氷も感じなかっただろう。
だが、先程の戦いで見せた昇達の実力。それは確実に垂氷の想像を超えていたし、何よりも昇達はまだ若い。つまり、これから伸びる可能性が出てくるのだ。そうなると、辺境に居る小勢力、という見方が違ってくるのだ。
昇達が、このまま成長を続け、戦い続けるとなるとエレメンタルロードテナーに選ばれる可能性が高くなってくるのだ。なにしろ、エレメンタルロードテナーに選ばれる基準は契約者の実力だ。どれだけの大組織を作ったとしても、契約者個人の能力が劣っていては意味が無いのだ。
だが、カイザーはここまでの大組織を作るだけの力を持っている。確かに、アッシュタリアが組織されてからはカイザーが表立って戦いに出た事は無い。だが、その前は確実にカイザーは戦っているのだ。その戦いの結果としてカイザーはアッシュタリアを組織する事が出来た。それはカイザーにそれだけの器。戦略、戦術、そして個人の戦闘能力が高い事を示している。
この三つがあるからこそ、アッシュタリアは組織されたのであり、カイザー個人の力が低ければ、確実にアッシュタリアは大組織になる前に崩壊していただろう。けれども、未だに顕在という事は、それだけカイザーには確かな実力があるという事だ。だからこそ、垂氷達のようにカイザーに仕える者も居る。次なるエレメンタルロードテナーの下で優位な地位を得るために。
だが、それはカイザーがエレメンタルロードテナーになる事が前提であり、それがあるからこそ、未だにアッシュタリアが存在しているのだ。そんなカイザーが昇に対して討伐命令を出した。それは、この先、昇の実力は確実にカイザーに届くという事を示しているのではないのか。
そして、カイザーには、そうした未来を見越す能力がある。そう考えれば、今回の討伐命令も実行する垂氷としては納得が行くのだった。だからこそ、そのような結論を出す垂氷だった。そして、自分達の失敗が逆に昇達の大いなる布石を打たせる事になるのではないのかと、逆に心配になるような事までも考えていた。
だが、垂氷の仮説が確かならば、この戦いは絶対に負けられないし、ここで確実に昇達を争奪戦から落としておかないといけない。そのためには昇達に確実に勝つための手段が必要なのだ。だからこそ、垂氷は確実に勝つために、慎重且つ大胆にならないといけない。少なくとも垂氷はそんな結論を出したみたいだ。
そんな垂氷が後ろに居る二人に向かって再び話し始める。
「何にしても、こちらが不利なのは変わらないわ。日本支部、いえ、私の沽券に関わるからこそ増援は要求が出来ないし、エイムハイマーとしても体面的に増援を出すワケにはいかない。討伐命令で追い詰められているのは相手だけじゃないわ、こちらも追い詰められているのよ。だから私は現状戦力だけで討伐命令を果たさないといけない。かなりキツイ状況だけど、百敗しても最後に勝てば良いのよ。漢の高祖じゃないけど、一つや二つの勝利ならあげても構わないわ。最後に勝てるのならね」
「そのための無策の策ですか。狙いは分かりますけど、やはり、賭けに近い形になりますね。下手をすれば敵に優位を与えるようなものですから」
「……んっ?」
エラストの言葉に首を傾げるサンカミュー、やはり詳細な事までは分っていないようだ。まあ、垂氷とエラストは完全に話の裏に隠されているものまで、しっかりと把握しているからこそ成り立っている会話である。そんな裏までは見えていないサンカミューにとっては分からない会話とも言えるだろう。
だが、垂氷もエラストもサンカミューに詳しくは話さなかった。別にサンカミューの事を信頼していないワケではない。ただ、確定している事は何も無いのだ。そこはエラストが言ったとおりに賭けという事が重要になってくるのだろう。だからこそ、二人とも下手に口には出さなかったのだ。
それでも垂氷はエラストには少しは話して、エラストが抱えている不安を取り除いた方が良いと判断したのだろう。だからこそ、垂氷は歩きながら会話を続ける。
「確かに賭けね。だからこそ、早期決着を付けないといけないのよ。今回の戦いでは、相手に時間を与えれば与えるほど優位になる。なら、戦術的な優位はあげて、こちらは戦略的な優位を取るのよ。だからこそ、次の戦いは布石なのよ。次の戦いが終わった後、その後をどちらが取るかで勝敗が変わってくるわ。最後に勝つために、私達は迅速に動かないといけないのよ」
そんな事を口にした垂氷の瞳が鋭いものになる。やはり、口に出すと今の状況がより一層に理解が出来るのだろう。だからこそ、垂氷は、これが賭けだという事を改めて実感したからこそ、自然と目付きが鋭くなったのだろう。
そして、そんな垂氷の言葉を聞いたエラストも少しだけ考える仕草をすると、今後の展開を頭の中で何通りも展開させる。その中に垂氷が考えているのと同じのがあったのだろう。エラストは垂氷の言葉を理解したかのように言葉を口に出す。
「相手を消耗させた後に、こちらは切り札を使う……という事ですね。ですが、事を早急に進めすぎだと思われますけど。何か決断をするのに切っ掛けとなった考えでも?」
最後は質問で言葉を締めたエラスト。そんなエラストの質問に対して垂氷は、すぐには答えなかった。それどころか、答えを先延ばしにするような言葉を口に出すのだった。
「それは後で話すわ。何にしても、私は明日に決戦をすると宣戦布告をしてきたのよ。そこまでしたのだから、もう後戻りは出来ないわ。だからこそ、賭けであろうとも一気に切り札を使うのよ。それに、下手に温存しておいても使う時期を逃すだけよ。だったら、ここぞと思った時に切り札を使うのが戦略というものよ。それに……今日の戦闘を見て分かったんだけど、ターゲットの子達、かなり強いわ。だから下手に出し惜しみをしてたら、こちらが負けるのは確実。なら、一気に決着を付けるしかないのよ」
「既に勝算は立ててある、という事ですか?」
「そうね、少なくとも私なりに勝算はあるわよ。もっとも、それは明日の戦いじゃなくて、最後に勝つためだけどね。さて、話はここまでにして急ぎましょう。待てで待たされている犬にも限界があるわ、そんな犬を喜ばせるためにね。今は、その犬を精々持ち上げて、明日は頑張ってもらいましょう。勝ち負けは無いけど、敵の戦力を削る事だけでも出来れば上出来よ。そのためにも、今はすぐに戻る事にしましょう」
「分かりました」
「は~い」
垂氷がそんな言葉で締め括り、承諾の返事をしたエラストとサンカミュー。そんな二人の返事を聞いて垂氷達は足早に活動拠点となっているビルへと急ぐのだった。
そして活動地点に戻って来た垂氷はすぐに紅鳶と銀翠、それにそれぞれに契約をしている精霊。つまり残り戦力の全てを召集したのだ。そして全員が集ると、垂氷は高価な椅子に座りながら机に肘を付き、手を顎下で組むような姿勢で紅鳶達に今日の事を告げるのだった。
「さて、揃ったようね。じゃあ、今日の事を話すけど、ほとんど話す事はないわ。精々、敵の顔を確認するぐらいかしらね。それと、明日に決戦を行うと宣戦布告をしてきたわ。だから、全員とも明日の決戦に備えて、今からでも英気を養っておくように」
そんな垂氷の言葉を聞いて少しだけざわめく。まさか、垂氷がここまで早く、事態を進めるとは誰もが予想外だったようだ。特に銀翠達は今まで垂氷が、どれだけ慎重に動いていたかを知っているからこそ、今回の決定は予想外とも言えるだろう。
そんな中で、歓喜で身体を震わせると思いっきり叫ぶバカ、いや、紅鳶が嬉しそうに垂氷に向かって思いっきり握り拳を見せながら言うのだった。
「決戦ですかっ! 垂氷の姐さんっ! なら俺がターゲットをやりますよっ! いや、全員を俺が倒してやりますよっ! 任せて下さい、垂氷の姐さんっ!」
またしても一人で突っ走る紅鳶。その度に垂氷からは冷たい言葉が飛んできたのだが、今回に限っては垂氷は冷たい微笑を浮かべると、紅鳶に向かって誰もが驚く事を言うのだった。
「そうね、期待しているわよ、紅鳶。今回の戦いは思いっきり暴れて良いわよ。もちろん、銀翠もね」
「うおーっ! マジっすかっ! 任せて下さいっ! 絶対に垂氷の姐さんの期待に答えてみせますっ!」
垂氷の言葉に歓喜の声を叫ぶ紅鳶。そして周りでは驚きの視線が垂氷に集まっていた。そんな視線を受けながらも垂氷は冷たい微笑みを浮かべながら話を続けるのだった。
「もちろん、紅鳶だけじゃなくて全員が思いっきりやっても良いわよ。今回に限っては私からは制限は出さないわ。だから思いっきりやってやりなさい」
「うすっ!」
垂氷の言葉に景気の良い返事をしたのは紅鳶だけだった。まあ、今までの事を考えれば、ここでは紅鳶が怒られているシーンだろう。だが、今回に限っては紅鳶に任せるかのような垂氷の言葉である。だからこそ、誰しもが驚いてはいたが、それ以上に垂氷から思いっきり暴れて良いと許可された事に嬉しさを感じて居る者も多かった。
まあ、怪童の影響を受けている者が多い日本支部である。その体勢の本質となっているのは、やはり戦闘時における姿勢である。バカ、いや、好戦的且つ勇猛な怪童の戦う姿勢を見たからこそ、付き従う者も多いのだ。さしずめ、怪童は自ら前線で戦う猛将というべき人物なのだ。
そんな怪童の影響を受けているのだから、紅鳶達を初め、決戦での制限が無い事に、自由に思いっきり戦って良いと言われたのだから。驚きながらも期待に胸を膨らませる者も多いのは確かな事だった。
まるで、そんな垂氷の決定を喜ぶかのように紅鳶の周りに集る好戦的な者達。そんな者達を横目に銀翠は静かに垂氷の横に立って、静かに話し掛けるのだった。
「本当に良いんですか。このままだと紅鳶さん、ほとんど暴走しますよ」
そんな事を言って来た銀翠に対して垂氷は顔を向ける事無く、冷たい微笑を浮かべながら話を続けるのだった。
「良いのよ、むしろ、それを目論んでの作戦よ。だから、今回は紅鳶に暴走してもらうわ。その理由として、エラスト、サンカミュー、あなた達も気になっていたのでしょう」
いつの間にか銀翠とは反対側に移動して来たエラストとサンカミュー。そんな二人に銀翠はやっと気付いて少しだけ驚きはするが、それだけ今の自分が動揺しているのだと気付いた。普段の銀翠なら、絶対に二人の気配には気付いていたはずだ。それなのに気付かなかった。それだけでも自分が冷静ではない、という事に気付かされたのだろう。
だから銀翠は大きく息を吐いて気分を一新すると、エラストとサンカミューと同じく垂氷の言葉を待つのだった。そして垂氷の方でも三人が自分の話を聞く体勢になった事を察すると話を始めるのだった。もちろん、紅鳶達には聞こえないように。
「今日の戦闘でリーダーとなっていたのはターゲットと年齢が同じと思われる少年だったわ。二人とも戦略と戦術には長けているタイプなのよ。それに、ターゲットである昇って子、私と近い思考パターンをしているみたいね。だから、二人とも大軍を指揮する時には最大の力を発揮するでしょうね。つまりは兵法家とも言えるのよ」
垂氷が、そんな言葉を発すると銀翠はすぐに考える仕草をする。そして、すぐに答えが出たのだろう、その答えを垂氷に向けて放つのだった。
「兵法を使うからこそ、兵が起こす計算外には弱いって事ですか?」
「そういう事よ。二人とも頭で戦うタイプみたいだったのよね。だったら、二人の頭では考えられない事態を起こせば良いだけよ。もちろん、私でも予想が出来ない事態をね」
「頭や計算で戦うタイプだからこそ、考えるよりも行動に出る紅鳶さんの行動が読みきれないというのも分かりますが、少し危険だと思いますけど。紅鳶さんの頭から考えても、相手の罠に落ちる可能性が高いですから」
やはり銀翠もエラストやサンカミューと同じ考えを抱いたようだ。だからこそ、心配の声を上げる。そして垂氷は、そんな銀翠に今までの冷たい微笑を消し、鋭い視線を向けると、まるで注意するかのように言うのだった。
「そうね。だからよ、銀翠。引き際はしっかりと見極めなさい」
「それって……」
垂氷の言葉に驚きの声を上げる銀翠。それは垂氷の考えを読みきれていない事を示していた。だが、垂氷の事だから何かしらの考えがあるのは銀翠にも分かっている事だ。だが、その考えが分からないからこそ銀翠は驚きの声を上げたのだ。そんな銀翠に垂氷の冷たい言葉が刺さる。
「はっきり言って、ターゲット達はかなり強いわ。あなた達でも勝てるかは分からない。だから被害を出さない事。でも、私達の予想を超えるほどの戦いをする事。それが今回の戦いで私が求める事よ」
そんな垂氷の言葉を聞いて、銀翠は自分に課せられた使命が分かったのだろう。だからこそ、一筋を汗を流しながらも、少し強張った声で垂氷と話すのだった。
「被害を出さない事を前提に盤をひっくり返せって事ですか。確かに、盤をひっくり返す事を考えれば紅鳶さんは最適かもしれませんけど、さすがに被害を出さないという前提は無理がありますよ」
銀翠にしては珍しく否定的な言葉を垂氷に向ける。まあ、それだけ垂氷が無茶を言っているように聞こえるのだから仕方ないだろう。だが、垂氷は次の戦いだけじゃない、その先を見ているのだ。だからこそ、無茶と分っていても銀翠に言ったのだ。そう、垂氷が言っていたように、最後に勝つために。
だが、そのためには銀翠に悟られてはいけない。だからこそ、垂氷は銀翠に悟られないように冷たい言葉を放ったのだ。まあ、この中で垂氷の真意を分っているのはエラストぐらいなものだろう。それぐらい、今回は垂氷が無茶を言っているように聞こえても仕方ないと言えるだろう。
だからこそ、垂氷も、それなりに繕う必要があるのだ。そのために銀翠との会話を続ける。
「やりたくないのなら降りても良いわよ。あなたの代わりは私がやるから」
「いえ、やります」
さすがに、これは卑怯ですね。二人の会話を聞いていたエラストが、そんな感想を思うのだった。確かにエラストが思ったとおりなのだ。垂氷に、そんな事を言われては銀翠としても引き下がるワケには行かないのである。つまり、垂氷が、その言葉を口にした時点で銀翠としては承諾の言葉を口にするしかないのだ。
だが、このままでは銀翠に不満が残る事は確実だ。だからこそ、垂氷は銀翠に強引でも承諾を口にさせると今度は説得に入るのだった。
「今回の戦いだけを見れば、私だって、こんな要求はしないわ。けど、争奪戦はまだまだ続くのよ。今後の事を考えれば紅鳶もそうだけど、銀翠、あなたを失うワケにはいかないのよ。だからこそ、被害を出さない事を前提にしているのよ。それに、あなた達だけで勝てないのなら、こちらは次の手を打つだけよ。そのためにも、今回の戦いでは被害を出してはいけないのよ。あなたなら分かる事でしょ、銀翠。戦いは……これだけじゃないのよ」
垂氷の言葉を聞いて、銀翠は思わず胸の奥が熱くなるのを感じた。それは、垂氷の言葉を聞く限りは、垂氷は銀翠達を大事にしているように聞こえるからだ。確かに普段では紅鳶にも冷たく当たっている垂氷だが、垂氷がそこまで自分達を大切に考えてくれていると銀翠は感じたからこそ、そんな感覚が生まれたのだろう。
まあ、どこまで垂氷の意思を汲み取ったかが別問題なのは確かだ。それよりも垂氷の意図がどこにあるのかすら銀翠は分ってはいなかっただろう。そんな銀翠とは正反対にエラストはしっかりと本質を見極めていた。
相変わらず、上手く使いこなしてる。やっぱり、こういう所は長けてますね。垂氷と銀翠の会話を聞いてたエラストが思わず垂氷の事を、そんな風に感じていた。まあ、口だけで紅鳶を上手く乗せただけではなく、心情的な言葉を口にする事で銀翠を完全に虜にしてしまった。
だが、エラストが、そんな風に感じるのも当然だろう。なにしろ垂氷の意図を分っているのはエラストだけなのだから。サンカミューもそれなりに垂氷の意図は分かってはいるものの、さすがに細部までは分ってはいない。けど、エラストは垂氷が何を目論んでいるのか、次の戦いが本当に意味をする事を察していた。だからだろう、垂氷の言葉で完全に士気が上がった紅鳶と銀翠を見て、そんな風に感じたのは。
そして、そんな事を考えていたエラストに気付く事無く、垂氷は銀翠との会話を続けるのだった。
「今回の戦いは絶対に負けられないわ。だからこそ、紅鳶に任せるなんて手を打ったのよ。けど、満身創痍で勝っても次には続けられないのよ。その時は、私達が出る前に日本支部はお払い箱になるでしょうね」
「分っています、明日の戦いは全力を尽くします。なるべく垂氷さんの期待に沿えるように努力をしますよ。それに、今回の討伐命令を果たせば日本支部の評価も上がりますからね。だから戦力を保持しつつ、確実に勝ちに行きます」
「勝算は?」
「はっきり言って分かりません。ですが、敵の思考が垂氷さんと似ているのなら、それを崩す手段はあります。紅鳶さんを暴走させつつ、戦局を握る。その手段として毒を持って毒を制すのが一番かと思われます」
そんな銀翠の言葉を聞いた垂氷が机から離れると、今度はゆったりとした背もたれに寄り掛かり、少し考える仕草をする。けど、それも少しだけ、どうやら少し考えただけで銀翠が何をしようとしているのかが分かったという事だろう。だからか、垂氷は冷たい笑みを浮かべると銀翠に向かって言うのだった。
「面白い手ね。確かに、それなら紅鳶は私達が予想できない展開を見せてくれるわね。後は分かっているわね」
「はい、毒も薬も使い過ぎるのは良くありませんから。適度に使って、後は全体のフォローに入ります」
「なら結構、それから」
銀翠の言葉を聞いて承諾の言葉を発した垂氷だが、背もたれから身体を持ち上げると、冷たくて鋭い瞳を銀翠に向けるのだった。そして冷たい声を銀翠に向かって放つ。
「あなた達が勝つと決まったワケではないわ。私が見た限りだと、かなり強いわよ。もしかしたら、あなた達でも勝てないかもしれないわ。その事だけは、しっかりと頭の中に入れておくように。絶対に紅鳶と同調して暴走をしてはいけないわ。その時は銀翠、あなたを今回の任務から外すわよ」
冷たい言葉が銀翠に刺さるが、銀翠は垂氷が言いたい事がはっきりと分っているのだろう。だからこそ、あえて微笑を浮かべると垂氷に向かって軽く頭を下げながら言うのだった。
「分ってます、戦う限りは約束された勝利なんてありはしません。むしろ、勝てないかもしれない戦いほど面白いものはありません。それに、垂氷さんが、そんな手を使いほどですから、私も全力で挑めるというものです。どこまでやれるか分かりませんが、引き際はしっかりと見極めるつもりです。だから、その後はお願いします」
「大丈夫よ、その時はその時で手があるわ。まあ、明日の戦いで、あなた達が勝ってくれる事にこした事は無いのよ。だから、いろいろな意味で期待しているわよ、銀翠」
「はい、任せてください」
そう言うと銀翠は頭を浮かべて垂氷に微笑を向ける。どうやら明日の決戦での役割をしっかり理解した上で、明日の決戦を楽しみにしているようだ。まあ、好戦的な者が多い日本支部である。その筆頭とも言える紅鳶と銀翠である。やはり、決戦となると血が騒ぐのだろう。
更に、今回は垂氷が思い切った手を出してきたので、銀翠としては更に楽しみが増えたと言えるだろう。確かに銀翠に課せられた役割は難しいが、それはそれでやりがいがあるし、なにより全力で戦っても負けるかもしれない相手だからこそ銀翠も血が騒いだのだろう。
垂氷はそんな銀翠を冷たい瞳で少しだけ見詰めると、下がるように手を振るのだった。それから垂氷は全員に向かって、明日の決戦に備えるために今日は休むように告げるのだった。もっとも、紅鳶などは最終調整という名目で地下の訓練施設に向かったが、垂氷はあえて止めなかった。まあ、ここは紅鳶の好きにさせた方が士気が上がるという事を見越しての行動だ。
そんな紅鳶達とは正反対に銀翠は精霊達を集めて、綿密な作戦会議を開いているようだ。何にしても、明日の決戦に向けて動き出したのは確かな事だと言えよう。そして……夜は更けて行くのだった。
活動拠点の上層階にある垂氷専用のスペース。その中には大きな風呂もあり、垂氷はエラストとサンカミューを連れて風呂に入っていた。さすが、垂氷専用に作られた風呂であり、広いだけでなく豪勢だった。そんな風呂にある湯船に浸かってまったりとするエラストとサンカミュー、そして垂氷はシャワーで髪に付いたシャンプーを洗い流していた。
そんな時だった。突如としてエラストが垂氷に向かって話し掛けてきた。
「一つだけ確認をしておきたいのですが」
「何?」
垂氷は短く返事をするとシャワーを止めて湯船に向かっていく。どうやらエラストも垂氷がシャワーを使い終わる事を見越しての問い掛けだったようだ。そして、話し掛けられた垂氷は湯船に腰を掛けて、足だけをお湯に付けるのだった。そんな垂氷にエラストは話を続ける。
「明日の戦い、紅鳶と銀翠が勝つと思っているのですか?」
「勝てば良いなって思っているわよ」
やはり、その程度でしたか。垂氷の答えを聞いて、そんな感想を抱くエラスト。そんなエラストに向かって垂氷は冷たい笑みを向けながら言うのだった。
「言ったでしょ。明日の戦いは布石に過ぎないって。だから勝っても負けても良いのよ。まあ、勝ってくれる事にこした事はないけど。正直なところ、痛み別けになりそうなのよね」
「その割には、あの二人に期待しているような物言いでしたね」
「当然よ、あの二人が本来の力以上で戦ってくれないとターゲットの戦力を削る事なんて出来ないわ。その為に二人の士気を上げるのは当然の事でしょ」
そんな言葉を聞いたエラストが溜息を付いて見せる。そして、こんな言葉を口にするのだった。
「紅鳶はともかく、銀翠はかなり信頼していたように思えるのですが。今回の戦いでは、まるで二人を使い勝手の良い駒にしか見ていないと思われます。時々、あなたをどこまで信頼すれば良いのか分からなくなりますよ」
そんな事を言って来たエラストに対して垂氷は軽く笑うだけだった。まあ、エラストの気持ちも分からなくはないだろう。なにしろ、垂氷は明日の決戦で紅鳶達が勝つ事にまったく期待をしていないのだから。それは垂氷は、その程度しか紅鳶達を信頼していない、と言えるだろう。
もし、絶対的な信頼をおいているのなら、垂氷は自分の考えている事を全て話しただろう。だが垂氷は言葉で紅鳶達の士気を上げて、二人は明日の戦いでは本当に勝つつもりでいる。けど、当の垂氷は二人が勝つとは思っておらず、敵の戦力を削れれば良い、とだけしか思っていない。それが垂氷の本心とも言えるだろう。
エラストは、それが分かるからこそ、そんな言葉を垂氷に向けたのだ。だが、そんなエラストの言葉も垂氷に軽く笑われてしまった。そんなエラストに垂氷は近づくとエラストの前で座ると、そのままエラストに寄り掛かるように、エラストの頬に手を当てながら身を乗り出すのだった。そんな垂氷に対して湯船を背にしているエラストは動く事は出来なかったし、動く気も無かった。そして、そんなエラストに向かって垂氷は言うのだった。
「私が本当に信頼しているのは、あなた達だけって知っているでしょ。私は本当に信頼が出来る者しか傍には置かないわ。それ以外は私にとっては全て駒なのよ。エラスト、あなたはそれぐらい分っていると思ったのだけど」
「分っています。私達はあなたの本質を知っているからこそ、契約をしたのですから」
「なら疑わなくても良いじゃない」
「疑ってしまう行動をあなたが取るからです」
「じゃあ、証拠を見せれば良いのね」
「また」
エラストが何かを言う前に、垂氷の唇がエラストの口を塞ぐ。更に垂氷はエラストに抱き付くように身を寄せて、身体を密着させると更に深いキスを続ける。それは垂氷が満足するまで続き、二人の唇が離れる時には透明な糸が引くまでに濡れていた。
そんな垂氷に対して疲れたように溜息を付くエラスト、だが垂氷は、そんなエラストを楽しむかのように笑みを浮かべながら言うのだった。
「これでまた、私の事を心から信頼が出来たわよね」
そんな事を言って来た垂氷に対してエラストは少し呆れた顔で言うのだった。
「最初から絶対の信頼を置いてますし、私達はあなたのものです。私が言いたかったのは、本当の事が露見した時に疑われる行動を取っているように思われても、しかたがないという事です。私達ではなく、他の者達がです」
そんな事を言って来たエラストに対して垂氷は再びエラストに身体を密着させると、エラストの耳元でささやくように言うのだった。
「別に露見しても構わないのよ。ここで私に逆らうって事は争奪戦から強制退場させられるのと同じ。それに、私もこの程度で満足なんてしていられないわ。私の実力はエイムハイマーでも高く評価されてる。いずれは、これ以上の力を手に入れるわ。それに、誰もが分っている事じゃない。ここでの実権は私にある、怪童は所詮、象徴に過ぎないって。そんな私に誰が逆らう事が出来るのかしらね」
「私が言いたいのは」
「分っているわ。だからこそ、誰も入って来れない、ここで、そんな話を始めたのでしょ。確かに、下からの信頼を失えば組織を上手く機能させる事は出来ないわ。だからこそ、私は本心を隠しているんじゃない。私の心を見抜いているのはエラストぐらいなものよ。それに、サンカミュー、あなたも少しは分っているでしょ」
そんな言葉を口にしてエラストから離れた垂氷は、その場で振り返り、サンカミューに顔を向けるが……二人とも言葉を無くしてしまった。そして状況だけを口にするのだった。
「……寝てるわね」
「はい……寝てますね」
湯船に浸かりながらも頭を揺らしているサンカミュー。そして、器用な事に顔には絶対にお湯が付かないように、お湯が近づくと必ず反対方向に頭を揺らしているのだった。
「……随分と器用ね」
「……はぁ」
垂氷の言葉に続いて溜息を付くエラスト。さすがに、先程まで真面目な話をしたいただけに、ここで、こんな形で話の腰を折られるとは思っていなかった。それだけにエラストは呆れるしかない、と言ったところだろう。
そして、そんなサンカミューを見た垂氷は立ち上がると、そのままサンカミューに近づいていくのだった。そして垂氷はサンカミューを抱き上げるとエラストに向かって話し掛ける。
「じゃあ、私はサンカミューを連れて先にあがるわ。後はお願いね」
「はい、あまりサンカミューに悪戯をしないでくださいね」
「さあ、それは私の気分とサンカミューの態度次第ね」
そんな言葉を残し、少し笑いながら湯船を後にする垂氷。そんな垂氷を見送ると、エラストは少し疲れたように溜息を付くと湯船に深く浸かるのだった。そして垂氷の事を考えるエラストだった。
確かに、あの方の考えが二人に伝わっても問題は無い。紅鳶は単純だから簡単に納得させる事が出来るし、銀翠も論理的に説明すれば簡単に納得する。つまり、あの方の考えは、いつも正しいと認識させられる。だからこそ、今では日本支部で実権を握るまでになった。けど……エイムハイマーがどこまで、あの方を認めているなんて事は分からない。あの方は、相当自信があるみたいだけど……下手をしたら切り捨てられるかもしれない。
そんな事を考えたエラストは立ち上がると湯船に腰を掛ける。さすがに今までお湯に浸かっていただけに、少しだけのぼせたのだろう。だからこそ、少しだけ身体を冷ますために上半身だけをお湯から上げたようだ。それでもエラストの思考は続くのだった。
何にしても、今回の任務、最終的には成功させなければいけない。そのために私がやる事、あの方を支える、やるべき事をやる、それだけね。それに、少しでも功績があれば……エイムハイマーの見方も変わってくる。そのために、私は私がやる事をやるだけね……なにしろ……あの方が持っている本質は……。だからこそ、私とサンカミューは、あの方の傍に居る。あの方が持っている……冷たさの本質を知っているから。だからこそ、私はあの方を支える。せめて……。
何かを決意した瞳になるエラスト。そんなエラストが再び、湯船に身を沈めると、今度はすぐに上がり、そのまま風呂を後にするのだった。
垂氷の思惑が何処にあろうとも、明日の決戦は激戦になる事は決まっている。そして、垂氷達は、その戦いで最善の結果を出さないといけない。そう、全ては垂氷が言ったように、最後に勝つために。その為に、いや、垂氷の本心が分からなくとも、全員が明日の決戦では死力を尽くさないといけない事は確かな事だ。
それぞれの思惑、それぞれの決意がありながらも、明日を迎えるために今は夜の暗闇に包まれながら、明日を待つのだった。
はい、そんな訳で、最後は垂氷達のお風呂シーンで締めさせてもらった本編ですねっ!!!! まあ、たまにはやろうかと思って、サービス、サービスっ! なのですよっ!!
……まあ、それはそれとしておいて、何か、いろいろとややこしくなってますね~。まあ、それが猛進跋扈編の特長とも言えますが……まあ、たまには、こういうのも良いかな~、とか思っている次第でございます。
さてさて、次回ですが……再び視点が昇に戻ります。まあ、昇も考える事が多いって事でしょうね~。……ん~、というか、最近では昇の方でサービスシーンが少なくなっているような気がする。まあ、挿絵が入るワケではないですからね~。その辺は脳内補完でお願いします(笑)
といか、垂氷達は百合っすよ、百合っ!!!! これはこれで、来るものがあるかと思うんですけどっ!!!! ……えっと、エレメは健全なファンタジー小説であり、さすがに超えてはいけない一線を越える事はできません、あしからず。
という事で、その辺は脳内補完と個人の度量で何とかしておいてくださいな(笑)
……ψ( ̄ω ̄)ψ 荒ぶるほむほむポーズっ!!!! ……はい、相変わらず意味はありません、とりあえず、やってみたかっただけです。まあ、ネタ的には、少し古いですけどね(笑) いやね、なんとなく、まどかを見たくなって、そしたらほむほむポーズなるキーワードに行き着いたわけですよ、これが。そんな訳で、まどかの最終回を改めて見て、確認してきましたよ、これが(笑)
……まあ、どうでも良い話ですね(笑)
さてさて、そろそろ長くなってきたので、締めますか。
ではでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。更に評価感想もお待ちしております。
以上、何となく、エレメをアルファポリスさんのwebコンテンツに登録をしてみた葵夢幻でした~。という事で、エレメで読んでくださっている方は、是非とも投票をお願いします~。