第百四十七話 命の炎を燃やし
昇さんも知っているように、私は先天性の盲目で視力を生まれた時から失っていた。そんな私を育てる事は自分達では難しい、そう言って私のお父さんとお母さんは私を専門の施設に預ける事になった。後で聞いた話だけど、お父さんもお母さんも最初は、こんな私を育てるつもりだったけど、周りが大反対したから、私は施設に預けられた。そんな話を私が成長してから、私の世話をしてくれてた人から聞いたの。
でも、その時の私には、そんな事はどうでもよかった。どんな経緯であれ、私がお父さんとお母さんから離れて暮らしているのは事実だし。辛いからという理由でお父さんとお母さんは一度も私に会いに来なかったのも確かだったから。だから私は家族というものを知らないで、ずっと施設で生きてきた。
確かに、施設の人は優しくしてくれたし、学校にも行かせてくれた。でも……分からなかった。何で私がここに居るのか、なんで……私の目は見えないのか。その所為で私は学校ではいじめの対象となった事があるから、私はずっと目を閉じる訓練をして、ずっと目を閉じられる事が出来た。だからと言って、何かが変わったワケじゃない。ただ生きてる、無為な日々がずっと続くだけだった。
今になって思うんだけど。あの時の私は生きるという事に目的も意味も見出せなかったんだと思うよ。何か目標があったワケじゃない、何かが私の心を打ちはしない、だから、何処に目指して歩いていけば良いのかが分からなかっただけだと思うよ。だから、分からなくなったの、自分が……生きているのか、死んでいるのかが。
ふふっ、今になって思えば、おかしな話だよね。その時の私はしっかりと生きてた。けど、生きるための、生きていくための、目指すべき場所が私にはまったく分からなかった。もしかしたら、その時に一生懸命に探せば、何かが見つけられたかもしれない。でも……その時の私は何をしたいのかも、何をやればいいのかも、分ってなかったから。だから……ただ何もしない、何も無い、そんな日常を重ねて行ったの。
そんな私でも、ちょっとだけ興味を持った事があるの。それが精霊の存在。アルビータと出会う前は、それが精霊だなんて分からなかった。ただ他の人とは違う、何か別な存在が居る事は私には分かった。だから、その事を話してみた事もあるけど、私の話を聞いても困らせるだけだった。だから私は自然と、その事は話してはいけない事だと思うようになったの。
ここだけの話し、最初は幽霊とか妖怪とか、そんなものが私には感じてるんだと思ってた。だから私には霊感があるんだな~って、そんな風に思ってたの。でも……アルビータとの出会いが全てを私に教えてくれた。
あのね、アルビータも精霊だけど、他の精霊とは違ってるんだよ。なんていうか、他の精霊よりも感じ辛くてね、希薄って言うのかな? 他の精霊よりは透明に感じてたの。だからかな、私はアルビータの存在を感じて、私とアルビータだけの二人っきりになる時を待ったの。アルビータも私がアルビータの方を気にしていたように見えたから、ずっと私の近くに居たんだって。そして……私はアルビータと出会った。今でも忘れない、満月が照らす暗い部屋で、私はアルビータに向かって話しかけたの。
「そこに居るのは誰? 人間……じゃないのかな?」
アルビータが人とは違う事は分ってた、他の人は何かが違うという感覚があったから。だから最初は、そんな風にアルビータに話し掛けたの。アルビータが言うには、私に話しかけられて思いっきり驚いたって、アルビータは精霊にも認識できない存在だったから。誰もアルビータの事を感じる事も見る事も出来なかったから。そんな自分に私が普通に話しかけてきたから、凄く驚いたんだって。
そしてね、アルビータが返事をするまで私はずっとアルビータに向かって話し続けたの。
「えっと……幽霊? 普通の人じゃない事は分かるんだけど、なんていうか、あなたは特別な存在だという事は分かるよ。どんな風にと言われると困るけど、でも……私はあなたをしっかりと感じる事が出来る。それは確かだよ。だから、あなたの事も教えて欲しいかな……あっ、無理だったら無理って言っても大丈夫だよ。別に気にしないから……でも……あなたの事を教えてもらえたら嬉しいかな」
「貴方には……私が見えるのですか?」
やっと返事をしてくれたアルビータの第一声をそれだよ。こっちは沢山話しかけたのに、最初はたったそれだけだった。でも……何だか知らないけど、凄く嬉しくなって、いつの間にか私は笑みを浮かべながら話してたんだって。だから私は言ってやったの。
「見えてはないよ、だって、私の目は見えないんだもんっ! でも、あなたを感じる事は出来るよ。それよりもっ! さっきから私がずっと聞いてるのに何も答えてくれないの? 少しぐらいはお話したいと思ってたんだよっ!」
そう言うとね、アルビータは申し訳なさそうな声で答えてきたんだ。
「それは、何と言うか……申し訳ありません。まさか、私の事が分かる人間が居るとは思っては居なかったので、その……つい」
「人間……って言ったからには、あなたは人間じゃないの?」
「はい、私は命の精霊です」
「せい、れい?」
「はい、人とは違い。自然や物理、論理から生まれてくる象徴であり、具現化した存在を精霊と言うのです」
「……えっと?」
「簡単に言えば、人間には見えない隣接世界に居る存在ですね」
「……んっ?」
アルビータったら、最初から難しい事ばかり言うから、私には何も分からなかったんだよ。それでも、アルビータは精霊が、どんな存在かを私に向かって、一生懸命に伝えようとして、いろいろと焦ってたっけ。そんな事をやって、やっと私は精霊という存在を知る事が出来たの。
「そっか~、他の人とは違う、何か別な人の気配には気付いていたんだけど。その人達は幽霊じゃなくて精霊なんだね」
「他の気配にも気付いてた? ……なるほど、貴方は精霊感知能力者なのですね」
「精霊かん、ち……んっ?」
「精霊感知能力者です。つまり、あなたは契約に関わらず、精霊の存在を感知する、つまり感じる事が出来るんです。それは契約を交わした精霊も同じでしょう。全ての精霊を感じ、その力までをも見抜く事が出来る能力。それが精霊感知能力者なのです」
「へぇ~、っで?」
「で、とは?」
「その精霊感知能力だっけか、それって凄いの?」
「そうですね。かなりの確立で精霊感知能力を持っている人間が出るのは低いですね。だから凄いと言えば凄いですけど、争奪戦に参加しない限りは、あまり意味の無い能力とも言えます」
今に思えばアルビータも酷い事を言ってるよね~。それだと私の力が意味の無い、能無しと聞こえるんだもん。でも、それを皮切りにアルビータとの会話は争奪戦についての話になって、アルビータは争奪戦についても、自分の能力についても話してくれたんだよ。
聞いた時は自分とは遠い世界の話だと思ったけど、改めてアルビータを感じて思ったの。もしかしたら、この力は、その戦いで使うためにあるのかもしれないって。そう思ったら、急に今までの日々が、この日のための準備期間に思えてきたの。だから私は思い切って言ったの、私も争奪戦に参加したいって。その途端にアルビータが困っていた事が分かったの。
だから、私は戸惑うアルビータに理由を聞いたの。そうしたら、アルビータは以前に争奪戦に参加して、自分と契約をした契約者達について話してくれたのね。アルビータと契約をした人は、二人とも最後には狂ったように自分の命を永らえるために人の命を奪ってきたんだって。だからアルビータは争奪戦に参加したくないって言ったの。
そうだよね、確かに命の強奪を使えば自分の寿命を限りなく永らえる事が出来る。死を目前としたら、誰だって命の強奪を使っちゃうよね。でも……私は命の強奪よりも、別の能力に魅力を感じたの。
そう、それが……命の活性。その力を使えば、もしかしたら目が見える事が出来るかもしれない。自分自身の身体能力を限りなく上げて、尚且つ、修復する能力、それが命の活性。だから私はアルビータに言ったんだよ。
「私は絶対に人の命が無くなるまで奪わない。そんな事をするぐらいなら、私は命の強奪なんて使わない。私が争奪戦に参加したいって言ったのはね。生きたいからだよ」
そんな私の言葉を聞いてアルビータは思いっきり困ってったっけ。それから私が思っていた事を、胸の内に秘めていた事を全てアルビータに話したの。今までの私は死んでいるのと同じ、生きる目標も意味も見出せずに、ただただ人の世話になりながら無為な日々を過ごしてる。生きているという事に対して何もしない、何も出来ない、それは死んでるのと同じだって。そう言ったの。
こうして、自分の命が尽き掛けている今でも、私は、その時に言った言葉を後悔したり、言わなければよかったとか思ってないよ。ううん、その時に、その事が言えてよかったと今でも思ってる。私にとっての生きるとは……そういう意味だと思うから。
そうしたらね、アルビータは逆の事を言って来たんだよ。
「私は……死にたい。けど、ただ死ぬのは嫌です。たった一度で良い、命の炎を燃やして、全力で戦い、その戦いの中で死にたいのです。命の精霊として隔離され、ただ精霊世界と人間世界を見詰めるだけの毎日。ただ、河の流れように過ぎていく日々。そんな日々を送るぐらいなら、私は命の炎を燃やし、命尽きるまで戦っていたい。それが精霊として生み出された自分の本分だと思うからです」
その言葉を聞いて、ちょっとカッコイイとも思ったけど同時に私とアルビータは似ていると思ったんだよ。私もアルビータも存在しているけど、生きている上で目標も意味も、そして道標すら無かった。ただ……存在しているだけの日々を、無為な日々を河が流れるように過ごしてきた。
だからアルビータの言葉を聞いた時に同じ思いを持ってると思ったし、そんなアルビータの考えにカッコイイと思ったの。だって、命の炎を燃やして生きる。その言葉だけでもカッコイイよね~。だから私も、そうしたいと思ったの。
このまま、河の流れのように、ただ流れる日々を送るんじゃなくて、命の炎を燃やして、命尽きるまで何かをしたい。そんな事を思っちゃったの。だからこそ、今まで胸の内に秘めてきた思いをアルビータに伝えたの。
「なら、私も……命の炎を燃やして、自分が望んでいる事、自分が居る世界を、この目で見たい。そのためなら、私は命の炎が燃え尽きるまで生きたい。たとえ戦いの運命を受けれても、私は……世界を見てみたい。自分が存在している世界を見たい。そのために命を差し出せというなら、私は差し出すよ。その思いが有ったからこそ、私は今まで生きてきたんだから。だから、今度は命の炎を燃やし、命尽きるまで生きるよ。だから……アルビータさん、私と……契約を」
どうしても……無理だと分かっていても、その思いだけは捨てる事が出来なかった。自分の目で自分が居る世界を見る。それが出来るのなら、私は争奪戦の運命を受け入れて、戦う運命を受け入れて。その場所で命の炎を燃やし続け、最後には諦めていた事さえもやってみたい。そんな風に思ったの。それこそが……今まで胸に秘めてきた思いだったから。
私の言葉を聞いて、アルビータも感じるものが有ったんだって。そして、アルビータも私と同じ事を思ってくれた。私達は……似てると。だからかな、私が契約を口にするとアルビータが黙り込んだ後、金色に染まった世界を目にしたのは。
最初は何だか分からなかったけど、それはアルビータが私を受け入れてくれた証拠だと、アルビータの言葉で分かったの。そう、そこは契約結界の中。いわゆる特殊な空間、それにアルビータは命の精霊だから、私の死んだ目に命を吹き込む事が出来た。そして……私は初めて自分の目で、私を受け入れてくれた人を、ううん、精霊を瞳に映した。
最初はびっくりしちゃったよ。大きい気配はしていたけど、アルビータは想像していたのよりも大きくって、そして強そうだったから。私がアルビータを見て驚いているうちに、アルビータは契約の事、そして、これからの事を話してくれた。そして最後に私に向かって聞いてきたの。
「貴方は……戦いの運命を受け入れてまで、自分の命を削ってまで、私と契約する事を望みますか? 契約を交わしたら最後、貴方は命尽きるまで戦いに身を置かなければいけません。その覚悟はありますか?」
要するに、契約を交わしたら後戻りは出来ない。死という終焉が訪れるまで、私は戦いの中に身を置き、その中で自分が望んだ事を叶えるんだと分かったの。命の炎を燃やし、その炎が消え去るまで……。
けど、アルビータから、そう言われても、私はまったくちゅうちょはしなかった。だから、すぐにアルビータに返事をする事が出来たよ。
「あるよ。この先に、どんな戦いが待っていようと。私は命の炎を燃やし、命の限り生きる事を選びたい。人の一生分だけの時間は生きられないけど、人の一生分に値する命の炎を燃やす事を誓うよ。だから、私に世界を見せて、どんな世界でも良い、自分自身が居た世界を見たいの。そのためなら、アルビータさん、私の命……その全てを預けますから、燃え尽きるまで命の炎を燃やしてください」
あははっ、そんな事を言っちゃった。でも、その誓いは今になっても変わらないよ。私は人の命を奪わない。だから自分の命を削り、削った命の炎を燃やして、最後まで生きていたい。その時間が短くても、私は人の命を奪う事よりも自分の命を燃やす事を選んだ。その選択は今でも間違ってるとは思ってない。だって……私が最初で最後に自分の意思で、自分の生き方を決めたんだから。
そんな事を言ったら、アルビータは私に跪いて、はっきりと言って来たの。
「分かりました。ならば、これからは私の命を貴方に預け、貴方を主として仕えさせてもらいます。そして……貴方の命が尽きた時、その時が私の命が尽きる時です。それが私達の、ただ流れる河の終焉、私達の終末です。河の流れが、いつかは大海に出るように、私達の日々も、大海に帰する日が来るでしょう。それまでは、私も命の炎を燃やし、貴方と共に戦いたいと思います。それでは、契約を行います」
「うん、分かったよ。一人だと寂しいけど、二人でなら一緒に終焉を迎えても寂しくはないよね。だったら、ううん、だから、良いよ。これからは、お互いに命の炎を燃やして生きて行こう」
「はっ」
それからビックリしちゃったよ。いきなりアルビータの胸から光り輝く玉が出てくると、それが私の胸の中に入っちゃったんだもん。そして、アルビータが完全契約が完了したって言って来たからワケが分からなかったよ。
「完全、けいや、く?」
「はい、私の、精霊の核となっている部分を契約者に預け、完全な力を引き出す契約の事を完全契約というのです。ですが、この契約は完全な力を引き出す代わりに自らの命を契約者と共にしなければいけないのです。つまり、先程、貴方の中に入っていったのが私の核は貴方の命に同化し、貴方が死ねば、私も死ぬのです。争奪戦で死を望む精霊が、最後の主とする契約でもあります」
「えっと……つまり、私が死ねば、アルビータさんも死ぬって事?」
「はい、それから、私の事はアルビータとお呼び下さい。既に契約は成立し、今では貴方が私の主となっているのです。ですから、私への気遣いは無用です」
とか言ってもね~。いきなりだったから、正直、思いっきり困っちゃったよ。いきなり僕のように扱えと言われても困るよね。だから、最初は、なんとかアルビータって呼ぶ事は出来たけど、結構なほどに気を使ってたよ。
それからアルビータは契約についてもいろいろな仕方があると教えてくれたの。でも、私達の目的は共に終焉を迎える事。だからアルビータは私に命を預け、私もアルビータに命を預けてるの。運命共同体ってやつだよね、これ。あははっ、お互いに命を預けあってるんだもんね。アルビータは完全契約で、私は命の提供で、お互いの命を預けあってる。
なんて言うかね、上手く言葉に出来ないんだけど……なんか、嬉しかった。お父さんとお母さんに見捨てられ、施設の人とも馴染む事が出来なかった私だけど、初めて心を許せる相手に出会ったんだな。って、そんな風な事を思ったの。
それから、アルビータは契約結界を解くと、そこには私が今まで暮らしていた部屋が私の瞳に映ったの。凄く……殺風景だった。部屋には最低限の物しかなく、それ以外の物は何も無くて、余計な物は何も無い。そんな暗い部屋を月明かりだけが照らしていた。まるで……今までの自分を見ているような部屋だった。
そしたら、アルビータが施設を脱出するから急いで荷物をまとめるように言って来たの。目が見えているのは契約の影響が続いてるからだって、時間が経てば、また私の目は見えなくなるって言って来たの。正直、ちょっと残念だったけど、それ以上に楽しみだった。だって、やっと世界を見る事が出来るんだよ。今までは絶対に見えないと言われてた、私の目に光を映す事が出来るんだよ。だから、アルビータに急かされて、私は急いで荷物をまとめたの。
けど、私の荷物と言っても着替えだけだったからね。あっ、後はいつも使ってるステッキか。それをまとめると、私も着替えて。準備を終えた私をアルビータは簡単に肩の上に乗せると、そのまま、窓から跳び出したの。なんか、凄かった。初めて見た光景で、いきなり絶叫マシーンのような体験をしたんだもの。
それから施設を脱出すると、アルビータが言った通りに私の目は再び見えなくなったの。まあ、残念だけど、これから起こる戦いの中で私は世界を見るんだから良いっかって思っちゃった。
だから私はいつものようにステッキを片手に持つと、もう片方の手をアルビータが握ってくれたの。確かに、今までは施設の人がそうしてくれた事も充分過ぎるほどにあるよ。けど、私の手を握ってくれたアルビータの手はとっても大きくて、そして暖かかった。だから感じたの、私達は、もう同じなんだなって。
う~ん、なんていうかね。手の温もりと自分の中にあるアルビータの命が暖かく感じて、凄く心地が良かった。まあ、さすがに、こんな事はアルビータには言えなかったけどね。それからアルビータと共に夜の間に施設を抜け出して、すぐに街から離れたの。
もっとも、私は途中で寝ちゃったから、分らなかったけど。アルビータが私を背負って、なるべく施設から遠くに移動したみたい。まあ、朝になって騒がれて、私を探すだろうし。その時に見付かったら大変だから。アルビータは一晩中、私を背負って、移動して、私が起きた時には、知らないホテルだった。まあ、それはアルビータが教えてくれたんだけどね。
そこからは戦いの連続だったかな。最初は戸惑う事が多かったけど、契約を交わした時から命の提供、命の活性、命の強奪についての知識は既にあったからね。だから最初の戦いでも命の活性を使って、動き回って、敵の攻撃をかわしながら、私は世界を目にしていた。
戦いの中で見る世界。それは、自分でも思っていた物よりも色鮮やかで、凄く綺麗だったり、凄いとしか言い様がなかったり、そんな世界を目にしてきた。空が凄く高くて、白い雲がゆっくりと移動して、海は凄く広くて、夕焼けは凄く綺麗だった。私は戦いの中で、そんな世界を目にしてきたの。
それに……人にもいろいろな人が居るんだなって思ったよ。目が見えない時、一人で居る私に意地悪して来る人も居たし、そんな時はいつもアルビータに守ってもらっていたよ。それに、昇さんのように優しい人にも出会った。そして……敵として戦った人にも出会ってきた。そんな、いろいろな出会いがって、時には優しい人でも契約者なら敵として戦った事もあった。
でも……後悔はしてないよ。だって、それは私が望んだ事だし、私が決めた事だから。だから後悔なんてしない。敵として倒した優しい人にも悪いとは思ったけど、戦いだからしょうがないと思った。けど、相手を倒しても、相手の命までは決して奪わなかった。まあ、いつも命の提供で削った分のほんの少し、相手が数日ほど寝込むぐらいしか命を奪わなかった。そんな戦いを続けてきたんだから、私の命がそろそろ尽きても当たり前の事だよね。でも……後悔はしてない。
けど……後はちょっとだけ我が侭を言いたいだけかな。
さすがに語り疲れたのだろう。春澄は身体を預けている昇に更に寄り掛かった。昇は、そんな春澄に用意してあった、ペットボトルのジュースを渡すと、春澄は昇に弱弱しい微笑を向けて、蓋が開けてあるペットボトルを手にすると、ゆっくりとジュースを口にするのだった。
そんな春澄の姿を見て、昇は改めて思った。やはり、先程の話には昇に確信に思うほどに、強い力があったようだ。だからこそ、昇は春澄の温もりを確かめるように春澄を抱き直すと、春澄が話してくれた話について考えるのだった。
やっぱり……今の僕だと、ううん、誰も春澄ちゃんの意思と運命は変えられない、変えられる訳が無いんだ。春澄ちゃんは自分の命を削ってまで、自分がやりたいと思ってきた事を実行したに過ぎない。それは、普通に生きている人には分からない、普通じゃないからこそ出来た、運命の選択だったんだ。誰しも自由に生きる事なんて出来ないんだ。たとえ自由だと選んだ道でも、やっぱり制約があって、本当の自由じゃない。必ずしも、何かを選んだのなら代価を支払わないといけない。それが世界のルールだからかな。
等価交換、とは言わない。それは手にした物と支払った物が必ずしも等価とは限らないからだ。時には支払う代価が多く、手にする物は少ないだろう。春澄はそんな代価にしては大きすぎるものを払っているのだと昇は思ったのだろう。
それはそうだ、目が見える、それは多くの人にとっては普通の事だろう。だが、春澄にはどうする事も出来ない、変えたくても変えることが出来ないものだった。けど、春澄とアルビータが出会った事で、その変えたくても変えることが出来ないものを変える事が出来る。それはとても魅力的で、春澄にとっては今まで胸に秘めていた願いだったのだから。その代価に……自分の命を差し出してもである。
そして春澄は、その運命を自らの意思で受け入れた。目が見える、多くの人にとっては普通の事に、春澄は自分の命までを差し出して、制限付きで目が見えるようにしたのだ。それは、明らかに……代価としては大き過ぎるものだろう。多くの人、大多数の人が普通にしている事、普通になっている事を手に入れるために、春澄は自らの命を代価に、その普通を手に入れようとしたのだ。そんな春澄の意思を、誰が変えられるというのだろう。
たぶん、そんな春澄の意思を一番に分っているのがアルビータなのだろう。だからこそ、アルビータは春澄を最後の主として完全契約をしたのだ。春澄なら、以前の契約者みたいな事はしないと確信したのだろう。それはアルビータも自分と同じと思った事もあるのだろう。
二人とも、自分で作ったのか、はたまた、自然に出来たのかは分からない。ただ、共通して言えるのは、二人とも世界とは関われない壁があり、その壁を越える事は出来ないと思って日々を過ごしてきたのだ。だから見るだけ、感じるだけの世界を横目に、二人とも何も無い日々を、ただ河の流れのように過ごして行ったのだ。
そんな二人がお互いに見出した希望が、今の運命なのだろう。それは二人とも自らの意思で決めた運命であり、二人とも、その運命を受け入れた。だから今になっては誰かの言葉や行動で変える事は出来はしない。なにしろ……既に運命は終端を迎えようとしているのだから。
そんな運命だからこそ、昇には何も出来ない。ただ、こうやって春澄の傍に居る事しか出来ないのだ……。
だが、昇はまだ諦めたワケではなかった。運命は変える事は出来ないけど、春澄が望む事、燃え尽きようとしている春澄のわずかな命。その命が終わりを迎える前に自分に出来る事を必死になって思考を巡らし、何が出来るかを考えていたのだ。
だが、春澄の運命は終端を迎えようとしている。つまり、もう時間は少ないと言えるだろう。そんな少ない時間で自分に出来る事を昇は見出す事は出来て無い。だから、もう形振りに構ってはいられないだろう。昇は春澄が最後に言った言葉が、最後の希望だと信じて春澄に話しかけるのだった。
「ねえ、春澄ちゃん」
「んっ」
昇の腕に抱かれて、ちょっと気だるそうに顔を上げる春澄。それだけでも、最終局面へと入った戦いの中で、アルビータが命の提供を使っている事を示しているのだろう。だから、昇には春澄が弱弱しく見えたが、それでも、昇はいつものように、心配という本音を表に出さないように話を続けるのだった。
「最後に言ってた我が侭って何? 僕に出来る事なら、してあげるよ」
そんな昇の言葉に春澄は弱弱しくも微笑むと、口元に少しだけ意地悪な笑みを浮かべて昇に言うのだった。
「うん、昇さん……だったら、良いかな。私がやりたくても絶対にやれない事。その真似事だけでも良いから、やりたいかな」
「真似事って、僕は春澄ちゃんがして欲しい事なら、なんでもするつもりだよ」
「なら結婚して」
「……へっ?」
あまりにも予想外な言葉に昇は気の抜けた返事をしてしまった。そんな昇が面白かったのだろう。春澄は静かに笑うと、再び昇の肩に頭を預け、身体も昇に寄り掛かるように預けながら言うのだった。
「ほら、無理でしょ。だから真似事だけって言ったの」
そして静かに笑う春澄。もう元気に笑うだけの力は残されていない証拠だろう。それでも、春澄は楽しそうに笑い、戸惑っている昇に対して言うのだった。
「だって、女の幸せは結婚って言うでしょ。だから、大好きな人と結婚して、普通の暮らしをしたかったかな」
「春澄ちゃん……」
昇はそれ以上の事は言えなかった。それは春澄が、普通の暮らし、と言ったからである。普通なら幸せな暮らしと言っても良いだろう。それぐらい、少女が結婚に憧れても不思議ではない年齢の春澄である。そんな春澄が幸せ、ではなく、普通と言ったのだ。それだけでも、春澄が見てきた普通が、どれかけ幸せなのかを昇は改めて感じるのだった。
だから昇には春澄が言った言葉の重みが充分すぎるほど分かった。だからこそである、昇も安請け合いで返事を返す事が出来なかった。春澄が最後に望んだ我が侭、それが結婚である。自分の命を削り、命の炎を燃やして戦ってきた春澄が最後に望んだ事である。そう、簡単に安請け合いの返事をしても春澄は決して喜ばないだろう。それが分っているからこそ、昇はすぐに返事が出来なかったのである。
それでも、昇としては、その望みを叶えてやりたかった。それが絶対に出来ない事でも、少しぐらいなら出来るから、そう信じて昇は春澄に向かって言うのである。
「じゃあ、真似事だけでも良いから、結婚してみる?」
そんな言葉を春澄に返す昇。だが、その途端、春澄は呆れた視線を昇に向けて、昇の腕に抱かれながらも身体を起こすと、今度は昇に背を向けて寄り掛かってきたのである。それだけでも、昇の言葉が春澄を不機嫌にさせた事は昇でも分かる事だ。だが、その原因が何なのかまでは、やっぱり分からない昇だった。
そんな昇が戸惑いながらも春澄を呼ぶのである。
「えっと、春澄ちゃん」
「何ですか?」
「……僕は何か悪い事を言いました?」
そんな昇の言葉を聞いて、春澄は大げさに溜息を付いて見せるが、やっぱり弱弱しく、命が尽き掛けている事を示していた。それでも二人とも、そんな事を表に出さずに会話を続けるのである。
「言った、凄く言った。そんなんだから、昇さんは周りから朴念仁と言われるんだよ。もうちょっと雰囲気を考えて欲しいな」
「えっと、雰囲気?」
「そうだよ、真似事でも結婚だよ。もうちょっと、こう、ロマンチックな雰囲気を出して欲しいな。それなのに普通に、結婚してみる? とか言われても全然ロマンチックじゃないよ。結婚だよ、女の子にとっては最大限の幸せだよ。それを一言で聞くなんて、まったく雰囲気が出て無いよ。私が最後に望んだ我が侭なんだよ。そこは雰囲気を出してプロポーズして欲しいな」
春澄の言葉に苦笑いを浮かべる昇。やはり、女の子に対しての配慮が足りない、というか、まったく思いつかない所は昇らしいと言えるだろう。だから昇は苦笑いを浮かべるしかなかったのだが、すぐに気分を入れ替える。すると昇は寄り掛かって来ている春澄の体を起こすと、かなり大胆な行動に出た。
昇は春澄の背中を片手で支えながら、もう片方の手を足の下に入れて、春澄を抱き上げたのである。いわゆるお姫様抱っこだ。そして、そのまま春澄を自分の膝に座らせるのだった。
昇の言葉に文句を言った春澄だが、まさか、すぐに昇がここまで大胆な行動に出るとは思っていなかったようで、春澄の顔は真っ赤になっている。それでも、昇の膝に座り、優しく抱きしめてくる昇の胸に手を当てて、自分の心臓がもの凄い音を立てているのを聞き、早く脈を打っているのを感じたのだった。
それから昇は春澄の顔に優しく手を当てて、春澄を自分の方に向けさせると、ゆっくりと、一言一言大切に、心を込めて言うのである。
「傷付けちゃったみたいで、ごめん。でも、これからは普通なんかじゃない、思いっきり幸せにしてあげるよ。まだまだ、春澄ちゃんを好きになれるから、心から愛する事が出来るから、だから、ずっと傍に居て欲しい。これからも、ずっと……好きでいたいから」
「私……目が見えないよ。だから、昇さんに凄く迷惑を掛けるし、ただの足手まといだよ。それでも……私が傍に居て良いの? こんな私でも、好きでいてくれる?」
「もちろん、好きが大好きになるまで、傍に居て欲しい。それに、春澄ちゃんの事は絶対に迷惑とか足手まといとか思わないよ。だって……好きな人が傍に居てくれるだけで幸せなんだから。だから、これからも好きでいさせてね。大好きになっても、もっと、好きになれるように、ずっと傍に居させてほしいな」
「うん、ありがとう。私も……昇さん事が好きだし、これから大好きになりたいな。だから……ずっと一緒に。そして、これからも……」
それだけ言うと春澄は静かに瞳を閉じる。そんな春澄を抱き寄せ、更に抱きしめ、お互いの顔が近づく。そして、ゆっくりと二人の唇は重なるのだった。
暖かく、柔らかい春澄の唇を感じる昇。今だけはと、昇は頭の中を春澄でいっぱいにして、春澄の事だけを思えるようにした。だからこそ、昇は優しくキスが出来たのだ。今だけは春澄の事だけしか思っていないから。
それから昇は少しだけ名残惜しさを感じながらも、ゆっくりと唇を離して行く。このまま何度でも、そんな思いが昇の中に生まれてくるが、昇はそんな思いを抑え込み、ゆっくりと春澄から離れていくのだった。
それでも、お互いの顔が目の前にあるところで昇の動きは止まり、春澄は思いっきり顔を昇の胸に押し当てている。そんな春澄を見て、昇は微笑みながら言うのだった。
「う~ん、僕としては、もう少し春澄ちゃんの顔を見てたいな」
少しだけ意地悪をしていると昇は感じながらも、楽しさを隠す事無く、そんな言葉を口にする。それを聞いた春澄はますます昇の顔が見えないようにしてしまった。そんな春澄を優しく見詰め、抱きしめている腕を緩めると昇は春澄の返事を待つ。と、小さくではあるが、春澄の声が昇の耳に入って来た。
「言い出したのは……私だけど、なにも……ここまで」
そんな春澄の言葉に昇は自分が意地悪だなと感じながらも言わずにはいられなかった。
「でも、春澄ちゃんの言葉で僕は春澄ちゃんの事しか考えられなくなったよ。だから、今はずっと春澄ちゃんを見ていたいし、何度でもキスしたいかな」
「……………………ばか」
そんな声が聞こえると昇もさすがに軽く笑うのだった。そんな昇を顔を真っ赤にした春澄が見上げて、拗ねるような視線で見詰めてくる。そんな春澄を見た昇が思ってしまった。
うん、やっぱり春澄ちゃんは、こういう所が可愛いな。でも、なんか、そういう視線で見られるとね~、なんというか、あまり我慢が出来ないかな。
春澄は未だに拗ねているようであり、少しだけ恨みがましげに昇を見詰めてくるのだった。そんな春澄を見た昇は、もう一度だけ春澄を抱き寄せると不意打ちのキスをする。
またしても突然な事に春澄は驚くものの、すぐに昇を受け入れるかのように瞳を閉じて、後は昇に委ねるのだった。
春澄の身体が力を抜けた事を感じた昇は春澄から離れると、今度は春澄を包み込むように抱きしめるのだった。そして春澄はというと、さすがに二回目のキスで慣れたのだろう。昇を追い込むような事を口にするのだった。
「ん~、嬉しいんだけど、ちょっとだけ悪いと思っちゃったかな~」
そんな事を言って来た春澄の顔を昇は見ると、春澄がいつの間にか意地悪な笑みをしている事に気付いた。それでも、春澄の真意が汲み取れない昇は首を傾げるばかりだった。そんな昇を笑ってから春澄は言っちゃうのだった。
「こんなところをシエラさんや琴未さんに見られたかな~、とか思っちゃった。二人とも過激みたいだからね、後が凄い事になりそう」
「がはっ!」
うぅ、今、ここで、それを持ち出しますか。というか……言われると、本当に後が怖いんですけど、うぅ、さっきまで雰囲気とか言いながら、自分で雰囲気を壊さないでよね。そんな事を思ってしまった昇。だからだろう、昇はうな垂れてしまった。
そんな昇を春澄は笑うと、昇の顔に手を当ててきた。そのため、昇の顔は自然と春澄の方へと向けられた。そして春澄は顔を少し赤くしながら言う。
「でも、今だけは昇さんが私だけを見ていた事は嬉しかったよ」
「今更、そう言われても……さっきの言葉が胸に刺さって抜けないよ」
「ふふっ、それは、ごめんなさい。でも、嬉しかったのは本当だよ。それに……真似事とはいえ、あそこまでしてもらったんだから。もう我が侭は言えないかな」
そんな春澄の言葉を聞いて昇はやっと顔を上げると、優しく微笑みながら春澄に向かって言うのである。
「まだ時間はあるよ。だから、もう少しぐらい我が侭を言っても良いと思うよ」
昇の言葉を聞いた春澄が照れながらも微笑み、それから昇の胸に寄り掛かると、最後の我が侭を言うのであった。
「じゃあ、戦いが終わるまで、ずっと抱きしめてて欲しいかな。最後は……昇さんに抱かれて終焉を迎えたいから」
「うん、分かったよ」
悲しみ、苦しさ、どうにも出来ない事に対する悔しさ。そんな気持ちが昇の中に沸きあがってくるが、昇はそんな事をまったく顔に出す事無く、春澄を優しく、包み込むように抱きしめてあげるのだった。
今は……まだ……。そんな言葉で自分の気持ちを抑え込む昇。それでも、抑え込めない気持ちが少しだけ表に出たのだろう。昇はいつの間にかうな垂れていた。そんな昇の頬を春澄の手が優しく触れると昇は春澄を見詰める。すると春澄の頬には一筋の涙が流れていた。そして春澄は昇に抱かれながら言うのだった。
「ありがとう、昇さん」
その瞬間に昇も涙を流しそうになる。けど、そんな気持ちを抑え込むように、春澄をしっかりと抱きしめると、自分が泣いてないかを確かめる。そして、何とか涙が出ていない事を確認した昇は、やっと春澄の方を見ると、春澄の視線は昇ではなく、戦場に向いていた。だからこそ、昇は春澄の感触と温もりを感じながらも、最終局面となっている戦場へと、春澄と同じように目を向けるのであった。
戦いは激闘と言っても良いだろう。アルビータの一撃一撃は振るうだけで衝撃を発し、時には地面をも砕く。そんなアルビータの攻撃を何とか凌ぎながら、フレト達も数の差を活かして攻め立てる。
そんな激闘の中で昇ははっきりと目にするのである。アルビータの顔が満足な笑みを浮かべている事に。そんあアルビータの姿を見て、昇は安心する。そして、やはりフレトに任せてよかったと思うのだった。
そんな昇と春澄に見詰められながら、戦いの運命は終端へと向かって行くのである。
はい、そんな訳で、すっかり女たらしになった昇でした~(笑)
まあ、何と言うか、思いっきり大胆な行動に出まいしたね~、昇は。まあ、たまには強引なのも、ありという事でしょうかね。まあ、その辺は皆さんの状況判断にお任せします(笑)
さてさて、いよいよ百年快晴終末編も佳境に入ってまいりました~。予定ですと、残すは二話になりますね。残り二話で、いよいよ百年河清終末編が終わります……まあ、予定通りに行けばだけどね。
それに、言い返れば、まだ二話もある。うん、今年中に終わらせる事は無理だっ!! と、既に、その辺は諦めの境地に入っているワケですよ、これが。
いや、だって……ねぇ。今の更新ペースで残り二話を今月中に上げるのは無理ですっ!! というか、既に半分も無いよっ!! そんな限られた日数で上げられるかっ!! はい、無理です、けって~い。……えっと、何で私は丸太に縛られてるの、というか、この近づいてくる重低音は何っ!! えっ、戦車? 戦車なのかっ!! というか、砲台っ!! 砲台がこっちを向いてるってっ!!!! いや、無理っ!! さすがに砲撃を喰らっての復活は無理だってばっ!! というか、良く見たら一台じゃないしっ!! 複数の砲門がこっちに向いてるんですけどっ!!!! 無理っ! これは。
……作者集中砲火を浴びている途中です……
……作者、復活を諦めて再び細胞分裂中……
ふぅ~、さすがに細胞分裂からやり直すのはしんどいです。まあ、一つのDNAに体全部の情報が入ってると言いますからね~。だから、なんとか復活出来ました~。まあ、他の細胞が分裂して、何人もコピーが出来なかったのは幸いでしょうね。
……いつも思うんだけど……私……時々、何を書いてるんだろうと素に戻る時があるんだよね~。……というか、本当に何を書いてるんだろうか。もう、私にも意味不明です。
という事で長くなってきたので、そろそろ締めますね~。
ではでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。更に評価感想もお待ちしております。
以上、今回の終盤、その辺は恋愛小説的な表現が出来たかな~? と疑問に思いながらも、少しだけ満足している葵夢幻でした~。