番外編 母さまとのお話し 第三十三話内
僕は、母さまにお話しがあります。
母さまは部屋にいる様なので、ノックして呼びかけます。
「母さま、トキンです」
「トキン、いいわよ」
僕はお部屋へ入ります。
母さまはイスに座って本を読んでいます。
「トキン、どうしたの座って」
僕はにっこりして頷きます。
丸テーブルを挟んで、母さまの向かいに座ります。
「母さま、これを見て欲しいの。今さっき修復した結果なんだ」
羊皮紙にメモした鑑定結果を手渡します。
鑑定結果
「銅の短剣」
良品
【イヌワシの短剣】
体力+24
550,000ゴルド
「布の手袋」
良品
【溶岩の籠手コテ】
熱耐性 40%
680,000ゴルド
「毛皮の帽子」
良品
【渓谷ビーバーの帽子】
守り+25
580,000ゴルド
「それでね、僕これを卸売りしないでジーヤ達のプレゼントにしたら喜んでくれるかと思って」
「いいわね。でもトキンはどうして、そう思ったのかしら」
母さまはニコニコしながら聞いてきます。
「ニンジーノとお話ししてた時ね。そういえば、ここへは急な引越しで大変じゃなかった。って聞いたの」
母さまはニコニコしながら頷きます。
「そしたらね、時間は無かったけど嬉しいから早く出発したかった。って言ったの。どうしてって聞いたら、大勢の家人の中から五人だけ選ばれた。ジーヤに少数精鋭って言われたって。だから嬉しくって早く来たかってニコニコしながら言うんだ」
母さまもニコニコしながら続きを待ちます。
「そんなに名誉に思ってくれる事なら、記念に残る贈り物をしたらもっと喜んでくれると思って、母さまに聞こうと思ったの」
母さまは立ち上がり、僕の横に移動します。
しゃがみ込み僕をぎゅーと抱きしめます。
「トキンはなんて良い子に育ってくれたの。人が喜ぶ気持ちを大切に思えるのは素敵なことよ」
母さまの大きなお胸に挟まれて息が苦しいです。何を言ってるのかも頭に入ってこないです。
「かぁさま、ぐる、し、ぃ」
「トキン、どうしたの、しっかりして。えっ私のせい?」
しばらくして母子共に平静を取りもどし話は続きます。
「トキンがこの三つを見せてくれたのは、まずジーヤ、サーラ、ニンジーノの分を想定してるのかしら」
「うん。三人にぴったりの贈り物だと思って。でもまだ三つしか」
「大丈夫よ、エリザ達はフォローしておくわ。トキンも後から見つけてくれるつもりなんでしょ」
僕はにっこりで頷きます。
「じゃトキン、この三つは私が買取るわ。価値は全部で180万ちょっとだから、200万ゴルドでいいかしら」
「ん〜ん」
僕は首を横に降ります。
「そんなにいらないの。僕はその3つを再利用素材として3万ゴルドで買ったの。修復して価値は戻ったけど、本来は卸売りするの。だから価値の25%で買い上げて欲しいの。それでも充分な利益が出るから次の買取りもできる。これは僕のお仕事でもあるんだ」
「ふふふ、大貴族相手に随分と欲のない商人さんね。小さな商人さん、これから贔屓にさせて貰うわ」
ニコニコとにっこりで笑い合います。
「どうせなら三人をびっくりさせたいわね、ふふふ」
母さまが何かたくらんでいます。
「人は誰かを驚かそうとする時、知らずにそれが顔に出てしまうわ」
「そうなの」
「えぇ、そうよ。特にみんなは勘が鋭いわ。ジーヤは公爵家家令だったのよ。私とトキンの様子を見て何かあると勘づいてしまうわ」
「じゃ、どうすればいいの」
「別の話題を提供するの。みんなが注目する大きな話題よ。それも出来れば皆を巻き込んで。さあトキン、後は私に任せなさい。ふふふ」
お話は終わり二人は部屋を出ます。




