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GATE──少女が扉開くその先へ  作者: 祠乃@災厄の吸血姫
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初めての戦闘

「なんか見苦しいところ見せた気がする」

「いいよ、それに、君の泣き顔が見れたしね」

「わ、忘れろよ!」

「大丈夫、忘れないよ、私の中で大切にしまってあげる」

「うぐ…」


実際、俺は1時間ほどアートのところで泣いていた。 俺があれこれ愚痴やむちゃくちゃなことを言っても、賢人様は優しく聞いてくれた。


「そういえば魔物出てこないねー、ここ魔界の森なんでしょー?」ガサッ

「…………フラグ…?」

『グォォォォ』

「「!?!!!?」」


俺達は、その声数秒固まっていた。


「男、落ち着いて、こいつはただのゴブリンだよ」

「ただのって、俺は初めて見た訳だが!」

「大丈夫、今は指輪があるのだから、スラッシュ1発打っても、気絶しないわ」

「分かった」


俺は目の前のゴブリンを睨んだ、130cmと人間と比べて身長は低いほうだな。だが、手足が太く、1発食らったら骨の何本かは持っていかれそうだ。


『グガァァ』


低く叫び、ゴブリンは襲いかかってきた

俺はすぐに身構えた……だが、


「大丈夫だよ」


アートは俺の前に立ち、手をまっすぐに掲げた


「バリア」


すると、ゴブリンは不可視の壁に阻まれた。


『??』


と、ゴブリンは当たると思っていた攻撃が全く当たらず、突然の壁に驚いているように見えた。


「今だよ、ゴブリンのお腹の少し上を狙ってスラッシュを打って。そこを打てば、魔物のコアを壊せるから」

「コア?」

「うん、人間でいう、心臓みたいな物だよ」

「俺…人殺しとかしたことないぞ」

「大丈夫、ゴブリンは魔物。心配なら、私が手を添えてやろうか?」

「すまん、今回はお願い」

「では行くよ」


俺はスラッシュのモーションに入った。アートはすぐ横に来てくれて、俺の手首に手を添えてくれた。


「私は、あの魔物に魔法の照準を合わせるから、君は最大の威力が出せるように、溜めて打って。溜めるやり方は、魔法が発動する寸前で、5秒待って」

「分かった」

俺は、眼前のゴブリンを見据え5秒待った…そして

「行くよ」

「スラッシュ!!」


俺の指の軌道から放たれた風の刃は、緑色の魔力の尾を引きながら、敵にまっすぐ進んでいった


…あたれ……


「ん、大丈夫…当たるから、信じて」

「エスパーかよ…まぁ、良いけどさ」


数秒後、風の刃は不可視の壁を抜けた。意外と速度は遅いようだ。

そして、風の刃…風刃はゴブリンの腹の少し上を貫き、ピキっとコアが砕ける音が沈黙の中を走った。

一瞬のことで、ゴブリンは叫び声を上げることが出来ずに、息絶えた……


「…やった、か?」

「大丈夫、君もコアの砕ける音が聞こえたでしょ?」

「あぁ…」


すると、アートは、魔物に近づき、何かを呟いた。


「………………」


しゅわぁと音がし、アートの手の中には、ひと握りのナイフがあった。


「おい、賢人様はなにしているんだ?」

「あぁ、ただ素材を剥ぎ取るだけだから。それとね、アートって呼んで」

チャキッ、ジュクグチュグチュ

「あぁ、」

「はいどうぞ、魔物肉」

「え、でも、痛いんじゃ…?」

「冗談だよ、私が君に危害を加えるわけないじゃない。今からね、素材を使って、装備を作るんだよ」

「すごいな。けど、どうやってやるんだ?」

「う〜ん、魔物の素材もコストがあるんだ。そのコスト分で、装備やら武器やら…それにご飯も作れるんだ」

「それも、錬金術なのか?」

「うん、そーだよ」


アートは、無い胸を張った。


「アートって、なんか、便利だな」

「便利って私のことは道具みたいな言い方だね……殺すよ?」

「冗談だよ…怖いな。なら、ステータスとかアイテムボックスも、アートが作ったのか?」

「今、逸らしたね、まぁいいけど。うん、そのとおりだよ」

「アート、ありがとう。俺のために」

「どーいたしまして」


アートは手の中で弄んでいた、素材を置き、


「さて、じゃ、作ってくよ」

「何作るんですか?」

「うーん、何にする?指輪でいい?」

「えっと、装飾品が付いた武器とか作れないのか?」

「作れなくもないけど、武器なんて振れるの?ゴブリン戦でレベルは上がっていたけど、筋力がね…ちょっと微妙なんだなー」

「すまん、ちょいステータス見せてくれないか?」

「おっけー」


水紫 18歳 Lv.3

天職 職業

体力:15

筋力:13

耐性:12

敏捷:13

魔力:20

魔耐:5 +10

技能:ステータス展開 言語理解 アイテムボックス

スペル:スラッシュ、

ユニークスペル:なし


「…うーん」

「筋力微妙だけど、魔力上がる速度早くない?」

「ん、なぜ魔力だけこんなに」

「もしかしてさ、君の世界では魔力なんか使われていなかったから。成長速度も他の数値と違って早いのかも。閉ざされていた力ぁみたいな」

「そうか、そんな痛いこと言わんといてや…」

……………………………


〜その頃、魔王の城では〜


「水紫さん、大丈夫ですかねぇ、そろそろ迎えに行きますか。それと謝らないと」

「テーゼ、どこへ行くのですか?」

「えぇとですね、母様。例の候補者を連れてきます」

「そうでしたか、なら行ってらっしゃいな。遅くならないうちに帰ってきなさい」

「はい、行ってきます。ル…」

「それと、もう少しで戦争が始まるのだから、人間には注意しなさいね?」

「分かってますって、ルート」


テーゼが移動した後…考えていた。


「…本当に便利ね、その魔法」


当然、独り言は少女には届かなかった。


ゴブリンは人型なので、躊躇してもいいよね

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