辛い過去
今回は2000字程度になってしまいました。
次回は少し頑張りたいですね。
「じゃ、指輪作るよ。どういうのがいいか、言ってみ。色は決めてね」
「…どういうのが作れるんだ?」
「そうだなー、筋力が上がる、指輪なら作れるかな」
「ならそれで、色は黒」
「残った素材で、ダガーなら作れるけどどうする?」
「あ、使い方教えろよな」
「わかってるって、では、転換」
アートが錬金のトリガーを言い終えると魔物の素材は、光に包まれた。
「この中で、なにが…」
「んー、変わるべき姿に、なってる途中かな。かんたんに言うと」
「へー」
光は色々な方向に伸びたり縮んだりを繰り返している。何が作られるのか、楽しみだ。
「お、そろそろ出来るよ」
光は、荒ぶりながらも、だんだんと形ができているのがわかった。
「何か、剣のような形だな、これは?」
やがて、光は静まり消えていった。
現れたものは、剣のようだが二回りほど小さく、ナイフよりは一回りほど大きかった。剣の柄の真ん中には、黒色の宝石のような物が埋められていた。
「これはダガー、短剣だよ」
「あれ?指輪頼まなかったっけ?」
「うーん、造っている途中に思ったんだけど。スラッシュって確か、剣や短剣、斧やらの、刃物を装備すると威力が上がるんだよ。それにロングソード類よりは軽いから、筋力値が少なくてもそれなりに扱えるよ」
「ふーん。それと、この黒い宝石はなんだ?」
「本来、指輪になるべき筋力上昇の素材を宝石に変えて短剣に埋め込んでおいた。持っているだけで、自分の筋力が上がるよ。武器のデータはね。筋力+10だね」
「おぉー、筋力意外と上がるな」
「ん〜、いや、やっぱり下位の方の素材だからあまり上がってないね」
「何、上位とかは凄いのか?」
「うん、下級、中級、上級、魔級、星級、神級、幻級、unknown…まぁ、解析不能まであるよ」
「ほう、これはまだ下級だよな。アートはどこまで作れるんだ?」
「幻級までは作れるよ。素材があればだけどね。神級は1回だけね、1人の人間に渡した時があったかな」
「え?」
「神弓ヘブンって言うのを造ってね、効果は魔物・魔族を浄化出来る弓なんだよ」
「なぜ渡したんだ?」
「うーん、確か渡した頃は魔族と人間が対立していた時代なんだ。あ、今は対立も起きてないはずだよ。」
「それで、どうなったんだ?」
「うん、戦争を始めちゃってね。で、その頃に以前から親しくしていた人間にその、弓を渡したんだ。だけどね、やっぱり武器を持たせると、人は気が狂ったように変わってしまうようだね」
「…何が起きたんだ?」
「うん、白旗を上げて降参しようとしていた魔族を殺したんだ。戦う意志がない者もその人間に全て殺された。恐らくその人間は戦争に当てられて、状態異常の、狂化状態になってしまったんだろうね」
「どうやって止めたんだ、その人間」
すると、アートは悲しそうに苦しそうに顔を伏せた
「私が…殺した…。その、弓を授けたのは私だから…わ、私が…その責任を取った…」
「そうなのか…」
「私は、その弓を渡したのは間違っていたのかな…」
「きみは間違ってないよ、アート」
「なんで」
「今、アートと親しくしている俺が言っているんだ。大丈夫、あなたは間違っていない」
と、俺は間違っていないことをアートに言い聞かせるように言葉を繰り返しながら、アートの小さい頭に手を添え、撫でた。
「…そっか、」
アートは顔を上げ、少し嬉しそうに笑った。
「まさか、君に励ましてもらうことになるとはね。やっぱり…君を選んで良かった。ありがとう、水紫。そ、それともう少しだけでもいいから撫でて?お願い…」
と、上目遣いで頼んできた。
うぅ、アートの上目遣いズルい、ズルすぎる。男性ならほいほい騙されそうだな。
「だめ…かな」
次第に目に涙を溜め始めた。
「……大丈夫だから、泣くなよ…俺が何かしたみたいに見えるだろ。ったく、こういう時は子どもっぽくなるのな」
「こ、子どもじゃないもん…大人だもん、私は賢人なんだからぁーっ」
「そうそう、その調子だよ。今は俺がいるからさ…昔のことは忘れて……。忘れなくてもいいけどさ…元気出せよ。一緒にいる俺も悲しくなるだろ…」ナデナデ
「う、ごめんなさい…元気出すからぁ、もっとなでなで…」
「はいはい」
俺は、5分ほどアートを優しく撫でた。すると、アートは泣くのをやめた。
「ありがとう、元気出たよ」
水紫に向かって、満面の笑みを見せた。
「気にするな」
「うん、ごめんね」
「今は、仲間なんだから気にするn」ググゥ
不意に側から妙な音が聞こえた。
空間が捻じ曲がるような不思議な音をだった。
「…なんだ?」
だけど、この音って前もどこかで…
「水紫…警戒して。一応武器も構えて」
「あぁ…」
しばらくして空間に穴が開いた。俺は、警戒したが、すぐに解いた。そこから俺の見知った顔が出てきたからだ。それは…
「水紫さんっ!迎えに来ましたよ!!」
武器も魔法も持ってなく、丸裸の俺を危険な場所に放り出した奴がそこにいた。




