束の間の休息と二人の観察
「あぁぁ〜〜」
開幕大きなあくびが出る。
そういや、アート達は行ったんだよなぁ、うむ。
まぁ、元気でやってるなら、それはそれでいいだろう。
◇ ◇ ◇
「あぁ、水紫さんからまた2人女の人がいなくなりましたね」
と、魔族の姫は1人呟く。
その顔は嗤う。
◇ ◇ ◇
暗い部屋で、鏡を見つめている1人の少女がいた。長い髪で顔を隠して、相当長い時間、外に出ていないニートのような風貌をしている。
髪の色は、灰、瞳の色は金。相当、可愛らしいはずなのに、人間らしい暮らしをしていない。だが、それも当然だ。少女は人間ではない。賢人なのだから。
少女は、だが、賢人ではない。見習い賢人と言ったところだ。理由は、まだ少女の母親が賢人を務めているからだ。
少女の名前はクロノ。時を操る少女だ。
そんな少女は、暗い部屋で鏡を見て、ブツブツ呟いている。
「そろそろ、私も会えるかな」
鏡の中の一人の少年を見つめて呟く。
その顔は再会の喜びを想像し笑う。
◇ ◇ ◇
「なんかさ、」
「はい?」
「最近、複数の人間に監視されてるような感じがするんだ」
「それはみあにいが?」
「うん、兎に角、困ってて。気になって睡眠時間という至福の時間が短いんだ」
「じゃ、みあにいには」
祠は一旦話を切り、水紫の手を握った。
手を握られた、本人は驚いたように祠を見た。
「手を握っていれば、大丈夫だよ。………たぶん」
「少し、最後の方が聞こえなかった」
「何でもない、よ?」
「分かった。じゃ、クルルにも協力してもらう」
「話はきかせてもらった!」
いきなり、扉を勢い良く開けて入ってきた。クルルが…。なんだ、このテンション……。
水紫は部屋に入ってきたクルルの額に自分の額を押し付けた。
ふむ…熱は無さそうだな。我を失ったわけでもな。
「だが、顔は赤いようだ。どうした?」
「ふぇ」
……、固まった、何故だ。
「──何故だ。みたいな顔してるけど、あんなことされたらそうなる」
「そんなことしたか。……まぁ、本題に戻そう」
「無視すんな」
「はいはい」
「で、みあにい、僕を空気にしないで」
冷たい風が走った、気がした。
そんなことを思わせるほど、祠の声は冷めていた。
「お…おう」
「とにかくまだ、明け方だよね。もう少し寝て考えようよ」
「だな、寝るか」
それもそうか。わざわざ、二人を起こしてこの時間に話すことでは無かったな。
◇ ◇ ◇
『最近、誰かに見られている気がするんだ』
「「なっ!?」」
水紫の言葉を拾った瞬間、全く違う場所にいると言っても過言ではない、二人が全く同じ声を出し、全く違う考えを持った。
ある姫は呟く。
「もしかして私が監視していることに気付きました?その可能性は高そうですね。あの人は中々、勘が鋭いですし」
ある少女は喜ぶ。
「水紫は私に気付いたのかな。水紫は勘が鋭いし。嬉しいな」
『寝るか』
「ほっ」
「え!?」
ある姫は、気付いていないことにほっと息を吐き、
ある少女は、気付いていないことに、驚きの声を上げた。
「「寝た。監視再開♪」」
もしや、この二人…ばれるまで続ける気であるのだろうか。
チャレンジ精神も高めで、この二人、中々良い組み合わせなりそうだ。
お休みです。




