Lesson18 万能な先生
ついてこい。
私は言われるがままに、後をついていった。
そして、たどりついたのは、
校舎の屋上だった。
屋上なんて、初めて来た。
遮るものがないからか、風が爽やかに感じる。
レオン先生が、校庭を眺めなが、
「実技の試験、ここで見させてもらった。」
と言った。
――えぇっ、見ていたんだ!
ぜんぜん気づかなかった。
というか……、
そんなに、私の実技を気にしてくれていたんだ。
ちょっと意外に思ってしまった。
「オレ的には、お前が1番だったな。――ただ、過去の出来が悪すぎた。
学年末は、学年通しての総合点だからな。」
ああ、そうだった。
でも、たしかに総合で10番内なら、かなりすごいことだ。
私の脳裏に、レオン先生との特訓の日々が蘇る。
私は、フラフラになりながら、やり抜いたのだ。
「……ありがとうございました。」
自然に、言葉にでていた。
「当然だ。」
ニコリともせずにレオン先生は言う。
「このオレが指導したのだからな。」
「さあ、弁当をだせ」
なんだか王様と話しているような気持ちになりながら、私は、お弁当を差し出した。
「あの、初心者なので、美味しくなかったらすみません……」
「大丈夫だ。味は想定ずみだ。」
何が大丈夫だかわからない。
そして、レオン先生が、大きな箱を取り出した。
「オレの弁当と交換だ。受け取れ。」
えっ、えーっっ!!
どうやら、これが本当のご褒美らしい。
蓋をあけると、パーティーにでもでてきそうな、お惣菜の数々が現れた。
「これ、どうしたんですか?」
「オレが作った。遠慮なく食べろ。」
エミリア先生が聞いたら、卒倒しそうなことを言った。
どう考えても、私のお弁当と釣り合わない。
「いいんですか?私のお弁当とじゃ、ぜんぜん釣り合わないですよ?」
「受け取れないというのか?」
レオン先生の顔が険しくなった。
「い、いただきます、いただきます。ありがたくいただきます!!」
私は、慌てて食べだした。
――その料理は、完璧すぎる味だった。
この料理を作るのに、どれだけの時間がかかったのだろう。
私だったら、一日かかっても作れる気がしない。
レオン先生は、万能すぎだ。
「おい。卵焼き、もっと甘くできなかったのか?」
え。だいぶ甘かった気がしますが……?
「すみません……。」
――もし次回があったら、砂糖の量を、もっともっと増やそうと思った。




