33/36
EXTRA第九話 ピエロの求める追加報酬『自分にこんなことをさせた理由』
お嬢様が泣き止んで十分落ち着いたところで、彼女はクラウンに尋ねた。
「ねぇ、クラウン。貴方にも何か申し訳程度にしかならないかも知れないけれど、報酬を出したい。私から一方的に出すのではなく、貴方が本当に欲しいものを」
「へぇ。じゃあ、一つ、教えてもらいあしょうか。嘘もごまかしも無しで、本当の事を言って下さいねぇ」
「えぇ。何かしら」
「俺にこんなぁこたぁさせた真意を教えてつかぁさい」
それを聞いて、また彼女は泣いた。
悲しくてではなく、嬉しくて。
彼女はクラウンがどんな無茶を、再び自身が羞恥を重ねることになっても、報酬として与える、大きな大きな覚悟をしていたからだ。
そして、そのだいぶ悲壮な覚悟は裏切られたのだ。クラウンは、彼女が思っていた以上にずっとずっと、彼女にとって、素晴らしい人間だったのだ。唯有能なのではなく、やさしさと思いやりに溢れる、かけがえのない、本当に暖かい人間なのだということを。
だから彼女は正直に、クラウンがこの目論見の元々の中心であり、その目的が、クラウンの自信の無さの克服であったことを懇切丁寧に、彼女は言葉にした。




