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EXTRA第八話 足りないのは金でなく誠意

 三人はお嬢様の粗相の後始末を終え、仕切り直す。


「うぅ、ぐすん……。で、どうして……、何が、いけないって……いうの……、ぐすん……」


 再び服を洗う羽目になり、再び羞恥を晒す羽目になったお嬢様は未だ涙を引き摺っていたが、話を終わりにはせず、再びこんなことになった理由を尋ねる。


「何よりまず、あんたは、あんたの都合で振り回した俺たちに謝罪をしなければならなかった」


「……、え……? それだけ……?」


 お嬢様は余りの驚きの余り、泣き止み、そう口にした。


「ああ。それだけだ」


 男がそう言うと、頷く両隣の二人。


「私の都合で貴方たちを振り回して、ごめんなさい……。あぁ、そうなのね……、悪いことだったのね、これ……」


 彼女はそんな常識的なことを知らなかったようではあるが、決して唯の馬鹿でも、人の気持ちが全く分からないサイコパスでも無かった。それどころか、聡かった。だから過ちが過ちであると気付けたようだ。


 また涙をぽろぽろ流しているが、それは彼女が彼女自身の為に流しているのではない。彼女が彼らに謝罪の為に自然に流した涙だ。


 罪悪感。そして、真の意味での優しさ。自分に思いやりを本心から向けてくれる者が存在すること。


 彼女はそれらを、この日、初めて、知った。


「それで十分だ。あんたらもそうだろう?」


 男の両隣の二人は頷いた。ガードマンに関しては、何やら感慨深そうに涙を流している。


 ピエロも優しい目をして彼女を見ている。


「お嬢ちゃん。あんた、幸せ者だな」


 男はそう、優しく、呟いた。

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