第1章(3)おじいさん目が覚める
おじいさんが目を覚ますと、そこは隣のうち。
そこに住んでいる太郎と、太郎のお母さん、
それにおばあさんが、心配そうな目でおじいさんを見つめて言いました。
「おじいさん大丈夫?心配したのよ。」
「何が起きたんじゃ。」
おじいさんが不思議そうにそう聞くとおばあさんは話し始めました。
「おじいさんが全然帰っててこないと思ったら、太郎くんが血相変えて
おじいさんが倒れている!って言うんだもの。いそいで見にいったら足に爪痕みたいなもんがあって
おじいさんが倒れていたから、ここまで太郎と荷車に乗せてここまで運んできたんだよ。」
おじいさんは、今まで聞いたことのないお婆さんの焦りぐあいと、早口にびっくりするも、
太郎とおばあさんに頭を下げながら
「ありがとう」
と言いました。
おばあさんが、おじいさんに感謝の言葉を言われ、照れくさそうにしていると、
太郎がハッとした様子で何かを取り出しおじいさんに渡しました。
「これおじいさんの足に巻いてあったけど、おじいさんの?」
おじいさんが太郎から受けっとったものをよく見てみると….。
なんと、
それは血や泥がついていても、その美しさがわかるほど美しい、何とも見事な狩衣でした。
「これはきっとわしを救ってくれたお方のものじゃ。太郎、この布を巻いてくれた人を見なかったか?」
おじいさんの慌てぶりに少しびっくりする太郎だったが、そのときのことを詳しく説明してくれました。
「かかに頼まれて山菜をとりに行ったら、おじいさんが倒れていたからお婆さんを呼んだんだ。
その時、人が走っていくような音はしたけど人は見てないよ」
「太郎、その音がした所へ連れてってくれ」
おじいさんが慌てた様子で外に出ようとすると、おばあさんが怒った様子で言いました。
「こんな怪我で探しになんて行けるわけないでしょ?怪我が回復するまで外出禁止です。」
おじいさんは…残念そう〜に寝床に戻りました…。




