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館内はバタバタと忙しない。
赤いランプが非常時を知らせるくらいで、状況は掴めていないようだ。
私がサプレッサー付きの銃で、研究員、武装兵問わず打っていく。
後輩ちゃんは豪快に大剣を振り回して制圧して行った。
「さて、この広い建物。目的地はどこだ」
「一凛、あそこに非常階段です。あそこから出てくる人が多い」
「と、なるとその下が本命かな」
「……あまり使いたくないですが、これを使いますか」
試験管を取り出してヒョイっと投げる。あれは確か有毒ガスになる液体だった気が。
パリンと軽い音がして気化した。モクモクと紫の煙が立ち込めてドンドン下へ下っていく。
空気より重い性質らしい。
「って、私も行けないじゃん」
「……大丈夫です。キスしましょう」
「初めからそれが狙いか?」
「……あ、全員死んだみたいですね。行きましょうよ」
「…………」




