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「私はこの体質のせいで、無意識に人を殺してきました」
階段を降りながら後輩ちゃんが語ります。
一応敵地で、隠密が原則だと思うんだけど、なんでもないようにペラペラ喋りだすからビビっちゃった。
けど考えてみれば毒ガスで全員殺したんだったね。
コイツ怖えぇ、と思った。
「ん?それがどうしたの」
内心ドン引きの、ちょっと警戒レベル上げてることを悟られないように普通に聞き返す。
これでも裏の人間だからね、これくらいは雑作ない。
「ああ、いえ。別に罪の意識がある訳じゃないです。ただ、変だと思うんです。人は自身の体内で人を殺せる毒を作れない」
「特異体質なんじゃないの」
「そこが引っかかったんです。先生はこの事に興味を持ってくれました。そして、調べてもくれました」
「何か分かったの?」
後輩ちゃんは1拍置いてから話した。
あっけらかんと話しているけど、これは後輩ちゃんの闇だ。
話しにくい事なのかもしれないな。
「水晶でした」
「さっきのマテリアルか」
「そうです。各国はこれを資源と考えました。石油、ガス、電力などと同列に考えました」
マテリアル。どう言ったものかは今知ったばかりだから何とも言えないが、どうやら人類が進歩してきた文明の灯火に近しい力を持っているようで。
さっき使った雷のマテリアルは量産できれば電気という括りで世界を出し抜ける。
電気の必要ない国は無いから、それを無尽蔵に、ノーコストで扱えれば、使いようによっては勢力図も帰れるかもしれない。
「物によっては本当に国を滅ぼせる力を持つそうです」
「待った、それは機密情報の類でしょ。なんでそんなに詳しくて、今、話すのさ」
「……それは後にしてもいいですか?必ず話しますから」
「分かった。続けて」
「はい。今日本は弱体化しています。それは政府の中に敵が紛れ売国奴のような事をしている事。日本の焔のマテリアルが盗まれた事。近いうちにサラッとどっかの国の属国になりますよ」
「んな馬鹿な」
とんでもない機密を私に伝えやがった。
政府の上層部しか知らされてないようなことを1エージェントに知らせていいものかと思うが、良く考えれば、なんでコイツがこんなに詳しいのかって疑問に行き着く。
しかも、日本が属国?
少しモヤモヤする。しかし考える時間はないようで目的地に着いてしまった。
「着きましたね。まずこの話の真実味がコレです」
「……これが」
「ここにあるのは私の原点。毒のマテリアルです」




