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レイスバース.現代ファンタジー編  作者: 弥生いつか
『菊の花に満たされて』

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ドッジボール


 漸く四時限目の体育になった。お腹空いてるから四時限目の体育は禁止にするべきだと私は思う。


「よーしお前等良く来たな!今日は男女混ざって、ドッジボールだ!」


 櫻井先生の言い出した言葉に男女共にええーっ!と声が上がった。


「いやー、他のクラスで色んなスポーツをやらせたんだがな、バスケでボール投げたら正反対な位置でもゴール付近に投げるし、サッカーしたら蹴り一つでゴール付近に蹴り入れるし、野球したらホームラン。守備に回したら回したで、どの分野でも相手に点を入れさせない…どうしたら良いか俺でも分からん!!」

「なんつうチートを連れてきたんだー!」

「だからドッジボールでかるーく遊ぼう!」

「かるーくって…」


 クラスの皆はどうすれば良いのか悩んでいる。


「えーっと、チームは先生対生徒だ!俺が外野で国分寺が内野だ!皆頑張って国分寺にボールぶつけてくれ!」


 そう言って先生は地面に書いてあるドッジボールの外野に向かって、国分寺さんは内側に向かう。国分寺さんに勝てるのかな?


 そんな事を考えている内に審判から笛の音が鳴る。


 兎に角私と女子達は逃げ回った。男子は果敢に挑んでボールをぶつけたり、投げられたボールを取ろうとしたけど駄目だった。


 強い、強すぎる。


 段々人数が減って、内野に女子だらけになると流石に国分寺さんは投げる力を弱めてくれた。


 それでも私達はキャーキャー言いながら避けて、外野の男子にボールを投げて攻撃を託して、でも国分寺さんに受け止められて…。


 楽しい。


 一方的な試合なのに何でこんなに楽しいんだろう。


 そんなこんなであっという間に私と国分寺さんだけになってしまった。おのれ、私が遊び慣れているばかりに。


「いくぞ、ほれ」


 そう言われてボールを投げられる。普段から男子と混ざって遊んでいた私は、そのボールを受け止めるべく姿勢を正す。


「駄目だ!流李避けろー!」


 男子の言葉を無視してボールを受け止める。


 ちょっと痛かったけど、ボールを受け止める事が出来た。


「へへへ…あーっ!」

「ん!?」


 私は後ろに向かって指差して大声を出す。それに釣られて国分寺さんが後ろを向いた隙に、国分寺さんの身体にボールをぶつけた。


「ん、おっと」


 直ぐに私の罠に気付いてボールをキャッチしようとしたけど、私は腹の奥から声を出す。


「剛さん取っちゃやだーっ!!」


 それが届いたのか国分寺さんが硬直して、ボールは地に落ちた。


 それと同時に審判の笛が鳴る。


「この勝負生徒チームの勝ちーーーっ!!」


 その言葉に生徒達はわっと賑わった。


 私は勝てた嬉しさで舞い上がる。やった、国分寺さんに、剛さんに勝った。


 …剛さん?あれ?何で私、下の名前で呼んだんだっけ?


 そんな疑問は女子生徒に揉みくちゃにされて消えていった。

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