第二十九話 夢
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其の為此処にてお断りしておきます。
この作品は 私ソルトが書いたもので小説家になろうにのみ投稿しアルファポリス・ツギクルにリンクが張ってある以外は無断転載になります。
1557年(弘治三年) 一月一日
「「「「「総大主教様、新年おめでとうございます!」」」」」
「皆の者も健勝でなにより、これからも腐教の方よろしく頼むぞ」
「「「「「ははっ!」」」」」
「先ずは状況の報告を頼む」
「はっ!この国での腐教は全ての国に行き渡りその土地で新たなる創作者も生まれ{御当地物}が増えてまいりました。其の為次の段階として巨大会場にて本を販売する{即売会}を開く事を検討しております。場所はやはりこの国の中心という事で山城国に会場を設け年二回行うものとし、朝廷の御声ががりという事で他の権力の介入を禁じる不入の権を行使する物とします」
「そ、そうか、良くやってくれた。これで今まで陰の存在であった我等も日の目を見ることになったな」
「そうでございます」 「これで隠れて腐教せずに……」 「旦那様の前で繕う必要も」などと皆が言っているのを聞いて、顔を引き攣らせる総大主教であった。
「他には?何かあるか?」
ひとしきり起こったざわめきが収まったところで総大主教が尋ねると海外班の巫女が手を挙げた。
「明でも売れ行き好調でございます。総大主教の仰ったとおり、三国志物が大人気でして、{関羽×曹操とか桃園の契りとか飛ぶように売れていまして刷るのが追いつきません! あちらでも{即売会}を行う必要ありかと」
「それと南蛮人向けの作品も徐々に浸透しつつあります。南蛮人の母国イスパニアやポルトガルで密かに売り捌かれておりあちらの御当地物の作成に入るべきかと愚考します」
「皆の働きで教えが広まっていると聞き嬉しく思います。今後は世界が相手になるでしょう、情報の収集を怠らぬようお願いします」
総大主教の言葉によって新年の会議は成功裏に終わり、皆満足そうに引き上げて行くのであった。
□
毛利=尼子連合は中国地方と九州北半分を制した。
私と同じようにゲーム機を持たされて転生してきた人たちと打ち合わせていたエリアを押さえたのでこれからは内政に精を出して行かないとね。それと領内の産物を貿易で海外を含めて全国に売り捌いて行かないとね。その副次効果で腐な本たちも流通してるんだけどね。
腐な本たちは転生者たちの領域にも広まり一部では禁教しようとする動きもある。でも禁教しても無理な気がする。彼女たちに踏み絵をさせても転んだ宣言をさせても直ぐに戻ってくるだろうから……
「恐ろしい物の扉を開いちゃったかも……」
そう思っていたら海外担当の巫女が慌ててやってきた。
「大変でございます! 南蛮のキリスト教の法皇が我が国を異端認定いたしました! そして十字軍の派遣を南蛮の各国に命じたとか、其の命を受けてイスパニアが無敵艦隊をゴアに派遣、そこからマニラに移り、其処を拠点に我が国への侵攻を企んでおります!」
「なんと! こうなれば我が{八八艦隊}で返り討ちにしてくれるわ」
「そう仰ると思い既に召集をかけております」
「村上水軍と毛利・小早川の水軍にも召集を掛けなさい。マニラに攻め入りフィリピンを我が物としてくれる」
「すばらしゅうございます、そしてかの地を{腐の楽園}にするのですな」
「直ちに早鐘を打ち皆に知らせなさい! 戦いの時間よ!」
こうなれば全世界を支配してこの惑星を腐で覆い尽くしてあげる。
大海嘯の時間よ!
……………
………
…
□
がばっと起きると布団の中であった。お隣では晴久がぐっすりと寝ている。しっかり絞っておいたから疲れてるんだろうね。
「なんだ、夢か」
それにしても初夢が世界征服の夢なんてね。天下統一も未だなのに気が早いというか。
「でもいくら{腐}でも十字軍呼ばれたりはしないよね」
もう一度布団に入りなおしてさっきの夢を思い返す。コミケか、六条の河原でやったら面白いかもしれないわね。
これからは{腐}だけではなく漫画とかアニメなんかを創作しても面白いかもね。
布団の中で色々楽しい想像をしながらまた夢の中へ入って行くのであった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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※この小説はクロスオーバー作品です
早見様の「ゲーム機片手に天下統一!Player1 〜瀬田に我が武田の旗を立てよ〜」
霧島ナガツキさんの「ゲーム機片手に天下統一!Player2 ~我、長宗我部ニテ立チ上ガラントス~」
天樹院樹理さんの「ゲーム機片手に天下統一!Player3〜諌死なんてしてやらん、天寿を全うしてやる!!〜(仮)」
4番目になる作品です