夜会の準備をしましょう
さぁ、着きましたよ。毎年恒例のジュリアン様とのレッツ、衣装選び。ジュリアン様に頂いたアクセサリーと、ジュリアン様の着用する衣装を確認した上で、私の衣装との合わせをデザイナーに指示して2人で行います。それと、不承ながらも、ダンスの練習、、、復習編です。私もちゃんと公爵令嬢ですからね。
一応、淑女教育でダンスもしています。ですので、ジュリアン様と事前にステップの確認もしておきます。これで夜会の準備に臨めますね。ええ、そんなこんなの、毎年恒例の打ち合わせはお手のものですよ。
はぁ。そんな、得意になりたいとは、思ってないんですけどね。。。だって私は、王子妃なんて、向いてないですよ。こんなにも、他の人に目を向けているような、貴族としての責任感もない薄情者。ジュリアン様に好かれる理由もわからないんだから。だから、婚約者なんてものに周りから思われたくなくて、目を逸らしていたというのに。
だけど、そんなことは関係なく周りは私を筆頭候補と囁いて。いえ、そうなるよう、王家が仕組んでいたからですよね。それも、私が認めていたから、ここまでズルズルと、候補として、周りに牽制する形で、彼の隣にあり続けた。変化を恐れた私がしてしまった、私の責任。
それでも、この状況が間違いだとわかっているから。だから、今後をしっかり、彼と話さなくては。って、心はわかっている。
「ディアナ嬢、物憂げだな。何かあったか?」
それでも彼は、ちゃんと私を、見てくれて心配をしてくれます。その優しい心配そうな姿が、時に残酷にも映ります。
「いえ、特に何か、ということもないのですが、、、ただ、こういったものは、いつまでも慣れないものでと思っていただけですわ。」尻込みをして、言葉を飲み込み、話を濁します。「ああ、それとジュリアン様、今年も装飾品を贈ってくださりありがとうございます。それに、ネックレスチェーンと首飾りも、またデザインが新しいものでしたわね。私の指輪自体が変えられないのに、それに合わせて毎回デザインを変えてきてくださって、ありがとうございます。それに、月の周りに星なんて、夜会にピッタリ。イヤリングも、揃えたみたいに三日月を選んでて、なんだかロマンチックですね、ジュリアン様。」
ちょっと表情が明るくなるジュリアン様。そんなに、お礼を喜んでるのでしょうか?
「そうか?それは良かった。今回のデザインは今まで以上に気合いを入れてあるんだ。君に合うように、君のためのデザインをデザイナーと選んだんだ。」何故かにこやかに嬉しそうな話し方をしています。よっぽど拘りのデザインなんですね。そんなものを私なんかに贈るなんて、ジュリアン様が不憫にも思えちゃいます。もっと彼を想う人に贈ってあげてほしいです。
「それより、君は今日どうする?」
「え?どうする、とは?」
「なんだ、リアムに聞いていないのか?」
ええ、何も聞いてないですよ、という気持ちを込めてお兄様を見てみます。
「ごめんね、ディー。先に君に言うと回答もなくここには来ない気がして、言わなかったんだよ。」え、なんですかそれ、そんな内容聞きたくないんですが…
「今日は王様方と晩餐をした後に、王城に泊まってから、明日学園に行く予定なんだよ。これはディー、君も強制だよ?」そんな爽やか笑顔でお兄様、言わないでくださいよ。ああ、だからですか。だから、ジョシュアも今日は一緒なんですね。お兄様の準備があるから。ルルもいつもより荷物持ってるなって思ってたのに。。。気づかない私も悪いですが、一言、ほしいと思いませんか??しかも同伴出勤なんて、学園で「やっぱり」なんて思われるじゃないですか、、、お兄様は、側近候補で名も上がって、本人もその気があるけど、、、私は………。ホントにお兄様をどうしてくれよう、、、??
「だけど、今日は仕方ない。王妃様や王様が久しぶりにディーに会いたがっているのが始まりだからね。会ってお話し、してあげてもらえるかな??」
うぇ。。。?!そ、それを言われたら、断りたいけど、もっと断れない状況じゃないですか、、、!!
昔から、筆頭候補の私は何かにつけてジュリアン様のお父様たちである、王様たちから招集がかかりますけど、ここ最近はそうそうなかったのに、どうして今回このタイミングで?なんて、思ってしまいます。。。
「そうか、ディアナ嬢は聞いてなかったのか。僕も強制までと考えてなかったからな、悪い聞き方をしてしまった。許してくれ、ディアナ嬢。」
「いえ、私の性格を読んで事前にお話のないお兄様は正しいですわ。ですので、ジュリアン様が謝ることではありませんし、皆様方からお誘いいただけるのは大変嬉しいことですので、お気にしないでくださいませ。」ちょっと驚いてしょんぼりするジュリアン様を、慰めます。
いやいや、「晩ご飯俺の母親たちと、俺ん家で食べながら話すけど、時間も遅いから今日泊まる??」くらいの聞き方だったんですね、ジュリアン様的には。
といいますか、そんな関係、恋人みたいで、なんだか八方塞がりな気がして仕方ないんですけど、、、




