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 食堂に戻ると、団長さんが立ち上がり私達を笑顔で迎えてくれた。

(ううっ笑顔は笑顔で怖いんですけど~)


「自己紹介もしていなかったな。すまない。

 私は第3騎士団団長、エルネスト·ラモサだ。何か不都合があれば私でも、リディでも、この男、副団長のアベルにでも言ってくれ」


 アベルさんは団長さんとは違い優しそうな雰囲気。緑の髪にレモンのような瞳の色。実戦より戦略を立ててるイメージ。


「はじめまして。副団長のアベル·ハイドランジアです。困った事があればいつでも声を掛けてくださいね」


「はい。ありがとうございます。私はレイ·ハルハラと言います。団長さんが声を掛けてくれなければどうなっていたか分かりません。本当にありがとうございました」


「イヤ、王宮のように優雅な生活はさせてやれない。申し訳ない」


「王宮なんて私には似合わないので、ここで良かったです。

 あの…早速なんですが、いつ元の世界に戻れるかも分からないのでお金を稼いで自立したいんです。後でこの街の職業紹介所のような場所を教えてください」


「ああ、しばらく寮に居てもらって構わない。ここの生活に慣れるまでゆっくり過ごしてくれ」


「…はい」

 うんっ?スルーされた?


「冷めないうちに食べましょ」リディさんが配膳をしてくれた。


 すごいボリューム…野菜のスープにパン、デザートのアップルパイ。それとたくさんの肉。さすが騎士団の皆さん、あっという間にお皿が空になっていく。


 団長さんが今までの態度とは一変して笑顔で話し掛けてくれるんだけど、笑顔を頑張って作ってくれているのかな。ぎこちなさ過ぎて逆に申し訳ないです。

私も無愛想なんで無愛想でも大丈夫ですよ、団長さん!



 気を使わせて申し訳なかった夕食後、部屋に戻りベッドに横になるとさすがに疲れていたのだろう。いつの間にか眠りに落ちていた。



 翌日目が覚めると日はもう高く、お昼に近い時間のようだ。本当にゆっくりしてしまった。


「レイ!精霊の森に行こう!」

おおう!びっくりしたぁ。

「ウンディーネさん、こんにちは。ねぇ、白い光が見えるかって聞かれたけど、この子達みんな精霊?」


「そうだよ。みんなレイに会いたくて来ちゃった」


「モフモフしてる子もいるんだね~この子本当の猫ちゃんじゃなくて精霊なの?可愛いね。撫でていい?」


「「撫でてほしい!」」

 モフモフ達に囲まれる。ああ、気持ちいい、癒されるねぇ。


「レイ、精霊の森を助けてほしいの」


「私にはムリだよ…一緒に来た美姫が愛し子でしょ。他の2人も精霊見えてるらしいから美姫達にお願いして?きっとあの子達なら、私ならできるって張りきってやってくれよ」


「レイは手伝ってくれないの?」

そんな悲しそうな顔されても私にはできないよ…


「私なんかじゃ絶対ムリ。美姫達ならきっと簡単に森を助けられるんじゃないかな。目立つ事も大好きだし喜んでやってくれるよ!」


「レイにお願いしたいの!」またぷくって頬膨らませた。可愛いなぁ。


「ごめんね、しばらくは寮で生活させてもらうから自由に外に出られないし、自分で生活できるようになるまで待って」


「う~ん、…みんなレイが来てくれるの待ってるよ…」


「ありがとう。ねぇ、森に行けるようになるまでに、今私に出来ることはない?何をしたら精霊の加護って受けられるの?」


「レイだったら願ってくれれば精霊は力を貸すよ。レイの魔力を集めて込めれば精霊の力が増してすっごく大きい力になるの」


「それなら私は魔力を集められるように練習すればいいかな?」


少し前向きの発言だったからか、皆喜んでくれている。

は、花が舞ってる!これも精霊の力なの!





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