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13 昌也が好きな女の子のタイプ
「ね、昌也君はどんな女の子がタイプなん?
あ、でも昌也君の場合は、男の子なんかな?」
そしていたずらっぽく笑う伊予美。
ぐぁああああっ!
それは君なんやでと死ぬほど言いたかったけど、
それを言うと本当に死んでしまいそうやったので、
俺は必死にそれを飲みこんでこう返した。
「お、女の子が好きに決まってるやんか!
そ、そうやなぁ、俺が好きなタイプは、
優しくて、ほんわかしてて、メッチャ可愛らしくて、
いかにも女の子らしい女の子、かな」
け、結構ガッツリ本音を言うてしもうたけど、
これってそのまんま伊予美の事やないか!
もしかしてこれで俺の本命は伊予美やって、
本人にバレてしもうたんやないか⁉
そう思いながら心臓が破裂しそうになっていると、
そんな中伊予美が言った言葉はこれやった。
「あはは~、昌也君は理想が高いなぁ。
そんな女の子はなかなか居らんよぉ?」
よぉーしバレてない!セーフ!
伊予美が自分の可愛らしさに無自覚でよかった!
そやけどこれ以上突っ込まれるとボロが出てしまいそうなので、
俺はすかさず小暮にキラーパスを出した。




