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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第一話 浮かれる昌也と、怪しき下積
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12 伊予美の好きな男のタイプ

「う、ウチですか?う~ん・・・・・・」

 と言いながら、目をつむって唇を尖がらせる伊予美。

伊予美は考え事をする時、こうなるクセがあるので、

今から伊予美が言う言葉は、かなり本音に近いモノなのやろう。

なので俺は、試合中にピンチを迎えた時に、

打者の仕草を観察する時くらい(もしくはそれ以上)の集中力で、

伊予美の次の言葉に耳を傾けた。

ちなみに小暮も伊予美の好きな男のタイプに興味があるようで、

俺と同じくらいに真剣な表情で伊予美の次の言葉を待っている。

そんな、無駄に緊迫した状況の中、

伊予美はいつものホンワカした口調でこう言った。

 「ウチはやっぱり、高校野球が大好きやから、甲子園目指して、

一生懸命ボールを追いかけている人達に、憧れるかなぁ。

あ、でもこれは、恋の『好き』とはちょっと違うんかな?

あ、あはは~」

 そう言って笑う伊予美に、

小暮はまるで銃を突きつけるような鋭い口調で問いかけた。

 「伊予美ちゃんは、好きな相手とかは居ないの?」

 こ、こいつ、何ちゅう突っ込んだ質問をしよるんや!

ま、まさかこいつも、女の身でありながら、

密かに伊予美に恋心を抱いているんか⁉

碇と同じで、同性に恋愛感情を持ってしまうタイプの人間なんか⁉

いや、今はそれは置いといて、俺は伊予美の次の言葉に全神経を集中させた!

そんな中、伊予美は顔を赤らめる事もなく、至って軽い口調でこう答えた。

 「そんなん居(お)らんよぉ」

 居(お)らん、か。そうか。

その言葉を聞いた俺は、ホッとしたような、

ちょっぴり残念なような、何とも複雑な気持ちになった。

まあ、でも、それでええんや。

伊予美は甲子園に出場するような男が好きなのやから、

俺はただひたすらに、甲子園目指して頑張るだけや。

改めてそう心に誓っていると、伊予美は俺に向かってこう言った。



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