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白馬と姫  作者: カーネーション


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第48話『再会』

 次の時を告げる鐘が鳴る。


 まだ、ほんの少しの時間しか経っていないのに、もう疲れてしまった。早く解放されたい。神殿の自分の部屋に戻ってエリエに愚痴を吐きたい。早々に帰りたくて何もわかっていないのに、「わかりました」と納得したふりをする。


 ジルベール様は挙式後の生活まで聞きたくはないのに教えてくれた。とりあえず、神子としての公務は継続するらしい。


 わたしは相づちを打ちながら、もうどうでもいいよと思っていた。わたしがどう考えようが、すべては決まっているのだ。国王様の思うままに進んでいくのだから、勝手にしてくれと思った。


 適当に「わかりました」なんて言っていると、ジルベール様は満足そうに微笑んで、やっと解放してくれた。


 国王様の部屋を後にして通路を歩く。護衛の兵士さんの案内についていく。


 陽当たりのいい通路は窓が大きくて等間隔に光が入ってくる。その光がヒールの高い靴に反射してぴかぴかに光った。わたしにはまったく似合わない靴だ。服も全部脱いで、着なれた神子服に落ち着きたい。


 そう思っていたら、前方から人の姿が見えて、足を止めた。


「サディアス」


「ひどい顔だな」


 また背が伸びたらしく、ずいぶん高い位置に赤毛があった。声も低くなったみたい。


 サディアスが不躾だったからか、護衛の人は身構えたけど、わたしは「こいつは大丈夫なんです」と告げた。わかってくれたみたいで護衛の人は肩の力を抜いた。


「でも、めずらしいね。サディアスが日の当たる場所にいるなんて、いつも真っ暗な部屋にいるのに」


「悪いか。ここに来たのは王に呼ばれただけだ」


「そう」


 もしかしたら、サディアスはすでに聞いているのかもしれない。わたしがジルベール様と結婚するってことだ。その関係でジルベール様から呼ばれたのかもしれない。


「わたし、ジルベール様と結婚するみたい」


「ああ、知っている」


「知ってるんだ。あのね、わたし……」


「もういいか? 忙しいんだ」


 サディアスにだって、うっとおしがられるのはつらい。だから、わたしは平気なふりを装って「じゃあ」と笑ってみせた。本当は全然平気じゃないのに。

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