亡国の在り方
国の中を歩く
しかし城壁から中央広場までの距離を考えると、この国はそんなに広くないみたいだ
広場から伸びる道は所々戦闘の後なのか、凹んでいたり割れていたりするけど、やはり魔物が通っているためか道として機能している
一歩路地を入ると倒壊した家屋に蔦や草木が絡み、もはや遺跡の様になっている
これが100年という時間の長さなのだろうか・・・
途中、魔物も何匹か見かけた
表面が妖しく輝いている、魔法に強いタイプの魔物だ
しかしそれでも命からがらといった感じで、倒すのは楽だった
放っておいても問題なさそうだ
僕は中央の広場に戻った
「隊長、特に問題はありませんでしたよ」
「そうか・・・」
隊長は広場でラギさんの体とお札の番をしていたのだ
ラギさんの埋葬はまだ行っていない
というのも、ラギさんはまだ呼吸をしているのだ
しかし話によると、終の魔法を使った者は意識を失い、目覚めることなくそのまま息を引き取るんだそうだ
だからラギさんはまだ生きているけど、僕たちにはどうしようもない
助かった例はないんだとか
僕は意識をお札に移した
「しかしそのお札って、どういった物なんですか?」
この複雑な模様が書かれたお札で陣を組み、発動した途端に国中の魔物が消え去った
こんなに便利な物があるなら、最初から使っていればよかったのに
「これか、これは開発技術部が最新の魔方陣を使って作った物で、1枚に対し合計5千人の意思の力が宿っている」
「5千人!?」
この世界の人工はそんなに多くない筈だ、それなのに5千人もの人の力を宿すなんて、どうやったのだろう?
「まあ正確には一人あたり半日の意識5千回分だ、これだけの枚数を用意するのに数年かかったらしいぞ」
それはそうだろう、というよりよくそんなに集めたな・・・
なるほど、これを使うなら少数の遠征部隊でも十分だろう
「これを使うのには条件がつけられた、クスク国内でのみ使っていいということだ、だから道中は私たちの力のみで進まねばならんかった」
そりゃあそんな貴重な物をホイホイ使えないよね
「しかもこの札の効力も持って15日だ、それまでにこの国を復興しなければいけない」
15日、しかしその間は魔物が入ってこれないなら、なんとかなるんじゃないだろうか
まあ楽観的かもしれないけれど
しばらくしてグランさんが戻ってきた
しかしレフィさんが戻ってこない
「どうしたんでしょうね」
「面倒なことになってんじゃねぇだろうな!?」
そういう話をしていると、人影が見えた
フーさんだった
「どうしたのだ?ここ二日の進行で疲れているだろう、休んでいていいんだぞ?」
「・・・」
隊長の言葉にも、首を横に振るだけだ
まあそんなに焦った様子でもないから問題があった訳じゃないだろう
「すまない、待たせたかな」
フーさんが来た直ぐ後に、そういってレフィさんも戻ってきた
「おいおい遅ぇじゃねぇか!!何処で何してたんだ!!??」
グランさんがまくし立てる
「いや、海の方に行っていたのだが、どうも様子がおかしくて・・」
話を聞くと、海に面する場所は何もかもがなくなっていたらしい
あたり一面全て、防波堤も家も何もかもが
「いろいろ見て回ったのだが、どうにも理由がわからない、津波という現象かとも思ったが、何かに押し潰された跡にも見えて、どうにも腑に落ちない」
一体どうなっていたのだろう
「なに、何かあったのなら問題だが、何もないなら問題ない、さっそく国に報告するぞ!!」
そう隊長が言って、一旦国の入り口に戻ろうとした時、
「・・・何か、聞こえませんか?」
レフィさんが言った
耳をすますと、なにか、川の流れる音のような音が聞こえる
それもかなり大きな川だ
そこでグランさんが何処かを見て、愕然としている事に気付く
僕もそちらの方を見る
「・・・?どうした、何かあったのか?」
レフィさんが言う言葉が、頭に入らない
その背後で、黒い海が立っていたのだ
遅すぎる警告ですが、この物語は普通に人が死にます
作者といたしましては出来るだけ防ぎたいと思っておりますが、物語の進行上避けられないと思ったら殺します
・・・結構しんどいです
その分、物語を盛り上げなければ・・!!




