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魔血吸の在り方  作者: スクロー
黄昏の出会いと結束の章
27/67

幕間・スーハの告白

この話は「軍の在り方」あたりの話の頃を想定しております

一応番外編扱いです

たくさんの人に読んでいただけて嬉しい気持ちと、

評価をいただいてうれしい気持ちを形にしました


あとは感想だけだな~(チラッチラッ

あっしはしがない兵士でやんす、今日もせっせと魔物を狩る生活を続けてやす


そんな日常が変わったのは、あるお人があっしの職場に入る事になってからでやんす



~The Great Red hazardザ・グレイト・レッド・ハザード



そのお人は紅い目を持ってやした


そして、その手足は灰色で、尋常ではない力を持ってやした


一度手足を振るれば、魔物がゴミクズの様に飛んでいきやした


その人は、皆に疎まれてやした


味方に命を狙われることもしばしばありやす


弓矢部隊が賭けの対象にしていたという話も聞きやす


しかし、懸命に生きてやした


味方が危険に陥ると、急いでやってきて、魔物を蹴散らしやす


けれど誰も感謝しやせん


それでも、何度も何度も助けやす


罵声を浴びせられ、くだらないいたずらをされ、食事を減らされ


それでも尚、皆を助けて魔物を狩りやす


決してサボったりしやせん


・・・正直、理解できやせん


なんでそこまでするんでやんすか


食堂で料理を頭から浴びせられているのを見たことがありやす


その男を助けた所も


あっしは、興味本位で話しかけてみやした


「ダンナ、なんであいつらを助けるんでやんすか?いつもダンナに酷い事してるじゃないでやんすか」


「・・・?僕に言ってるの?」


「そうでやんす、ダンナ、金でも貰ってるんでやんすか?」


「助けるって、そりゃ危険な状況になってる人がいたら助けるでしょ?だって僕にはそれができるんだから」


ダンナはなんでもない事のように言ってやした


・・・あっしは感動しやした


ダンナは神様みたいなお人だ!


この人にならついていける!


そう思って以来、あっしはダンナにつき従っているでやんすよ



「スーハ、大事な所が抜けてる」


「どこでやんすか?」


「魔物の部位」



・・・とにかく、ダンナはすごい人でやんす


あっしはダンナについていくでやんすよ!


お金の縁が切れるまで!!





~~~~~~~~~~


ここまでが、表向きの理由でやんす


あんただから言うんでやんすよ?


ダンナは確かに素晴らしい人で、ついていけばお金が儲かるのも事実でやんすが


ダンナを見ていると、自分がちっぽけに見えるでやんす


魔物一体倒すのにも苦労して、それでも必死で日々を生きてる自分が


どうしようもなく駄目な人間に思えるでやんす


正直な話、ダンナに嫉妬したのも一度や二度じゃありやせん


でも、それはあっしが弱いから


あっしが、実際にちっぽけだからでやんす


ダンナは生まれ持った物だと言ってやんすが、命の駆け引きの場では、どんな天才も生き延びるのは至難の業でやんす


ダンナは怪力で、頑丈な手足がありやすが、それ以外はあっしと同じでやんす


・・・そうでやんす、あっしは、ダンナに夢を見てるのかもしれやせん


自分がなりたい自分を、ダンナに重ねてるのかもしれやせん


ついていけば、いつか、ダンナみたいに、いや、ダンナより大きくなれるかも


こんなちっぽけなあっしが、・・・


そんな、夢を見てるのかもしれやせん


それがあるから、一緒にいるのかもしれやせん


まあすくなくとも、しばらくは離れる気はありやせんよ


それに、あんたのことやあの場所のこともあるでやんすからね



・・・この恩を、返すまで

自分の弱さ、小ささを受け入れる強さが、スーハにはあります

それを認めた上で足掻く姿は、醜く見えるようで、とても尊いものだと思うのです


小さき者にエールを

きっとその一歩が、この世で一番大切な物だと思うから

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