羽がない僕ら
掲載日:2026/06/19
夢見がちなあの子に
出来やしないって
言い続けたあの頃の僕は
本当に間違っていなかったんだろうか
理想を現実に持ち出すとき
たいていそれは物理法則を無視した
どうしようもない幼い落書きにすぎない
それでも理想を夢として見てしまう
なぜならこの大きな空の下で毎日を
生きているから
生きているかぎり
理想はいつだって
僕らの背中を
そっと撫でてくる存在なんだと思う
夢見がちなあの子の横顔を
笑った自分を思い出すたび
胸のどこかがきゅっと痛む
否定したのは
あの子じゃなくて
きっと自分自身の成りきれない過程だった
現実は重力みたいに
いつだって僕らを地面へ引き戻す
でも空を見上げることまで
奪われたわけじゃない
だから今日も
不格好な身の程を
胸の内ポケットにしまい込んで
誰にも見せないまま歩き続ける




