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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街・激闘編
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ヒナコデスの戦い

ラーメン熱が冷めた。

俺は確かにラーメンを求めた、しかし渾身の想いでラーメン三剣士と共に作ったラーメンの味は、

「ま〜こんなもんかな」と言ったレベルだった。

正直美味いとは言えなかった。豚骨が手に入らないからといってモンスターを出汁にすればそんなもんかもしれない。

一口啜るだけで満足した、そして思い出した。

俺はラーメンよりペペロンチーノが好きだった事を。

ラーメンはもういいです。ラーメン三剣士に任せよう。

彼等が努力すればペペロンチーノを超えたラーメンが作れるのかも知れない。

宿でペペロンチーノが頼める事を知った俺はラーメンへの情熱を捨てた。


翌日工場での作業中、ふと思う。

カレーが食べたいと。

ウェックス商会のミネルバさんの指示でサボテンを出さなくて良くなった俺は、現在余裕モードである。

塩7ペットボトル3の割合でのんびりやってるし、塩に関してはリュックの中に筒を突っ込んで

「塩!!」と念じたら出続ける事を発見してからは放置している。

余裕があるとゆとりが生まれ、そして欲望が生まれる。

俺の今の欲望はカレーだと自覚した瞬間だった。

「おい、カシム。カレーが食べたい」

「カレー?何ですかそれは?マシンレディは知ってますか?」

「ガガガ、ギギギ」

カレーが何かと問われると凄く困るぞ?昔読んだ本でインドにカレーと言う概念は無いとかなんとか、

日本人で例えると「醤油で味付けした料理」を海外の人達から「ショーユー」と呼ばれる感じだとかなんとか、くそう何て説明すれば良いのか!

「えと、色々な香辛料を使った複雑な味わいの黄色いスープ的な物にナンと呼ばれるパン的な物やライスを付けて食べる食べ物だよカレー」

「黄色のスープにナン?ですか?うーん」

ダメか、この世界にはカレーは無いのか。又一から自作するしか無いか〜、

カレー三剣士にアイツらなってくれるかな。

「辛いのが美味しいみたいな黄色のスープなんだけどねー」

「ああ!カリィの事ですね!」

おお!!カレーが有るのか!

「カリー!?」

「いえいえカリィですよヒナコデスさん、カリィ」

「だからカリーだろ?」

「ノンノンノン、カリィ!」

「かりぃ」

「ワンモア!カリィ!」

「カリィ」

「ok、カリィが食べたかったのですね、カリィなら私の知る店で食べれますよ」

おお!カシム使える!!流石困った時のカシムさん!

「おおおカレーが食べれるのか!」

「ノンノンノン、カリィ」

「カリィ食べたいです」

「ok、カリィが食べたかったのですね、カリィなら私の知る店で食べれますよ」

カシム、ムカつきます。カシム、ムカつきます。

「そこへ是非連れて行って下さい!お願いします!!」

「ok、では今日の昼食はカリィにしましょう」

やったー!!ナンでも良い!カリィが食べれる!!

昼食時、俺とマシンレディはカシムに連れられ街の食事街へと向かう。

うぉー、何カリィかな〜!カニカリィだったらどうしよう!嬉しくて悶絶するぞ!?

「おーいヒナコデス!どこ行くんだ?」

あ、瀕死からラーメンの力で復活したラングだ、偶然だな〜。

「今から俺たち赤毛連盟でカリィを食べに行くんだけどお前も来るか?」

「カリィ?」

コイツもカリィを知らないか、説明面倒だなー。

「辛くて黄色いスープにパンとかライスとか付けて食べる物だよ」

つか、この世界にライスあんのかなぁ、見た事無いぞ。

「なんだカレーライスの事か、カリィとか変な言い方すんなよ」

な!?

「カリィ食った事あんの!?」

「つかカレーは誰でも食うだろ?ハンバーグカレーとか。お前相変わらずアホだよなぁ」

怒りの余り逆水平チョップをラングへ叩きつける。

うぉ!?又胸の弾力で弾かれた!?なんだよコイツ!!

「うご!?だから逆水平チョップはやめろってヒナコデス!!」

怒りの視線でカシムを睨む。

「カリィライスですよラングさん、カリィライス」

「かりぃ?」

「ノンノンノン、カリィ!」

「カリィライス」

「ok!良いですよラングさん、発音は大事ですからね」

「ヒナコデス、お前カリィライスも知らないのか、相変わらずアホだよなぁ」

コロス!コイツらコロス!

「ガガガ、ギギギ、カレーライスおいしいですわよねー、私の好物ですわ」

「ノンノンノン、カリィ!」

「ガガガ、ギギギ、カリィライスおいしいですわよねー、私の好物ですわ」

コイツら全員コロス!!

俺が左腕のサポーターの位置調整を始めた時だった、あのカリィ独特の香りが漂ってきたのは。

「さぁ着きましたよカリィ専門店ナマステーです」

いやナマステって!インドの挨拶じゃんよ!!つか店長絶対インドからの転生者かなんかだろ!?


俺は出されたカリィライスをひと啜りするなり涙を流す。

ライスが存在した事もだが、ナンもライスもお代わり自由だったからだ。

「こんなに美味いカレーライスは食べた事が無い!!シェフを呼べ!シェフを!!」


呼んだら出てきたシェフが金髪イケメンでインドからの転移者には程遠く、

カレーは結構ポピュラーな料理でライスも珍しく無い事を知った俺は、

シェフが転生者では無い事を理解し知識チートとして、カレーにカツを乗せる事を提案するも、

シェフから「古いっすねーそれ時代遅れですよ」と笑われた。

カレーライスは心から美味かったが一日を振り返るとなんだかモヤモヤするそんな戦いの一日だった。



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