こころ
こころ
「それは、ないよ」
「そんな余裕はなかった。きみにあうまで、こんなことは、考えてもみなかった。
愛を考えるなんてね。会社を大きくすることだけだったよ。
僕のこころは、アイのことだけだよ。」
「分かったわ、でもね、ジェイ、あなたは、私のすべてを受け容れてない。
分かるの、ジェイの気持ち。
わたしも、1年のあいだ、考えて来たの。ジェイに、毎日、夜、声を掛けながら、また、今日もダメだった、いつ会えるのかと、不安と戦いながら、の1年、この1年が、わたしを変えたの。
初めて会った時、だから、ジェイの全てを受け容れられた。
でも、ジェイは違う。この前、わたしのことを知ったばかりよ。だから、まだ、鮮明に、前の世界のわたしの顔、姿、形を覚えているはず。
ジェイのこころには入れないけど、気配が聞こえるの。わたしの全部を受け容れてない。
今のわたしは、姿、形、顔が、前とは全然違ってる。これを、まだ、ジェイは、受け容れていないわよね?」
「そうか、そうかもしれない。」
「最初に、アイのこころに入ったのも、アイの全てをみれば、アイのすべてを受け容れられると思ったのかもしれないな。
最初、ラーニンで会ったとき、前の世界でのアイの顔が、今のアイと重ならなかった。それが、気になったのは、確かだ。
でも、こころ、行動、雰囲気。そう、内なるもの、それと、この世とは違う力を持っている。
これは、アイそのもの。
違うのは、外側だけ。
これは、時間だけが、解決できると思っているんだ。
アイのすべてを受け容れるのは、一緒に、いろんなことを、体験する事だと思っている。
アイと僕の時間が、同じ時を進んで行くこと。
まず、アイの疑いを少しでもなくすために、僕のこころへ入るのを許すよ。」
「いえ、それはいらないわ。その術は自分で取得する。
分かったわ、そう、分かったわ。
じゃ、やることを、やっていきましょう、一緒に。
裏切りは無しよ。そのときは、容赦しないから。」




