葬式12 別れ
克慈がクラスメイトの男子から恋愛的な好意を抱かれていた──、なんていう話を堅智さんは面白可笑しく話してくれた。
克慈は嫌そうに顔を歪めて運転に集中していたけど。
楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまう。
堅智さんとお別れをする時が訪れた。
克慈の車が駅に到着したからだ。
克慈
「ほら、駅に着いた。降りろ」
堅智
「サンキュ。マジで、助かった。惠美ちゃん、またな」
惠美
「うん。サオちゃん、元気でね!
{サオちゃん、これ、私のメルアド。お兄ちゃんには内緒ね☆}」
私は克慈に気付かれないように、メールアドレスを書いたメモ用紙をこっそり堅智さんに手渡した。
堅智
「{惠美ちゃん?! サンキュ☆ 後からメールするな}」
堅智さんは嫌な顔をするどころか、嬉しそうに私のメモ用紙を受け取ってくれた。
駐車場で声を掛けられた時は、何だか恐い人って思ったけど、話してみると全然そんな事は無くて、面白い人だって思う。
克慈の友人っていう事が、大きいのかも知れないけど、メルアドを教えても大丈夫なんじゃないかな──って思うんだ。
でも、堅智さんにメルアドを渡した事は、克慈には内緒!
堅智
「名残惜しいから──」
克慈
「いいから駅に入れよ。連絡して来るなよ」
堅智
「素っ気無い奴だな。まぁ、だからこそ、からかい甲斐があるんだけどな!」
ケラケラ笑いながら言うと、堅智さんは私達に手を降って、駅に入って行った。
男子校生だった克慈がどんな生徒だったのかとか、当時の友人関係はどうだったのかとか、私の知らない克慈を沢山知っている堅智さんに、話を聞きたいんだ。
これは克慈の弱点を知れるチャンスなの!!
克慈に『ギャフン』と言わせてやるんだ!!




