異変4 自宅
通行止めの所為で、何時もより遅い時間に家に着いてしまった。
克慈に送ってくれたお礼を言い、家に入った私を出迎えたのは、玄関で仁王立ちしていたエプロン姿のお母さん。
美加
「惠美ちゃん! 遅くなるなら、『遅くなる』って連絡くれないと駄目じゃない!! 全く、いい加減な子なんだから! お願いだから心配させないでちょうだい!!」
惠美
「ご、ごめんなさい……」
美加
「惠美ちゃん、お夕飯は?」
惠美
「……遅くなるからって、食べて来ました……」
美加
「惠美ちゃん! 食べて来るならちゃんと連絡入れなさい!」
惠美
「ごっ、ごめんなさいっ!!」
悳司
「ママ、そのくらいでいいじゃないか。惠美も反省してるよ。そうだよね、惠美?」
美加
「パパ、惠美ちゃんを甘やかさないで!! ちゃんと厳しく言わないと━━」
悳司
「克慈君が連絡くれたじゃないか」
美加
「惠美ちゃん自身から無いのが問題なの! 惠美ちゃん、克ちゃんに頼ってばかりじゃ駄目なのよ! 来年は二〇歳になるんだからね!」
惠美
「……」
美加
「惠美ちゃん、黙ってないで返事くらいしなさい!」
惠美
「はーい」
美加
「何なの、そのいい加減な返事は!! ちゃんと━━」
悳司
「ママ、その辺にしてあげなさい。惠美、早く部屋に行きなさい」
惠美
「は、はいっ。有難う、お父さん!」
私はお父さんに促されて階段を上がり部屋に入った。
近所に聞こえちゃう程のキンキン声で怒っているお母さんは、ヒステリックな訳じゃない。
世間では子供に無関心な親や、子供と距離を取ったり、干渉しない親も多いらしいけど、私はそんな親は嫌だ。
キンキン声で煩くて、鬱陶しいって思っちゃうけど、ちゃんと怒ってくれるお母さんが好きだったりする。
怒ったお母さんを宥められるのはお父さんだけ。
毎度、地雷を踏んでお母さんを怒らせちゃうのは私で……。
大爆発して手が付けられなくなったお母さんを宥めてくれるのは、やっぱりお父さんで……。
いつも不思議に思うんだけど、お父さんはどうやってお母さんを宥めたり、お母さんと仲直りしてるんだろう?
何かコツがあるのかな?
コツがあるなら教えて欲しいよ。
お母さんが落ち着くまで暫くは一階には降りれないな〜。
お風呂に入って寝たいんだけどな。
……しょうがないから、今の内に明日の準備をしておこう。
呼ばれたら直ぐ、お風呂に直行出来るように準備は忘れない。
う〜ん、明日の服装はこんな感じでいいかな?
たまにはスカートでもいっか。
美加
「惠美ちゃん、何時まで部屋に居るつもりなの! 早くお風呂に入りなさい!」
お母さんのお呼びだ。
私は用意していた着替えを持って脱衣所へ向かった。
あっ、そうだ、蓉子と朋ちゃんに連絡しないと!
二人共、通行止めと関係ないよね?
連絡は……、入浴後でいいよね。
入浴を済ませた私は部屋に戻ろうとしたけど、お父さんがテーブルで何かをしていた。




