お祓い5 U子
……そうだ、私はU子さんに話さないといけない事があったんだ。
舜也さんの事だ。
これを話したら、私もあのサービスエリアに行っていた事になる。
U子さんは遺さんを知らないから、私がサービスエリアに居たとバレても別に問題は無いと思う。
『何でサービスエリアに居たの?』って聞かれたら、『上司とデートしてました』って言えばいいよね。
嘘じゃないもーん。
惠美
「あの、U子さん……」
U子
「惠美さんだったわね? 何かしら?」
惠美
「……、舜也さんの事なんですけど……」
U子
「あぁ、舜也が来てないのが気になったのね? 智沙から聞いてないの?」
惠美
「はい?」
U子
「舜也はね、来れないの。私を置いて遠い所へ逝ってしまったから……」
惠美
「……遠い所へ?」
U子
「舜也はね、お星様になったのよ。意味、分かるわよね?」
惠美
「あの……、ごめんなさい……」
U子
「いいのよ、別に」
惠美
「……U子さんは悲しくないんですか? 舜也さん━━恋人が亡くなったんですよ? もう二度と会えないんですよ?」
U子
「そうね、その通りね。でもね、どうしようも無いのよ。舜也は私より友達を選んだの。その瞬間、舜也に対しての愛着が消えてしまったのよ。同情はしてあげるわ。でもね、それだけなの。もうね、どうでもいいのよ。男は舜也だけじゃないもの。そうでしょ?」
惠美
「……、U子さん……」
U子
「惠美さんは変わってるわね」
惠美
「えっ?? 私って変わってますか?」
U子
「舜也は彼女だった蓉子さんを裏切って悲しませた男なんでしょ? そんな男の肩を持つなんて、惠美さん変わってるわ。それとも、ただの偽善者かしら?」
惠美
「……偽善者? 私が??」
U子
「大切な友達を裏切って悲しませた舜也に対して『ざまーみろ』って思っても罰は当たらないんじゃないかしら? 違う?」
惠美
「……分かりません、そんな事っ! 私はただ……」
U子
「ニュースや新聞で見たとは思うけど……、民間のヘリコプターがサービスエリアに墜落した事故があったでしょ? 舜也ね、友達と其処に行っていたの。運が悪いと思わない? あの日、私とデートしてくれていたら、此処に居たかも知れないのよ? 本当に運の無い男よね。そう思わない?」
惠美
「……っ、U子さん……」
U子
「仕方無いのかも知れないわ。舜也は彼女の私より、友達を選んだ。それが舜也の運の尽きだったのよ。舜也の彼女として、同情くらいはしてあげなくちゃ、可哀想よね。そう思わない? ━━ただ、何? 貴女は自分が分からないの? 智沙も可哀想ね。貴女よりも智沙の方が彼とお似合いだと私も思うわ、本当よ。惠美さん、智沙の為に身を引いてはくれないのかしら」
惠美
「……身を引く? 克ちゃんは関係ないじゃないですか」
U子
「関係あるわね。私にとって智沙は善で、貴女は悪になるの。貴女は邪魔なのよ、惠美さん。━━ねぇ、智沙の為に身を引いてくれないかしら?」
まさかU子さんに凹む事をズケズケと言われるとは……。
面と向かって「身を引け」とハッキリ言われるなんて……。
『克ちゃんには彼女が居るんです』と言ってもU子さんには信じてもらえなかった。
嘘じゃないんですよ、本当(?)に居るんですよ、会わせて貰った事はありませんけどね!!
U子
「惠美さん、男は彼だけじゃないわ。もっと視野を広げて見て。惠美さんなら、彼よりも素敵な男性を見付けられるわ。ね? 考えてね」
私の肩に手を置いたU子さんは、甘い声で私の耳元で囁いてから行ってしまった。
……やはりだ。
智沙は克慈に対して、本気らしい。
克慈に智沙が本気だと話した方がいいのかな?




