お祓い3 神社外
智沙
「克慈さん、此方でーす!」
智沙だ。
まるで子供が瞳を輝かせながら、ご当地ヒーローに元気に手を振るような光景だ。
眩しっ!
そんなに克慈に会えて嬉しいのかな?
……そっか、季喜の御葬式以来になるんだっけ。
智沙は彼女の居る克慈を諦めていないみたいだ。
どうした事だろう?
何か吹っ切れたような清々しさを智沙から感じるんですけど?
憑き物が落ちたっていうか……、お祓いをするからかな?
克慈
「智沙ちゃん、久し振り。元気そうだね」
智沙
「はい。今日は来てくれて有難う御座います♪ 会えて嬉しいです(ハァト)」
克慈
「惠美の付き添いだけどね」
智沙
「惠美ちゃんはいいですね。克慈さんの近くに何時も居られて。羨ましいです」
克慈
「妹の特権だからね」
智沙
「……妹、ですよね?」
克慈
「何?」
智沙
「いいえ、此方です」
克慈と智沙、なんか親しそう……。
季喜の御葬式の時、二人の間に何かあったのかな?
今の二人の間に割って入るなんて出来ない……。
克慈、彼女が居るんじゃないの?
彼女が居るのに智沙と親しくしてていいの?
……、克慈の彼女は私の事をちゃんと知ってるのかな??
善朋
「神社か、一〇数年振りだよ」
蓉子
「そうなの? 私もかも。智沙、本当にお祓いしてもらうつもりなのかな?」
善朋
「だろうな。D男さんとU子さんも来てるし、本気なんじゃないのかな」
蓉子
「お祓いの値段って幾らするのかな? 私、初めてなの」
善朋
「僕もだよ。高いのは嫌だな。来月、待ちに待ったDVDが発売されるからさ」
蓉子
「DVDって映画の?」
善朋
「いや、特撮モノ」
あっ、蓉子と善朋も何かいい感じ?
二人で何んの話してるんだろう?
……私一人だけ、あぶれてるじゃん。
克慈
「惠美、行くよ」
いい感じの蓉子と善朋を見ていた私の腕は、克慈に掴まれた。
惠美
「克ちゃん?! 智沙とはもういいの?」
克慈
「何が?」
惠美
「話してたじゃない」
克慈
「終わったからいいよ。惠美はお祓い受けるの?」
惠美
「え……、どうしたらいいかな? 克ちゃんは受けるの?」
克慈
「受けないよ。必要ないから。言ったでしょ」
惠美
「どうして?」
克慈
「信じてないからね」
惠美
「何を?」
克慈
「呪いとか祟りをだよ」
惠美
「どうして信じないの?」
克慈
「原因を解明しないと解決しないからね。お祓いは一時凌ぎで気休めでしかないよ。原因の解決にはならないからね」
惠美
「何それ? 前も言ってたよね、それ」
克慈
「知りたいなら行こうか」
惠美
「行くって何処に?」
克慈
「蒔邑神社」
惠美
「……蒔邑神社って、あの石段の長い寺社だよね?」
克慈
「そう。行く?」
惠美
「克ちゃんが行くなら……行こうかな」
克慈
「なら、今度の日曜日に行くから」
惠美
「う、うん。分かった」
克慈
「お祓いは、五千円~三万円の間らしいから」
惠美
「えぇ?! そんなにするの?! そんなに持って来てないよ……」
克慈
「俺と見学しようか」
惠美
「蓉子と朋ちゃんはどうするのかな? 聞いてくるね」
克慈
「……」
惠美
「あの、腕……離してくれないと……」
克慈
「後で聞けばいいよ」
惠美
「でも━━」
克慈
「二人の邪魔したいの?」
惠美
「……あ、そっか……。克ちゃんって気が利くね」
克慈
「惠美が鈍いだけでしょ」
惠美
「酷いっ!!」
私は克慈に腕を掴まれたままの状態で、明らかに私に対して笑っているD男さんとU子さんに挨拶をした。
挨拶が終わったくらいに智沙が来て、私達は神社の中へ案内された。




