異変4 自宅
家に着いた私は克慈の車から降りて、家に入った。
もうっ、何なのさ!
教えてくれたっていいじゃないの!
明日の新聞で読めって?
克慈ってば不親切過ぎない?
惠美
「ただいま〜」
美加
「お帰り、惠美ちゃん」
惠美
「お母さん! 今日は早いんだね」
美加
「何よ、早く帰って来たら駄目なのかしら?」
惠美
「そんな事ないけど……」
美加
「だったら、そんなこと言わないでちょうだい。惠美ちゃん、着替えたら、お夕飯作るの手伝ってよ」
惠美
「……は〜い」
洗面所で化粧を落とし、部屋に戻って、部屋着に着替えた。
夕飯の支度が済み、食卓を囲み三人で食事を始めると、思い出した様に母が口を開いた。
美加
「そうそう、お昼のニュースで見たけど……、今日、ショッピングモールで原因不明の倒壊事故が起きたんですって! 県外だから良かったけど、恐いわよね〜」
惠美パパ
「ああ、それなら俺も見たよ。地震が起きた訳でも無いのにだろ?」
惠美
「えっ、何々? そんな事故が起きたの?」
美加
「そうなのよ! まぁ、私達はショッピングモールに行くような事は無いからいいけど……、被害に遭った人達は災難よねぇ」
惠美パパ
「そうだな……。リニューアルオープンして三ヶ月も経ってないショッピングモールが倒壊するなんて、誰も思いもしないだろうしな」
惠美
「……ねぇ、お父さん,お母さん、生存者は居るよね?」
美加
「なぁに、気になるの? 食事中のテレビは駄目よ」
惠美
「分かってるよ!」
私は大好きなシチューを食べ終えた後、食器を流台に置く。
さあ、テレビの電源を入れてニュースを━━。
美加
「惠美ちゃん、流台に居る次いでに食器洗いしてちょうだい」
惠美
「えぇっ、嫌だよ!」
美加
「そう? じゃあ、洗濯とお風呂掃除してくれるのね? 助かるわ〜」
惠美
「……食器洗いする」
美加
「そっ、お願いね。ああ、それと〜、洗濯物も畳んで分けといてね。アイロンも忘れずに掛けるのよ」
惠美
「……ひでぇ」
美加
「文句言わないの! 誰のお陰で生活が出来てると思ってるの。お父さんのお蔭でしょ! 嫌ならいいのよ、惠美ちゃんの事は何もしないから!」
惠美
「ちょっ、何でそうなるの!」
美加
「当然でしょ! 惠美ちゃんは自立してもおかしくない歳なんですからね!」
母のお説教の決まり文句は何時も『克ちゃんは一人で』や『克ちゃんを見習いなさい』だ。
何時ものように母に言い返せない私は、大人しく言う事を聞いた。
食器洗いを終え、母に言われた通り、洗濯物をアイロン掛けして畳み、父,母,自分,その他に仕分けした。
その間、テレビは父が独占しており、私はニュースを見れず仕舞いだった。
美加
「惠美ちゃん、それが終わったら食器を片付けてね。ああ、そうそう、お父さんがテレビ見てる間にお風呂入っちゃいなさいよ」
惠美
「……は〜い」
こんなんばっかり。
こう毎日、母に用事を言い付けられると、たま〜にだけど、本当に一人暮らしを始めようかと考えてしまう。
実現は難しいけど……。
乾燥の終わった食器を食器棚に戻した私は、お風呂に入った。




