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☀ イストリゲ~ム  作者: 雪*苺
   【 外出 】
130/156

外出2 車内

 

 克慈の運転で、杏菜が入院している病院に向かっている。


 ちなみに利樹さんと私は後部座席に座っている。


 克慈は何故だか機嫌が悪くて、怒っているのか、ムスリとした表情で運転をしている。


 なんか、恐いです。


 まぁ、いいか。


 克慈の事は横に置いといて、私の左横に座る利樹さんとO子さんの事を話していた。



惠美

「──でも、驚きました。O子さんが実家の御両親と絶縁状態だとか、……絶縁の原因が恋人との駆け落ちとか。……駆け落ち迄した恋人がDV男で、逃げるように別れて、見付からないように引っ越しを繰り返していたとか……。少ししか話してないけど、明るくて元気なお姉さんって感じだったのに……」


利樹

「人ってのは分からないものだよ。深刻な悩みを誰かに打ち明けたり、相談するには、かなりの勇気が必要になるだろう。打ち明けるにしても、相談するにしても、信頼が出来る相手なのかも見極めなければならないしな」


惠美

「それじゃあ、依里子さんはO子さんに信頼されていたんですね! O子さんの事、これだけ知ってるんですもん」


利樹

「……それはどうだろうな。まあ、そうだといいとは思うけどな」


惠美

「違うんですか?」


克慈

「お子ちゃまな惠美には分からないだろうけど、大人の世界が有るんだよ」


惠美

「大人の世界って何??」


克慈

「惠美は知らなくていい世界だよ」


惠美

「お子ちゃまじゃないもん!!」


利樹

なんだ、セット。オノちゃんの婚約者の俺に妬いてるのか? そんなにオノちゃんの婚約者になりたいか? 唯のフリだぞ」


克慈

「違います。俺は妬いてません」


惠美

「ねぇ、“大人の世界”ってなんなの? 二人だけ知ってるなんて狡いよ! 私も知りたい!!」


利樹

「全く……、セットが余計な事を言うからだぞ。オノちゃんは未成年だけど、18歳以上だから教えてやれ、セット。お兄さんが許す」


克慈

「勝手に許さ無いで下さいよ。

(はあ……。絶対に面白がってるな、先輩は)

……若林がレズだからだよ」


惠美

「は? レズ??」



 ………………えと、レズってなんだっけ??


 聞き慣れない言葉に私は思わず首を傾げてしまう。



利樹

「女性が女性に恋愛感情を抱く、同性愛者の事だよ、オノちゃん」


惠美

「えぇ?! 依里子さんが、ですか?? なんか、信じられないんですけど……」


克慈

「惠美は気付かなかったみたいだけどね、若林は惠美をガン見してた」



 爆弾発言(?)を投下されました。



惠美

「えぇぇ?! そ、そうなの? 全然、分からなかったんですけど!!」


利樹

「兄や婚約者が居る手前、何も出来なかったみたいだけどな。あの◯メダ店には、オノちゃん一人で行かない方がいいな」


惠美

「……そ、そうですか?」



 なんだかなぁ……。


 依里子さんがレズビアンだなんて、信じられないよ。


 人って見た目だけじゃ、分からないんだね。


 当たり前だけど??



惠美

「──そっか。克ちゃん、男子校だったもんね。そういうのには敏感なの?」


克慈

「別に。見れば大体分かる」


惠美

「え〜……。分からないよ」


克慈

「それは惠美が、お子ちゃまだからでしょ」


惠美

「また、お子ちゃま呼ばわりしたー!!」


利樹

「ハハハ。

(セットの機嫌は直ったみたいだな。相変わらずチョロインちゃんだな、ハハハ)」



 何が可笑しいのか分からないけど、利樹さんは御機嫌だ。



惠美

「病院に行くのはいいけど、アナちゃんの御両親に会えるのかな? 会えなかったらどうするんですか?」


利樹

「そうだな、O子の実家の場所が判ったら行ってみるか? 遠ければ後日になるけどな」


惠美

「え? O子さんの実家の場所が判るんですか?」


利樹

「まぁな。本名が判れば何度でもなるさ。今、調べさせてるんだ。結果が判れば返信が来るようにしてある」


惠美

「──へぇ! 本名だけで実家の場所が判っちゃうなんて凄いですね!」


利樹

「職業柄な。オノちゃん、杏菜ちゃん,智沙ちゃん,蓉子ちゃんの本名は知ってるかい? なんならついでに調べさせよう」


惠美

「あ、知ってます」



 私は携帯電話を出して、友達の本名を利樹さんに見せる。


 あれ、本名で実家の場所が調べれちゃうなら、態々◯メダに行ったり、病院に行く必要は無いんじゃ……?


 利樹さんに言おうと思ったけど、言うのを止めた。


 克慈が信頼している先輩だし、何か考えがあっての行動かも知れないよね?


 利樹さんは私にメルアドを教えてくれた。


 私も自分のメルアドを利樹さんに教えた。



克慈

「……どさくさ紛れに惠美とアドレス交換しないで下さいよ」


利樹

「連絡先が分からないと困るだろうが。固い事 言うなよ」


克慈

「美沙ちゃんに伝えますよ?」


利樹

「──おまっ、美沙のアドレスを知ってるのか! 油断も隙も無い奴だな」


克慈

「……お互い様ですよ」


惠美

「美沙?? 誰なの? 克ちゃんの知り合い?」


克慈

「俺じゃなくて、先輩の知り合い」


惠美

「そうなんだ?」



 利樹さんの知り合いかぁ。


 仕事関係の人なのかも知れない?


 どんな人なのか気になっちゃうけど、今は利樹さんの関係者でいいや。


 興味本意で彼是と聞くのは失礼かも知れないし。


 私は所詮、克慈の“幼馴染み兼妹 (みたいなもの)”だもんね。


 余計な深入りはしない方がいいと思うんだ。


 私は少しだけ気になる女性の“美彩”さんの事は聞かないでおく事にした。

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