克慈宅6 着信
お風呂から出ると、克慈は未だ、おじさんが好んで見るような番組を見ている。
惠美
「克ちゃん、出たよ」
克慈
「……そう」
克慈ったら〜、番組に夢中過ぎ〜!!
いいや、組み立てたダンボールを寝室に運んじゃおっと。
廊下に置きっぱなしになっていたダンボールを寝室に運ぶ。
大体の私物は寝室に置いてある。
調味料とかは冷蔵庫にあるから、期限が長いのは急がなくてもいいかな。
あ、二一時過ぎかぁ。
見たいドラマがあるけど、当然の如く克慈は見せてくれないだろうな。
録画してまで見たいドラマでも無いし、歯を磨いて寝ちゃおうかな。
私は寝室から出ると、洗面所へ向かった。
歯を磨いている途中で、テーブルに大事な携帯電話を置きっぱなしにしているのを思い出した。
歯磨きを終えてダイニングを通り、テーブルに置いてある筈の携帯電話を探すけど、見当たらない。
惠美
「あっれぇ……、私のガラちゃんが無い? ねぇ、克ちゃ〜ん、私のガラちゃん知らな〜い?」
克慈
「ああ、俺が持ってる」
惠美
「えぇっ?! もうっ、返してよ〜!」
克慈
「惠美、何で佐尾からメール来てんの? 『俺も会いたい』って何なの?」
惠美
「へ? ……えっ?! 克ちゃん、メールを読んだの? 何で読めるの?! ロックしてる筈なのに!!」
克慈
「馬鹿なの? 惠美の携帯のロックの解除くらい出来るよ」
惠美
「な、何でぇ?? 教えてないのにぃ〜!!」
克慈
「いいから、佐尾の『俺も会いたい』って何なの?」
惠美
「えっとぉ〜……」
克慈
「惠美、佐尾にアドレスなんて教えて無いよね?」
惠美
「う、うん。勿論だよっ! サオちゃんが……メルアドを書いたメモ用紙をくれたの!」
嘘を吐きました。
だって、克慈の顔が般若みたいに怖いんだもん!!
堅智さん、嘘を吐いて、ごめんなさいっ!!
私から堅智さんにメルアドを教えた事は、克慈には内緒って事にしてもらってるから、多分だけど大丈夫だと思う!
でもでも、やっぱり、自分の保身の方が大事なのでした。
堅智さんに罪を擦り付けるなんて、私ってば最低だよ!!
克慈
「……油断も隙も無い奴だな。惠美、佐尾のアドレスは消しとくから」
惠美
「えっ?! 止めてよ! 勝手に消すとか酷い!!」
克慈
「佐尾に会うと、もっと酷い目に遭う事になるけど?」
惠美
「何なの、酷い目って?? もう、いいから私の携帯、返してよ〜!」
克慈
「佐尾と会わないなら返すよ」
惠美
「交換条件とか狡いよ!! 会わないとか出来ないよ!」
何で克慈の言う通りにしないと駄目なの??
意味、分かんない!!




