馬車
薬師のミラ、音楽家のヨキ、
羊飼いのコスケ、宿屋のワト、
俺たち即席パーティーは
一番近くの町
サイマタの端まで歩いた。
そこには馬車が用意されていた。
タイヤのついた荷台を馬2匹が引っ張る
簡易的な馬車だ。
もちろん屋根はついていない。
もちろん乗るのも初めてだ。
この馬車はなんと
音楽家のヨキが用意したものらしい。
薬師のミラさんにしろ、
音楽家のヨキにしろ、
それを集めたコスケって一体......。
「ヨキくん。すごーーーい!」
「すごくないですよ、
知り合いのツテを辿って
やっと借りられたんです。
ただ7日間しか借りられなかったので
急ぎましょう。
僕が馬車を操縦します」
そう言ってヨキは
ムチを取り出した。
馬車まで操縦できるなんて......。
「いいなー!
あとで操縦の仕方教えてほしいなー!」
コスケは臆せず言う。
ずるい!!!
俺も操縦してみたいのに!!!
「ワトも操縦したいよねーー?」
「俺は大丈夫」
「えー!
そっかー!」
空気を読んだというか、
なんというか
俺は便乗できなかった。
ずるい!!!
本当は俺も操縦してみたいのに!!!
みんなで馬車の荷台に乗り込み、
町を出発する。
町を出ると、
あれ?
こんな感じ?
と、拍子抜けするくらい
いたって普通の道だった。
村から町へ向かう道と
なんら変わらない。
「もう少し行くと、出るわよ」
出るというのは
やはりモンスターだろうか?
30分くらい経ったとき
コスケが声を上げた。
「でたーーーーーーー!!!」




