薬草
朝起きても熱は下がることはなかった。
朝も自分の店で買った薬草を
一束食べたのだが、
全く効果はなかった。
無理だ。
行けない。
みんなに断ろう。
集合場所まで行って、
自分が用意した持ち物を
みんなに分けて帰ってこよう。
フラフラになりながら
木でできた家を出る。
これから先のことを考えると
足が重い。
心配でほとんど眠れなかった。
集合場所に着くと
既に親友のコスケが到着していた。
「やっほ、やっほー」
コスケは遠足に行くかのように
なんだか楽しそうだった。
そして、やけに身軽だ。
「お、おはよー...
てか荷物少なくね?」
「お金がなくてぜんぜん用意出来なかった。
えへへー」
コスケは必要な持ち物を
ほとんど持ってきていなかった。
上級者のアドバイスを無視して
自分が必要だと思うものを独断で
持ってきているらしかった。
俺はなんだか体調が
よくなってきた気がした。
「ちょっと待て。コスケ......
いま所持金いくらある?」
「もちろん0ゴールド!」
コイツすごいな!!!
「さすがに薬草は持ってきたか?
ミラさんも絶対持って来るように言ってたけど」
コスケはハッ!として
辺りをウロウロし始めた。
どうやら道端の草を引き抜いて
薬草にしようとしているらしい。
そして引き抜いた草の束を
どこかからか取り出した羊の毛で縛っていた。
「よしっ!」
コスケは満足そうだ。
薬草は草の選定や調合が必要なため
店で買うものであって、
道端の草で済まそうなど考える人はいない。
俺は焦って辺りを見回した。
よかった。
ミラさんはまだ来ていないらしい。
自分で食べるならまだいいが、
仲間や竜に襲われた人には
頼むからそれを食べさせないでくれ......
コスケを見ていると
俺でもなんとかなるかもしれない
と思えて俺はなんだか元気になってきた。
コスケの姿は
俺にとって薬草以上の効果があった。




