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全壊
夕方を少し超えたくらいだった。
まだ暗くはない。
目の前の光景に
言葉が出ない。
寝ていたであろうベッドが
剥き出しになっている。
机がひしゃげている。
家の外にいるのに
家の中の様子がすべて見える。
石壁の一面が丸ごと
なくなってしまっていたからだ。
その一面を担っていたであろう石たちは
道にはみ出し、
俺たちの行く手を阻んでいた。
その向こうには
2階建てだった家が
潰されて1階建ての家になってしまっていた。
もともとあった1階部分は潰され、消滅し、
2階部分が下へ落ちて1階となっていた。
その向こうには
家の部分がすべて潰され、消滅し、
屋根だけになってしまった家。
ここから見える家々は
ことごとく竜にやられてしまっていた。
あまりにも。
声が出ない......。
これがもし
自分が生まれ育った家だったとしたら?
自分の母や父は
どう思うだろう。
母と父が
悲しむ顔が浮かんできた。
涙が出そうだ。
家が潰されていることは
村を出る前から知っていた。
だが情報として知っている潰された家と
実際に今、
自分の目で見る潰された家は
全く違うものだった。
あまりにも......。
あまりにも.......。
竜の被害を目の当たりにして
緊張感も一気に高まる




