卑弥呼
更新が遅くなり申し訳ありません!
卑弥呼。
大昔に邪馬台国の女王として君臨していた人物。
そんな卑弥呼を仲間にする為に、ニニギノミコトは福岡へ向かったという。
そして、そんなニニギノミコトを追いかけるかのように俺たちも福岡へ向かっていた。
もちろんウズメの家や学校、その他諸々はフィーネのリライトで上手く誤魔化してだ。
「卑弥呼が問題児ってどういう事なんだ?やけに高飛車な性格とか?」
俺はウズメに尋ねた。
移動手段はいつものようにトラックで、俺たちは荷台の上にいた。
「いやいや、むしろ逆だね。卑弥呼は心優しく、そして気の弱い女性なんだよ」
「気が弱い?」
イメージとまるで違う。
「卑弥呼は本来なら女王になるような女の子じゃなかったんだよ。ただ、能力の発現が早かった。しかもタイミングも悪かったんだよね」
「能力っていうと予言か?」
「そう。正確には未来視だね。これから起きる事を感覚的に見ることが出来る力だよ」
「タイミングっていうのは?」
「たまたまね、偉い人達が見回っていたときに発現してしまったんだよね。最初は本人も訳が分からず、これから起きる良くないことを教えてあげようとしたんだけど、そんな力があると分かったら放っては置かないでしょ?」
あぁ、なる程。だいたい理解出来た。未来視のために無理矢理....
「あれ?それなら女王にする理由が無くないか?誰かが王になって、自分の近くに置いて未来を見させれば良いじゃないか」
「それはね、卑弥呼が気が弱い事に原因があってね」
⁇
「当時の王様といえば不安な事って何があると思う?」
「えっ?暗殺とか?....!!」
「気づいたみたいだね。王様になると暗殺されるかもしれない。なら、いっそ気の弱い人間を王様にして、自分が裏で操ればいい。当時の偉い人達はそう考えた。しかも未来視なんて能力付きだから、祀り上げるのに苦労はしないし」
「それは嫌だな。身代わり人形みたいだし、利用されているのも気に入らない」
そう考えると、可哀想な感じがした。
「卑弥呼だってそう思ったと思うよ。だけど未来視の力しか無いし、その力もまだまだ思うように操れない。言いなりになるしかなかったんだろうね」
ウズメの表情が少し曇った。
「だけど、未来視も次第に操れるようになったんだろ?ならその時に逃げれば良かったのになんでそうしなかったんだろう?」
そんな俺の質問にフィーネが答える。
「未来視というものは必ずしも良い未来が見えるものではありません。現状の未来しか見えないのです。
逃げずにいる事で、少なくとも周りの人が生きている未来が見え、仮に逃げれば大切な人が死ぬ未来が見えたのでしょう」
「未来の選択が出来るって事か?」
「えぇ、ですが未来というものはこれから辿り着く運命でしかありません。そして運命というものは数多くの分岐点があるのです。それは小さな分岐から大きな分岐まで様々です。その全てを見ることは不可能に近いです。なのでおおよそ決まった二択、大きな分岐の選択になる事が多いと思います。この場合は、例えばどこかに少し隠れて、そのまま隠れた場合の未来では大切な人の死が、出ていけば生が見えたのでしょう」
話が難しいな。
「なら、見える未来を受け入れるしかないということか?」
「彼女の場合は偉い人の言いなりになって、大切な人達を守るという選択をしたのです。逃げるという選択もあったでしょうが、それは選択しなかった。それだけのことです」
フィーネは淡々としていた。
「でもその話を聞く限りではとても問題児には思えないんだけど」
「もしも君が同じ目にあったらどうする?」
ウズメがそう聞いてきた。
「うーん、色々試してみるかなぁ?」
「違う違う。そういうことじゃなくてね、人を信じられなくならない?疑心暗鬼にならないかな?」
「...なるな。そういうことか!」
「そう!今の彼女は誰も信じない。殻に閉じこもっているんだよ。当時もそうだったから。部屋に引きこもって、人との交流を避け続けた」
それでニニギノミコトが急いで福岡に向かったのか。
やっと理由がわかった。
「でも、それならウズメが行った方が良かったんじゃないか?なんといっても天照を岩戸から出したくらいなんだし」
「卑弥呼が同類ならイケたんだろうけど、彼女は人間だからねー。私の力が通用するかどうかわからないんだよね。ニっちゃんなら、高天原から地上を制定するように言われているから、なんとか出来るかなと思ったんだよね」
あぁ、卑弥呼は日本神話じゃなくて日本史か...。
ややこしいな。
「とは言えハーモニアである程度は仲良くなれるとは思うんだけど、卑弥呼の未来視で全部バレてる可能性が高いんだよね。そうなると、打算で動けは全部裏目にでるから、そういう意味でも愚直なまでに真っ直ぐなニッちゃんの方がやっぱり適任だろうね」
「とにかく出たとこ勝負ってことか」
「まっ、そうなるねー!だって全部バレるんじゃどうしようもないし!」
思った以上に手こずりそうな気がするなぁ。
そんな不安を感じながら、俺たちを乗せたトラックは福岡の県境を越えた。
仕事やプライベートがバタバタしているため、更新が遅くなるかと思います。本当に申し訳ないです。




