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第一話『戦巫女と不幸な彼女』2

  ★ヒロイン★

 退魔士を家業とする人達がいる。

 人に害なず世界の理とは違う法則『魔法』を宿したもの、もしくは、そのものを退ける事を生業とする者。

 それが退魔士。

 そして、私の家も退魔士の家系で、幼い頃からその為の修行をし、中学生になってからは退魔の仕事もさせられている。

 退魔は、私としてはほとんど日常だからいいけど………こう、なんであの二人がいない時に仕事を回すかな………。

 私はそう思いながら、全速力で走っていた。

 さっき倒しそこなった一匹の『魔物』を追って。

 魔物は、名の通り、『魔法が宿った物もしくは動植物』の事で、頻繁に発生しては、人を襲う。

 魔法は、本来この世界にない法則だから、それをこの世界に留める為にはそれなりの『魔力』が必要になる。だから、その魔力を生成する為に、この世界の中で最も意志力を保有している人間を食べようとする。

 何故なら魔力は、別名『根源意志力』と呼ばれる意志力の最小単位=『在ると言う意志』で構成されているから。

 だから、魔法をその身に宿す存在にとって、魔力その物に次いで、人間は美味しそうに見える………とか。

 迷惑この上ない話だけど、幸いなのか不幸なのか、普通の人達はその事を知らない。

 魔法そのものがこの世界とは違う法則だから、普通の人が認識出来ないとか、世間が混乱する為に政府が秘匿しているとか、色々な理由があってそうなってるらしいけど………それでも、時々、普通の人が巻き込まれる。

 私がやっと逃げた魔物『影狼』に追い付いた時、公園の真ん中で唸っている影狼とすぐ傍で倒れている女性がいた。

 巻き込んだ!?どうして?人払いの結界ちゃんと張ったはずなのに!

 私はそのあり得ない事に驚愕するしかなかった。

 人払いの結界は、退魔士が退魔を行う際によく使用する『魔法の一種』で、一定の範囲内の普通の人などをこの世界とは少し『ずれた世界』に移動させる。ずれた世界にいる人達は普通に生活出来て、結界の外に自由に出入り出来るけど、結界の中(元の世界)にいる存在は、結界を張ったものの許可なしには出入りが出来ない仕様になってる。だから、退魔する対象をその範囲内に閉じ込める場合にも使うんだけど………。

 っと言うか、今深夜よ。なんで女性、が一人で公園にいるのよ!?

 っと心の中で怒りながら、私は一気に間合いを詰め、影狼に斬り掛かって、倒れている女性から離す。

 剣先を影狼に向けながら、倒れている女性を見ると、女性は意識があって、血を流している片腕を抑えていた。

 「……お姉さん大丈夫?」

 「え?ええ」

 頷く女性……お姉さんは流れている血の量にしては元気があったので、私は視線を影狼に向けた。

 改めて影狼を見ると、何かを食べてていて………え?食べてる?

 その事に気付いた私は、改めてお姉さんを見ると、お姉さんは抑えていた腕から手を離していた。

 そこには血を流しているはずの傷が何処にも無くて、ただ破れて血の染みた袖があるだけ。

 それでピンときた。ううん。結界の中にいる時点で気付くべきだった。

 だから、思わず思った事を口にしてしまう。

 「お姉さん。何者?人間?」

 「え?」

 「え?って……」

 私の問いに呆けるお姉さん。

 仕方がないので、私は私の中にある力との『共鳴率』を上げた。

 それでようやく気付いた。

 お姉さんは人間。だけど、そのお姉さんの血に……いえ……その身体に、『膨大な魔力』が『蓄積されている』事に………


  ★相島★

 私の身体は普通の身体じゃない。

 それには気付いたのは、私が幼い頃、お腹に出来た『宝石みたいな石』を取り出す為に病院に入院した時。

 その時は麻酔で眠らされていたから分からなかったけど、石を取り出そうと私の身体をお医者さんが切ると、切った所から身体が急速に『再生』されてしまって、石を取り出す事が出来なかった。

 その事が切っ掛けに、私は何度も誘拐されそうになったりして、その度に誰かから逃れる様に何度も私の家族は引っ越し………両親は離婚してしまって………。

 だから、私は自分の身体の事が嫌いだった。

 その身体のおかげで普通の人以上の身体能力を持ってたり、病気とか怪我とかしても直に治ったから病院知らずだったけど………。

 「まあ、なんでもいいや。今はそれどころじゃないし」

 私に人間?って聞いてきた女の子がそう言って、私のバイクを見た。

 「あれ、お姉さんのバイク?」

 「そうだけど……」

 「じゃあ、直ぐにエンジン点けて」

 「え?」

 「ここから逃げるの!」

 それまで余裕のあった女の声が、急に焦った声になったので、私は女の子の視線が向けられている方向を見た。

 そこには黒い狼がいて……………その身体が分裂した!

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