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レナーテ参上

 翌日は夜会の予定がないのでレオとアーサーと三人で帝都の街を散策することにした。

 皆へのお土産も買いたいと思っていたから丁度良い。


 マリーも一緒にと誘ってみたけれども、マリーはもうすぐ行われる皇宮での夜会のコンセプトを考えたいからと断られた。

 マリー気合い入ってるわね。でも程ほどで良いからね、程ほどで。


 三人なので馬車を用意して出かけようとしたら、玄関にニコニコ笑顔のレナーテがいた。


 沈黙が流れる。


「・・・クラウディア」

「はい!」

「これは君の仕業かな?」

 

 イイエ、マサカ、トンデモナイ。

 ただ昨夜雑談の中で明日の予定は?って聞かれて帝都にお土産を買いに行くとは言っちゃったかなぁ。

 アハ、アハハハハー。


「本日皆様が帝都の街を散策されるということで、不肖私めが皆様の道案内をさせて頂こうと思いまして馳せ参じました」

 レナーテ、皆様って言いながらレオしか見てないわよあなた。


「そうですか、しかし帝国の皇女様にわざわざ案内して頂くのも恐れ多い事ですからお言葉だけで結構です」

「帝都の街には私お勧めのカフェもございますのよ。一応プランと致しましては宝飾店や雑貨店を巡って疲れたらカフェで休憩なんていかがでしょうか」

 レオの腕に手を絡ませてプランを披露するレナーテ。

 どうしてもついて行くという強い意志を感じるわ。


 私は別に一緒に行っても構わないけど。帝都の街に明るい人がいれば時間短縮にもなるし、皇女様お勧めのお店なら外れもないだろうし。

 ただレオとレナーテの二人を守らなきゃいけないアーサーの負担や、確実にレナーテに絡まれるであろうレオの心境を考えると気軽にOK出来ないから私は黙っておく。


「皇女様が気軽に街に出ては危険ですのでお帰り下さい」

「あら、帝都の治安は安定しておりますし、なんといっても私は聖女の上精霊の加護持ちですのよ。そんな私を害することの出来る人間などこの世にはおりませんわ」

 え、そうなの?精霊の加護ってそんなに万能なものだったの?神馬にどんな効果があるか聞いてなかったわ。また知り合いの精霊を探しに飛んで行っちゃったから、今度戻ってきたら聞いてみよう。


「ねえ、宜しいでしょう?決して皆様のご迷惑にはなりませんわ。そうだ、帝都を一望できる高台なんかもありますのよ。一見の価値ありでしてよ。ご案内しますわ」

「帝都を一望ですか」

 レオが少し心引かれたようだ。


「そうですね、帝都の街を良く知っている方がいらっしゃるとより楽しいかも知れませんね。それでは皇女様案内宜しくお願い致します」

 てっきりなんとしても断るかと思ったけれど、あっさりとレオは同行をOKした。

 なんか、胡散臭いわね。


 まあ、レナーテは喜んでいるから良いか。


「レオ」

 アーサーが反対の意思を表明する。


「アーサー様宜しければカーラ帝国が誇る天才鍛治士のいる武器屋もご案内致しますわ。インディア国とは剣の形が少し異なりますから、宜しければお手に取って見て下さいませ」


 その言葉にアーサーも押し黙る。

 コラ、アーサー。この剣フェチめ!


 結局レナーテの思惑通り4人で出かけることになった。

 レナーテは私の隣にスススとやって来ると、

「Wデート楽しみましょうね」

 と囁いてきた。


 いつの間にやらWデートということになったらしい。

 前世では一度もしたことないわ、なんかリア充の青春っぽくて良いわね。


 学生の青春扱いするにはちょっと皆の身分が高すぎるのと関係が複雑すぎるけど。

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