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かわいくなりたい!  作者: Mt.danple
ファッション
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冬コーデ 前編

久しぶりの更新です!かわくてピュアな話が書いてみたいというピュアさの欠片もない欲望から生まれた作品です。お楽しみ下さい!

 「えっと,,,その服は何かな。」

 「え?かわいい?かわいくない?」

 「なんで服の真ん中に熊っていう漢字が赤と黄色の派手なポップででかでかと書いてあるか、聞いてもいい感じですか?」


―――――――――――――


 はるは服のセンスが皆無である。それこそ、流行りの服が似合っていないとか、コートのサイズ感がちょっとおかしいなどという生易しいものでは無い。「熊」という漢字がでかでかと書いてあるシャツなんて、観光に来た外国人でも多少着るのをためらうと思う。そう、はるはダサい服を見つける事に関して、類まれなる才能を持っているのだ。


 「ねえ、この服はどう?こういち?」

 「,,,ノーコメントで。」

 「えー!?なんで。何が駄目なの!?」

 「色。」

 「えー、この色好きなんだけどなぁ,,,」

  はるが持ってきたのは黄色とピンクのストライプ。毒キノコかて。


 「そもそも、なんで服なんて買いに来たの?服のセンスが悪いのなんて、ずっと前からのことじゃん。別に今更じゃない?」

 「だって,,,かわいくなりたかったんだもん。

 「うーん、ちょっとやめといたほうが良いんじゃない,,,?」

 「なんで!?じゃあ、かわいいって言ってよ。デートに来て、まず初めにがっかりした顔された時、ほんとに傷ついたんだから!責任取ってよ!」

 「え、気にしてたの!?」

 「してるよ!楽しみに服を何回も選んだのに,,,そのたびにがっかりした顔してさあ,,,」

 「だって、はるがその後もなんだか奇抜なファッションで来るから、あんまり気にしてないのかなって,,,。」

 「,,,,,,。」

 はるが俯く。泣いている!?やばい、流石に言い過ぎたか⁉

 「もういい,,,帰る,,,。」

 「え、ごめん!なんか気に障った!?」

 「うっさい!話しかけんな!」


 走り去る彼女とそれを追う周りの人の目つきは次第に僕の方に流れて来た。そして、周囲の視線は僕に集中する。居心地が悪い。


 やってしまった。はるが珍しく服を選びたいなんて言ってきたから、すこしからかってしまった,,,明日パフェでも奢って謝ろう。なんてことを考えながら家に帰り、布団に潜り込んだ。そして、藩制しつつ寝た。


 ――――――――――


 「で、私に何をしてくれるわけ?」

 「え、やっぱパフェだけじゃ許してくれませんか,,,」

 はるはなおも不機嫌だ。頬を膨らませて、すこし涙目で。

 「あったりまえでしょ!仮にも彼女にダサいだの、かわいくないだの、みのむしのがお洒落だの。好き放題言ってさ!」

 「そこまで言ってないよ,,,でも、なんであんな服着てくるの?もっとなんか無かったの?こう、みんなが着てるような。。。」

 「ないけど、私の服ってそんなにかわいくない!?」

 「うん、悪いけど。わざとかなってくらいファッションセンスは皆無だね。」

 「うるさい!うるさいうるさいうるさい!そんなに言うならこうすけの手で私を可愛くしてみせてよ!」

 ぽかぽかと叩かれ、怒られる。もったいないなぁ,,,

 「,,,分かった。いいよ。」

 「ふぇ,,,?」

 「はるは、僕にとって世界で一番かわいいから、みんなが見ても世界で一番かわいい女の子にしてあげる。」

 「え,,,あ、ありがと,,。」

 わかりやすく照れている。いいじゃん。こんな顔が見られるなら、僕だっていくらでも頑張る訳さ。うむ、それじゃあ手始めに,,,

 「よし。案内してもらおうか。」

 「え、どこに?」

 「決まってるじゃん。はるの部屋。クローゼットにせめて普通に着られる服がないか探させてもらうよ。」

 「ええ、まあいいけど。なんかちょっと恥ずかしい,,,」

 「よし!行こうか!」

 「え、スルー!?」


 はるのクローゼットを開けて出てきたのは、まばゆいきれいな服、ひらひらのかわいい服,,,ではなく、いわゆる、警戒色の服だった。

 「これはひどい」

 「どう?使えるのありそう?」

 「うーん,,,」

 そう言って僕は服を漁る。え、いくらはると言えど、こんなに使えない服しかないものなの?いやいや、2,3着くらいはあるでしょ。

 「ない,,,」

 「なにが?服ならいっぱいあるよ。」

 「違くて。」

 口を動かしながら手を動かす。これは?,,,ダサい。これは?,,,焼肉って,,,ええ,,,。結構な時間探し続けた。はるは本当にかわいい服を持ってないのね。諦めようとした時、一枚の服が目に入った。うん?これは?

 「ねえ、はる。これかわいい。これどうしたの?」

 「え、なにそれ,,,あ!分かった!1年前くらいにおばあちゃんが誕生日に買ってくれた服だ。そんなのあったな,,,」

 見つけたのはちょっと高そうなオレンジ色のワンピース。これはかわいいし、はるに似合いそう!ありがとうございます!はるのおばあちゃん!!

 「これ!これいいよ!かわいい!絶対似合う。」

 「そう,,,?うん!着てみる!」


 「ん、どうかな?」

 はるがやってきた。すらりと長い足。くびれ。しなやかな長い髪は肩にかかって。ぱっちりした目は明るい印象を与える。

 なんだこれ、かわいいな。これほんとにはるか!?いや、はるはかわいいんだけど。なんていうか、全然雰囲気が違う,,,

 「似合ってる,,,すごい大人っぽい。いつもと全然雰囲気が違うよ。」

 「やった!かわいい?そんなにかわいい?」

 「うん。めっちゃかわいい!」

 「やった,,,嬉しい,,,」

 幸せそうな顔。今は冬だから、いくらなんでもワンピース一枚では寒いと思い、聞いてみる。

 「でも、はる、それだけじゃ寒くない?」

 「うん,,,ちょっと寒いね。これだけじゃ外には行けなそうかな,,,」

 「じゃあさ、今度はコート着てみてよ!絶対何来ても似合うよ!」

 「本当?分かった。なんか選んでくるね!」

 何を着てきても似合うだろう。本当に。

 そう言って、はるが選んだのはピンクのいもむしの絵が背中に書いてあるパーカーだった。

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